mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

宮﨑敏郎はどうやって異次元の打撃技術を身につけたのだろうか?





来日後初めて1軍で先発したアンソニー・ケイはやはり力んでいたのだろう。


初回一死から門脇選手と丸選手を連続して歩かせるなど制球がおぼつかない。


そして、4番岡本和真への2-2からの5球目。


バックドアのスライダーに見えたがやや高かったかも知れない。


センター前に弾き返されてあっという間に先制点を許した。


その後、4回表に後述する宮﨑敏郎の2点タイムリーツーベースで2-1と逆転してもらったが、その裏ヒット3本と内野ゴロ(フィルダースチョイス)と犠牲フライで再びひっくり返されて、この回でマウンドを降りた。


明らかにストライクと思える素晴らしいスライダーをボール判定されるなど審判との相性の問題もあったように見えた。


最速154km/hを記録したストレートは力があり、スライダーのキレも良いので、細かいコントロールがもう少し改善されれば(ここが本当は難しいんですけどね)先発として勝てるようになるだろう。


少なくとも全くダメと言うパフォーマンスではなかったので、次回もチャンスが与えられることだろう。




4回で降板したケイ投手に代わって試合を再構築したのは上茶谷大河。


5回から7回までのべ10人の打者と対峙して許した走者は坂本勇人への四球のみで三振3つを奪う完璧な投球を見せた。


ストレートのキレもコースも良く、打者を押し込めていたために、得意のカットボールでわずかにタイミングを外し空振りを奪うことができていた。


岡本選手を仕留めた外角高めのカットボールはまさにしてやったりと言う一球だったろう。


彼がマウンドに上がっている間に、味方打線が合計4点を挙げて6-3と逆転してくれたため、早くも今季2勝目を手にした。



最終回は連投明けでベンチ外だった山﨑康晃に代わって森原康平が登板したが、3安打1失点と悪い時のピッチングが顔を出した。しかし、最後は岡本和真を捕邪飛で打ちとり、6-4でゲームセット。


3試合連続の逆転勝ちはチームに勢いをもたらすことだろう。


中継ぎの上茶谷投手がチームの勝ち頭というのは不思議な状況だが、シーズン序盤には良くあることだ。


味方のエラーの連鎖もあり1/3回で3失点(ただし自責は0)だった開幕カードのカープ第三戦で失いかけたチームの信頼を取り戻しつつある。


便利屋とも呼ばれる彼のポジションは過酷だが、三浦監督はじめベイスターズ首脳陣と球団フロントもそのことは良く理解しており、彼の貢献を高く評価していることがインタビューでのコメントにも滲み出ている。


本人は先発を希望しているのだろうが、この踏ん張りを続けていればいつかきっとその日がやって来るに違いない。


そして、その時、便利屋として培った技術と経験は新人で先発ローテーション入りしていたあの頃の彼にはなかった大きなアドバンテージになってくれるはずだ。



攻撃陣ではこのところ全くヒットの出ていなかった佐野恵太がラッキーな当たりもあったとは言え3安打猛打賞の活躍を見せた。


3本目のヒットは彼らしいクリーンヒットだったので、これが本格的な復調のきっかけになりそうだ。本人も手応えをつかんだのではないだろうか。



しかし、今日の打のヒーローは何と言っても2本のタイムリーツーベースと押し出しの四球で4打点を挙げた宮﨑敏郎だ。


1点ビハインドで迎えた4回の攻撃では、一死満塁フルカウントの場面でストレートと変化球の両面待ちでやや落ちの悪くなったグリフィン投手のスプリットを掬い上げ、左中間を破るツーベース。



ストレートもケアしているにもかかわらず、落ちるボールに対して前に出されず、身体を傾けることでスイングの軌道を低くする高度な技術で完全にとらえていた。


さらに、7回二死一塁の場面では堀田投手の投じた初球、145km/hの高めのストレートを思い切り引っ叩くと、右中間を破るタイムリーツーベースとなった。


この2打席は宮﨑選手の技術の多様性と狙い球を絞る経験値の高さを実証する良い例だったと思う。


彼の打撃技術の高さはNPBの中でトップクラスという評価が数年前からあったが、2度目の首位打者をとった昨シーズンあたりから、NPBトップクラスという範疇を超えてレジェンドと言われるような異次元の高みに辿り着いた感がある。


それにしても、宮﨑選手はこの異次元の打撃技術をどうやって身につけたのだろうか?


我々素人には本当の核心部分は分からないが、きっと、以下のイチローさんの言葉が宮﨑敏郎の場合にも当てはまるのだと思う。



“やっぱり、小さなことを重ねることが、とんでもないところに行くただ一つの道なんだなというふうに感じています。”



小学生時代から打撃フォームは変わっていないと言う天才、宮﨑敏郎がこれまで積み重ねてきた膨大な数の「小さいこと」の堆積層が私にもチラッと見えたような今日の試合だった。