開幕3連戦の通信簿
待ちに待った開幕を迎え、今シーズンはまずまずのスタートを切った我がベイスターズ。
第1戦と第2戦はスーパールーキー度会隆輝選手のセリーグ新人史上初の開幕2試合連続ホームランなどの大活躍で連勝し、第3戦も先制して、これはスイープも行けるかと思わせたが逆転負け。
1点ビハインドの8回にレフト佐野恵太の不要な送球が大きく逸れ、カバーしたファーストのオースティンも送球ミスという懐かしい負の連鎖で失点を重ねて1-5で敗れた。
期待の度会選手もカープの好守に阻まれるなど5打席ノーヒットに終わった。
まあ、こういう日もある。
三浦監督就任以来、0勝8敗1分という惨状だった開幕カードを勝ち越せたことをプラスに捉えよう。
3連勝でいきなりピークになるよりも、ほどほどの幸せを喜びながら今後に期待する、と言うのは決して悪くない滑り出しだ。
まだたった3試合ではあるが、ここまでの成績などを整理してベイスターズ主要メンバーの現状を評価してみよう。
【先発投手】
開幕カードで先発した3投手の成績は以下の通り。
東克樹 7回 100球 被安打10 奪三振8 与四球1 失点3 勝ち負けつかず
平良拳太郎 8回2/3 105球 被安打4 奪三振6 与四球1 失点1 勝ち
大貫晋一 6回 69球 被安打4 奪三振5 与四死球2 失点2 負け
勝ち星を挙げた平良拳太郎の投球は素晴らしかった。
ストレートの最速は140キロ台後半だったし、変化球、特にシンカーのキレと制球が良かった。
序盤は捉えられた当たりも何本かあったがバックが堅い守りで盛り立て、平良投手も徐々にノって行ったという印象。
試合翌日に一旦登録抹消となったが、故障ではないだろう。
投球数の少なかった大貫晋一が中5日で4月6日の巨人戦、昨日イースタンで好投したアンソニー・ケイが4月7日の同カードにそれぞれ先発すると予想する。
平良の次回登板は9日からの中日戦あるいは12日からのヤクルト戦(いずれも横浜)になるのではないか。
今シーズンはエースとしての働きが期待される東克樹は気負いからか序盤カープ打線につかまった。
カープの分析とそれに基づく対策も奏功して久しぶりに打ち込まれる東を見た。
しかし、カープの対策に柔軟に対応し、ボール自体も低めに集まる彼本来の投球を取り戻して4回以降は無失点。何とかQSまで持っていったのは流石。
最後の投球回となった7回にはクリーンアップを2三振とセンターフライに打ちとり三者凡退としたことで次回登板に勢いをつけられたと思う。
大貫晋一は決して悪くなかった。反省点としては、味方が先制した直後に先頭の秋山選手を歩かせてしまい失点につながったことと、決勝点となった田中広輔選手のホームランだろう。
田中選手に投じたまん真ん中のボールは明らかに失投だったが。
しかし、彼も少ない投球数でQSを達成しており、改善すべき点が明確になったという意味で今後に期待の持てるピッチングだった。
(私の評価)
東克樹 (合格)
平良拳太郎 (素晴らしい)
大貫晋一 (合格)
【リリーフ投手】
この3連戦でのべ6人のリリーバーが登板した。各投手の成績は以下の通り。
ウェンデルケン 1回 14球 被安打0 奪三振3 与四死球0 失点0 勝ち
森原康平 1回 10球 被安打0 奪三振0 与四死球0 失点0 セーブ
徳山壮磨 1/3回 4球 被安打0 奪三振1 与四死球0 失点0
ウィック 1回 15球 被安打1 奪三振0 与四死球1 失点0
上茶谷大河 1/3回 17球 被安打3 奪三振0 与四死球1 失点3(自責0)
石川達也 1回2/3 21球 被安打1 奪三振0 与四死球0 失点0
まず目についたのは、29日の開幕戦で3-3の8回に登板し、カープの6番からの攻撃を3三振で抑えたウェンデルケン投手の安定感。
昨シーズンから彼のチームへの貢献は大きかったが、今年も頼りになるブルペンの柱として勝ちパターンの一角を担ってくれるだろう。
威力のあるストレートと制球の良い変化球のコンビネーションはそう確信させてくれるような投球だった。
そして苦労の末やっと一軍での登板機会を得た徳山壮磨投手。
わずか打者一人だったが、9回表の1点失ってなおも二死一、三塁、4番坂倉選手という場面をフォークボールで三振に打ちとったことは自信になったことだろう。
これからチャンスを度々もらうことになると思うが、コンディション不良の入江大生投手の穴を埋めるポジションにうまくはまってくれる可能性がある。
オープン戦不調で心配された森原康平と石川達也は公式戦では全く違った投球を見せてくれた。
一度だけの登板では未だ判断できないが、昨年後半と同様のパフォーマンスを見せてくれる可能性はかなりあると感じた。
ウィック投手はストレートの威力はあるようだが、変化球で思うようにストライクが取れるかどうかがポイントになりそう。うまく行けば、ウェンデルケン投手に準じたポジションで彼の負荷を分散させてくれる存在になりそうだ。
やや心配なのは上茶谷投手。冒頭に述べたエラーの連鎖で失点したため自責点はゼロだが、オープン戦の時と同様に打者を牛耳るような投球は未だできていない。
