mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

目の前の勝利よりも持続可能性を選んだ三浦監督の辛抱が報われることを祈ろう





今日のカープの先発は森下投手。


昨日のアドゥワ投手といい、明日登板予定の九里亜蓮投手といい、カープの投手は全て天敵のように思えてくる。


ああそうだ。もう1人、大瀬良さんもいたんだっけ。



その森下投手に対して、2回表に2連続エラーと進塁打で一死三塁のチャンスを作り、比較的相性の良い大和が犠牲フライを打ってノーヒットでちゃっかり1点を先制した。


昨日の試合から、タイムリーヒットの出ないまま3点目を挙げたことになる。


しかしその後、ベイスターズ打線は6回までノーヒット、出した走者は死球による1人だけ。


森下投手に完璧に抑え込まれた。


一方、ベイスターズの先発はこのところ少しずつ日本の野球に慣れ、調子を上げつつあるアンソニー・ケイ投手。


150キロ台半ばのストレートは威力があるが、細かいコントロールがある方ではなく、カープ打線としては与しやすしという感じではないだろうか。


ケイ投手はストレートで押し込む場面もあるものの、やはり捉えられる回数が多かった。


初回は二死満塁、2回は二死二塁、そして3回にも二死二、三塁と毎回得点圏にランナーを背負っての投球となった。


しかし、ピンチのたびに彼はなんとか後続を打ちとり、無失点で試合を進めていった。


そして、回が進むにつれて前回登板の時と同様にカットボールでカウントを稼げるようになり、5回と6回はカープ打線を三者凡退に抑えた。





ベイスターズ打線は7回二死まで森下投手の前にノーヒットだったが、そこから、宮﨑、大和の連打で一、二塁のチャンスを作り打席に山本祐大が入った。


しかし、山本は粘ったものの結局ショートゴロに倒れた。


チャンスの後にピンチありとはよく言ったもので、その裏、一死から森下投手の本日3本目となるヒットを足がかりにケイ投手は追い込まれ、秋山選手のヒット、菊池選手にはストレートのフォアボールで一死満塁のピンチを作った。


ピンチを切り抜ける際に投手はメンタル面でのスタミナを消費する。


切り抜けられるピンチは3度までとはよく言われる相場感だが、今日のケイ投手もどうやらこれに当てはまっていたように思う。


無失点ではあるものの、4回までに7本のヒットを打たれる状況であり、6回終了時で球数も既に94球に達していたので、私は7回から継投に入るものと予想していた。


ひょっとするとケイ投手自身も頭の中にそう言った考えがあったのかも知れない。


しかし、三浦さんは続投を決め、それは結果的に大きなピンチを招いてしまった。


2番手の徳山壮磨投手は売り出し中の力のある投手だが、先日の阪神戦の際に一点差で無死満塁のピンチでマウンドを山﨑康晃投手から引き継いだ時と同様、いくらなんでも厳しい登板となってしまった。


この場面で打席に入った野間選手には注文通りのセカンドゴロを打たせたが、ゲッツー崩れの間に同点に追いつかれてしまった。


実質、ここで勝負は決まったと言っても良いだろう。


不調の4番堂林選手にかわって代打の切り札松山選手が打席に入り、バッテリーはストレートの連投で力勝負に出たが3球目にストレートを見事にライトスタンドに運ばれてさらに3点を追加された。


最初の2球は厳しいコースに決められたが、3球目は失投とは言わないまでもやや甘いコースだったと思う。


しかし、これを一発で決められる松山選手が凄い。まさにプロの勝負師だ。



これで万事休す。


ベイスターズは、このまま、1-4で逆転負けを喫した。


ヒット2本で勝ちを拾うことが出来れば最高だったが、そんなことは年に何回もあるものではない。


序盤戦の今日の試合で運を使い果たさなかったことをよしとしよう。


私としては前回の悪夢の逆転負けに続いて徳山投手のメンタルが心配だったが、試合後の本人の談話で、


“こういう場面で投げさせてもらえていることはありがたいこと。


ここで下がるのではなく、次にあの場面に上がった時に気持ちで向かって抑えていけるように準備したい”


と語っているので、前を向いて頑張ってくれることだろう。


打たれても、次にやり返す気持ちを無くさなければ本当の負けではないのだ。


頑張れ、徳山!




ところで、三浦監督の采配である。


幸運な先制点からリードを守って迎えた7回。


先発は無失点とは言え既に100球に近い球数を投げており、再三のピンチを凌いできている。


投手ながらここまで2打席2安打の森下選手にも打順が回る。


こうしたことを総合的に考えれば、今日の試合で勝つための最適解は7回頭から継投に入ることだった。


しかし、ウェンデルケンと入江大生が故障で離脱中であり、不調の上茶谷はファームで再調整。


ウィック投手もファームで炎上中、1軍に復帰したばかりの三嶋一輝も未だ目処が立っていない、という現状。


ブルペンには、伊勢大夢、山﨑康晃、森原康平という3人しか実績のある「勝ちパターン」のリリーバーがいない。


万が一、この3人のうち誰か1人でも離脱するようなことがあれば、今シーズンは早々と終戦ということにもなり兼ねない。


こうしたことまで勘案すると、7回から伊勢、山﨑、森原を注ぎ込んで1-0の勝ちを掴みに行くというのは今後数週間から1ヶ月程度まで先を見越した場合には最適とは言えない、というのがベイスターズベンチの出した結論だったのだろう。


確かに、現時点でこの3人をフル回転させるのは持続可能な戦略とは言えない。


ひょっとすると、三浦さんではなく、アナリスト出身の大原チーフ投手コーチあたりからの進言が決め手だったのかも知れない。


今シーズン初めの萩原統括本部長のコメントを見ていると、この辺りはシビルコントロールの領域になっているようにも思えるのだ。


ともかく、三浦さんはこの意見に同意して、ケイ投手の続投を決めた。


私は、今日の采配は迷いやブレによるものではなかったと考えるので、この決定を支持したいと思う。


ポジティブに考えてみよう。


これで、明日のカープ戦と明後日のスワローズ戦(横浜)では、前述の勝ちパターン3人を連投で使えることになった(変則日程のため、7日の火曜日は試合が無い)。


その2試合の先発は大貫晋一とアンドレ・ジャクソンだ。


ここで連勝しよう。


良いニュースもある。


復帰を目指す入江大生がライブBPに登板できるほど復調してきたそうだ。


https://twitter.com/shirokowhite/status/1786683906399637727


そして、今日久しぶりに見た三嶋一輝は、以前より変化球が増して少しモデルチェンジしたようだが、2三振を含む三者凡退でカープ打線を抑えた。



この2人とウェンデルケン投手が戻って来るまで、さらなる故障者を出さず、かつ、徳山投手や松本投手、中川虎大投手などに経験を積ませることができれば、ベイスターズのブルペンはリーグでも指折りの質と数を手にすることができる。


そうすれば、今日のような試合をガッチリと勝ち切るような力技ができるようになるのだ。


だから今は、三浦さんや大原コーチたちの今日の辛抱が報われる日の来ることをひたすらに祈ろう。


それが我々ファンの矜持というものだ。