悪夢のような逆転負けの後の長く暗い夜にも天使はいる
昨日のジャクソン投手は良かったですね。
球数が多い点は改善しなくてはならないが、ストレートの球威はオープン戦の頃の状態に戻ってきたのではないだろうか。
レフトからの中継ミスが無ければ勝ち投手になっていたところだった(自責点は0)。
その後、徳山、伊勢、森原、山﨑、石川、松本凌、森唯斗という7人のリリーバーを繰り出してその間わずか1安打に抑え込んだ。
終盤はベイスターズの方が押し込んでいただけに、1-1の引き分けは勿体無い感じもするが、ブルペン陣の強化という成果が出たのであれば良しとしよう、と今日の試合の8回あたりまでは思っていた。
というのが懐かしく感じられるほど、それから色々とあった。
今日の試合では、ハマちゃんがハマちゃんらしく四球でランナーを出すピッチングだったが、ギリギリのところで抑えるというイニングが続いていた。
タイガースが先制したのは5回表、先頭の伊藤が投手ながらヒットで出塁し、その後フォアボール2つで二死満塁となった。
ここで、とうとうハマちゃんはノイジーに押し出しのフォアボールを出してしまった(最後のボールはストライクだろ!という遠吠えが全国300万人(推定)のベイスターズファンから出たとか)。
5回終了時に雨脚が強まり、このままコールドかと思われたが中断後に再開。
7回裏、そこまでノーヒットに抑えられてきた伊藤投手に対して先頭の佐野恵太がチーム初ヒットで出塁すると、宮﨑のヒット、楠本の進塁打で二死二、三塁となり、山本祐大がセンター前への2点タイムリーヒット。
さらに、石上泰輝のライト前ヒットを森下選手が後逸する間に山本も生還して3-1。
このまま勝てばかなり気持ちの良い快勝になるはずだった。
中川颯もプロ入り初勝利を手に入れるはずだった。
8回は森原康平があっさり三者凡退に打ち取り、勝利への期待感が横浜スタジアムを包んだ。
そして9回表にヤスアキジャンプの人が登場。
ちょっと嫌な予感はしたのだ。
いや、僅差でリードした9回はいつも嫌な予感はしている。今日も同じだったのかも知れない。
その後の詳しい展開はあまり思い出したくもないが山﨑投手は先頭の糸原選手から三連打を浴びて無死満塁。
続く森下選手に押し出しのデッドボールを与えたところで三浦監督がたまらずベンチから飛び出して交代を告げた。
しかし、続いてマウンドに上がった徳山壮磨は準備ができていたのだろうか?
できていたとしても、今年初めて一軍で投げた投手に雨の中、3-2の一点差、無死満塁でバッターは4番という過酷な状況を任せるのは感心しない。
結局その後、タイムリーヒット2本と押し出しで3点を失い、3-5で敗れた。
5回終了時の雨天中断でそのままコールドとなり0-1で負けていたら、普通の負けだった。
その後逆転して希望と期待が膨らんだ後の手ひどい再逆転負けだけに、全国300万人(推定)のベイスターズファンは大きな精神的打撃を受けた。
打たれた山﨑康晃、徳山壮磨はまだ細かい雨の降り続くこの長く暗い夜をどうやって過ごしているのだろうか?
彼らと、そして試合終了後ずっと沈んでいる自分自身の心のために、ちょうど20年前に亡くなった中島らもさんの文章を書いておきたい。
多かれ少なかれ絶望感を持った全国300万人(推定)のベイスターズファンのみなさんの心が少しでも和やかになれば幸いである。
その日の天使 中島らも
死んでしまった ジム・モリスンの、
なんの詞だったのかは 忘れてしまったのだが、
そこにThe day’s divinity, the day’s angelという言葉が出てくる。
英語に堪能でないので、おぼろげなのだが、
ぼくは こういう風に 受けとめている。
「その日の神性、その日の天使」
大笑いされるような誤訳であっても、別に かまいはしない。
一人の人間の一日には、必ず一人、
「その日の天使」がついている。
その天使は、日によって様々な容姿をもって現れる。
少女であったり、子供であったり、
酔っ払いであったり、警察官であったり、
生まれて直ぐに死んでしまった、子犬であったり。
心・技・体ともに絶好調の時は、これらの天使は、人には見えないようだ。
逆に、絶望的な気分に おちている時には、
この天使が一日に一人だけ さしつかわされていることに、よく気づく。
こんな事がないだろうか。
暗い気持ちになって、冗談でも”今自殺したら”などと 考えている時に、
とんでもない友人から電話が かかってくる。
あるいは、
ふと開いた画集か なにかの一葉によって救われるような事が。
それは その日の天使なのである。
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