頼りになるユーティリティリリーフの姿を取り戻すにはもう一段階状態を上げて行く必要があるだろう。
(私の評価)
ウェンデルケン (素晴らしい)
森原康平 (合格)
徳山壮磨 (素晴らしい(今後の期待も込めて))
ウィック (合格)
上茶谷大河 (これからの頑張りに期待)
石川達也 (合格)
【野手】
この3連戦でスタメンに名を連ねた野手の打順と守備位置及び成績は下の表の通り。
新人の度会隆輝選手がホームラン2本、打点5、盗塁1などの大活躍でリーグ全体で見ても今カードのMVP的存在になっている。
本人も打撃も調子が良いと言っており、今後も引き続き期待したい。
あえて言えば、他の走者がいるにもかかわらず中継に返さずサードを直接狙った返球やビハインドで迎えたイニングの先頭打者として3-1から高めのボール球に手を出して凡退するなどやや強引さが見えた場面もあったので、試合のない月曜日にしっかり反省して丁寧なチームファーストのプレイを心がけて欲しい。
本人も勿論分かっているとは思うが、プロ野球におけるアピールというのは身体能力や技術を誇示することだけではない。
むしろそれを自重してチームプレイに徹する姿も大きなアピールなのだ。
もう一人、新人で開幕スタメンのチャンスを掴んだ石上泰輝選手も走攻守にわたって活躍している。
特に昨日の第3戦ではチーム唯一のマルチヒットに加えて再三にわたって好守を見せるなど敗戦の中で最も光った選手だった。
このままショートのレギュラーの座を掴むようなことになれば、長年のベイスターズの大きな問題点の一つが解消されることになる。
阪神の中野選手、オリックスの紅林選手、ヤクルトの長岡選手などを見ていて大変羨ましく感じていたが、ウチにもとうとう彼らと肩を並べる選手がやって来たのかも知れない。
壁に当たることもあるだろうが、首脳陣には是非我慢して使い続けてもらいたいし、我々ファンも彼を育てるつもりで良い時も悪い時も応援していく心構えが必要だと思う。
その他、タイラー・オースティンも毎試合の5安打を放つなど発奮しており、オープン戦不調時の懸念を吹き飛ばしてくれた。
オープン戦の43打席を含め、今シーズンの打席数が57に達した彼は、ラミレス前監督の50打席理論に従えばこのままヒットを量産して行ってくれるはずだ。
あとはホームランが一本欲しい。そうすれば本人も勢いに乗れるに違いない。
ヒット2本で打率1割台の佐野恵太は守備、特に送球面の不安もあり少し心配。
そう言えば昨日の試合で連続送球エラーの佐野、オースティンは二人とも今オフに利き腕の手術を受けており、たまたまかも知れないが念を入れて確認しておいて損はない。
ともかく、試合のない今日という1日を生かしてメンタルを含めしっかり準備して欲しい。
実力は折り紙付きなのだから焦る必要はない。
鷹揚に構えて、「そろそろ打ってやるか」くらいの上から目線で試合に臨んで欲しい。
そんなことを言っていられないのは開幕スタメンのチャンスを逃すかどうかギリギリのところにいる梶原昴希。
未だノーヒットで、出塁もデッドボールで得た1回のみ。
膝下の落ちるボールに手を出して空振り三振、という打席が続いており、これを克服しないと1軍定着は難しい。
インコース低めは彼の得意なコースなので手を出してしまうのだろうが、その癖が完全に見透かされているようだ。
彼もこの休日を生かして立ち直ることができるか?
明日の阪神先発は右の村上投手なのでもう一度チャンスがもらえるか、いや、昨シーズン関根大気の対村上の打率が良かったのでスタメンの座を譲ることになるかも知れない。
その他、牧秀悟、宮﨑敏郎と言ったところはボツボツ打ち出しており、彼ら実績組はこれから試合を重ねれば実力を発揮してくれるはずだ。
キャッチャーでは山本祐大が打撃でも結果を出しており、伊藤光もバッティング好調に見えるのは朗報だ。
昨日の試合で人生初の1軍の打席に立った松尾汐恩(結果はファールフライだったが)も含めて捕手3人が高いレベルで競争を続けて行けばチーム全体に好影響を及ぼすに違いない。
(私の評価)
度会隆輝 (素晴らしい)
オースティン (素晴らしい)
佐野恵太 (これからの頑張りに期待)
牧秀悟 (合格)
宮﨑敏郎 (合格)
梶原昴希 (これからの頑張りに期待)
桑原将志 (合格)
山本祐大 (素晴らしい)
伊藤光 (合格)
石上泰輝 (素晴らしい)
明日からは苦手の京セラドームで昨年の覇者タイガースとの3連戦が始まる。
開幕から2試合完封負けを喫したタイガースだが昨日の試合では森下選手のスリーランホームランから打線が活発化しており、やはり難敵であることに変わりはない。
ベイスターズの先発はアンドレ・ジャクソン投手のーお披露目が予定されている。
ファームでのパフォーマンスはもう一つだったが、1軍の舞台ではアドレナリンが出るタイプであることを念じている。
頑張れベイスターズ!
勝っても負けても、いつでもどこでも。
これからもずっと応援している。
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