mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

海の向こうの記念すべき1勝と京セラドームでかいた冷や汗





今まで知らなかったが、シカゴは風の街と言われているらしい。


ミシガン湖から吹き付ける季節風のことを言っているそうだが、19世紀末に開催された万博誘致の際に競い合ったニューヨーカーたちの陰口がもとになっているという説もある。


しかし、私はミシガン湖の季節風の方を信じたい。


今日行われたカブスのホーム開幕戦で我が今永昇太君が投球していた折、彼の自慢のストレートを空振りした打者の足もとを強風で飛ばされたビニール袋が横切って行くのを見たからだ。


今日の試合が始まった時の気温は6度。


その寒気の中、今永昇太は敢えて半袖のアンダーシャツを着てマウンドに立っていた。


きっと彼の身体の内側から湧き出す熱風のせいだろう。


そして今永は海を渡っても今永だった。


異常なほど回転数の多いストレートで空振りを奪い、押し込まれた打者は低めのボールになるチェンジアップやスライダーに手を出して面白いように空振り三振に打ちとられていった。



5回2/3までパーフェクトの快投。


その後2本のヒットを打たれて二死一、二塁のピンチを迎えたが、最後の打者をインコースの糸を引くようなフォーシームで空振り三振に打ちとり、0-0のままマウンドを降りた。


その裏、今や彼のチームメイトになった鈴木誠也のヒットなどで味方打線が3点を挙げて、結局カブスは5-0で快勝した。


初先発の新人で6回、2安打、無四球、無失点、9奪三振というのは長いMLBの歴史でも2人目とのこと。


やくやったぞ今永!


しかし、彼自身が試合後に語っていた通り、今日の勝利は未だ船出の前に舫を解いたに過ぎない。


これからきっとRPGのように様々な敵と対戦し、レベルアップして行くことになるのだろう。


ベイスターズを去り、風の街の住人になっても今までと変わらず応援し続けるんだ。


頑張れ今永!





さて、ところ変わって日本では京セラドームの開幕戦でベイスターズがタイガースと対戦していた。


タイガースの先発は昨シーズンの最優秀防御率、MVP、新人王に同時に輝いた村上頌樹投手。


なかなか一筋縄では行かないだろうと思っていたが、1回表の攻撃で、度会隆輝の四球、佐野恵太のライトへのポテンヒットで一死一、三塁のチャンスを作る。


続く牧秀悟の痛烈なサードゴロを佐藤輝明が大きく前に弾く間に度会が生還して先制。


5番宮﨑敏郎は右方向にはかったように低いライナーのヒットを放ち満塁。


関根大気はファーストフライに倒れたが、続く山本祐大が打席で粘りを見せた。


3球で追い込まれたが、ストレート、フォーク、カットボールなどを悉くカットして2-2で迎えた9球目。真ん中やや外よりのストレートが高めに浮いた。


山本はこの甘い球を見逃さず逆らわずに右方向に打ち返すと打球はやや前進守備のライトセンター間を深々と破り、走者一掃のタイムリースリーベース。



昨シーズンは初回に一度も失点しなかった村上投手から幸先よく4点を挙げた。


その裏、先頭の近本選手がベイスターズ先発のアンドレ・ジャクソン投手の低目のチェンジアップをうまく掬い上げてセンターへのスリーベースヒット。


続く中野選手にもチェンジアップを打たれてセンター前のタイムリーヒット。


一死もとれずに1点を返されたが、中野選手の盗塁企図を山本祐大が刺して、その後森下と大山を打ちとり追加点は許さなかった。


ベイスターズは3回にも牧、関根、山本祐大のヒットで一死満塁とし、石上泰輝のファーストゴロをさばいた大山がホームに送球。


一旦はアウトとなったが、三塁走者牧のアピールからリプレイ検証が要求され、判定が覆り5点目が認められた。


その後、アンドレ・ジャクソンは時折ランナーを出し二死二、三塁のピンチを迎えるなどしたが、要所で150キロ台後半のストレートと落差の大きいナックルカーブが冴え三振で切り抜けることができた。


6回、87球、4安打、5三振、3四球、1失点は日本での1軍初先発として十分合格点だろう。


最後は疲れが出たのか大きく抜けるボールもあったので、握力なども含めたスタミナの向上が今後の課題になるように思った。


しかし、彼の突き刺さるようなストレートと制球の良いチェンジアップ、スライダー、そしてナックルカーブといった変化球のコンビネーションはこれからさらに威力を増すことが期待できる。




ともあれ、ここまでは楽勝ムードだったのだ。ここまでは


その後、7回に登板した伊勢大夢は簡単にツーアウトまで漕ぎ着けたが、今シーズン未だヒットのない木浪選手に投じた初球のストレートがシュート回転して真ん中高めに入ってしまった。


これは流石に見逃してもらえず、ライトスタンドに飛び込む大きなソロホームランとなりスコアは5-2。


8回に登板したウェンデルケンも前回とは異なり不用意なボールを先頭の近本に投じてしまいフェンス直撃のツーベースヒットを打たれた。


その後、中野のセカンドゴロでランナーはサードに進み、続く森下のサードゴロの間に三走が生還して5-3にまで追い縋られた。



2点差で迎えた9回裏、複数のクローザー候補を併用すると名言しているベイスターズ首脳陣は今日、山﨑康晃投手を選択した。



先頭の佐藤輝明は変化球を打たされて倒れたが、次のノイジーと前川の連打で一死一、二塁となってヤスアキ劇場が開幕したかに見えた。


しかし、30歳となった山﨑投手は落ち着いて木浪と代打前川を打ちとりゲームセット。


途中までは快勝かと思われたが、打線は4回以降ヒット5本、四球二つとランナーは出したものの無得点に終わり、逆に勝ちパターンを担うべきリリーフ陣は連打を浴びて5-3まで追い上げられた。


勝つには勝ったが課題も多く見つかった試合だった。


しかし、まあ良い。


未だ4試合とは言え、チームが単独首位となったこと、そして課題が見つかったこともポジティブにとらえよう。


明日の先発予定はハマちゃん。


頑張れハマちゃん、負けんなよ!