mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

平良は平良で、蝦名は海老名?で、大和は大和だった





今日の試合開始前に8月の月間MVPの発表があり、セリーグでは牧秀悟とトレバー・バウアーが投打で受賞するという快挙を達成した。


バウアーは6月に続いて2度目の受賞で、月間43イニングとフル稼働で3勝1敗、防御率1.67の好成績をおさめたことが評価された。


腸腰筋の損傷で離脱して以来、久しぶりに彼の元気な姿を見ることができて良かった。


復帰時期は未だ何とも言えない、と慎重に言葉を選んでいたが、バウアー投手がCSで投げる勇姿を見るためにも、彼が不在の間、何とかAクラスの座を守りきりたい。




さて、昨日までマツダスタジアムでカープと対戦していたベイスターズは、台風の影響を考慮して早朝に広島を出発して横浜に戻り試合前練習を行うという慌しい移動日を過ごした。


雨は時折激しく降ったものの何とか試合は最後まで(実際は延長戦まで)行うことができた。


ベイスターズ平良拳太郎、スワローズ石川雅規が先発した試合は、1回裏一死走者なしから2番サードでスタメンの知野直人の先制ソロホームランで幕を開けた。


打ったのは真ん中高めのスライダー。


石川投手としては恐らくバックドアで外角のボールゾーンから入ってくるコースを狙ったのだと思うが、それが甘く入ってしまった。


彼にしては珍しいコントロールミスだったが、それを逃さなかった知野選手の成長も見逃せない。


知野選手は他にあまり類を見ないノーステップでスイングをする打者だが、それであれだけ飛距離も出せるのだからよほどボールを飛ばすことに長けているのだろう。


その後、試合は緊迫した投手戦になっていった。



【平良拳太郎は平良拳太郎のピッチングを取り戻した】


今日の平良拳太郎は非常に良かったと思う。


彼の良い時はストレートにキレがあり、内外角のコースにキッチリと投げ分けることができる。


特に、4回表、村上選手を見逃し三振に打ちとったインコースのストレートは素晴らしいコースと球質だった。


そして、このストレートで空振りや押し込んでのファウルを取ることができていたので、変化球も生きた。


スライダーとシンカーを駆使した横の揺さぶりにスワローズのバッターたちはかなり手を焼いていたように見えた。



ピンチは2度。1度目のピンチは4回表二死からサンタナとオスナの連打でランナー一、二塁となったが、続く長岡選手のファースト横の鋭いゴロにソト選手が飛びついて捕球してことなきを得た。


2度目のピンチは7回、先頭のオスナ選手に三塁線ギリギリのゴロがサード知野選手のグラブの下をすり抜けてツーベースヒットとなった。


知野選手がグラブを出したサードベース後方では明らかにファウルグラウンドに出ていたが、サードベースをかすめていたと言う塁審の判断でヒットの判定(VTRで見る限りそれは正しいようだ)。


知野はファウルと決めてかかっていたように見えたが、勿体無いプレイだった。やはり、捕れないまでもせめて止めなくてはいけなかっただろう。


この後、長岡が送りバントを決めて一死三塁となったが、高津監督の代打攻勢を川端慎吾ファーストゴロ、山田哲人三振で凌いで、この回も無失点で切り抜けた。


7回、111球、被安打7、奪三振9、与四球2、失点0の堂々たるHQS。


リリーフが失点したために勝ち星はつかなかったが、彼自身満足できる出来だっただろう。


この好投は必ず次の登板につながるはずだ。いや、繋げなくてはならない。


トレバー・バウアー、今永昇太、石田健大の去就が不確定な来期は彼と東克樹そして大貫晋一に先発ローテーションの柱としてチームを引っ張ってもらう必要があるのだ。


今日の平良のピッチングはそう言う彼の近未来像を信じさせるだけの価値あるものだったと思う。



【蝦名達夫の守るライトは海老名サービスエリアだったのだろうか】


8回に2番手として登板したウェンデルケン投手は今日も安定していたと思う。


しかし、先頭の内山選手がバットに先端でライトに打ち返したハーフライナーにはおかしな回転がついており、ライトの蝦名達夫の目の前でバウンドした際に予想外の方向に跳ねた。


折しも雨脚が強まる中、この打球に変化に合わせてステップを切った蝦名が足を滑らせて転倒し、打球はその横をすり抜けてライトのフェンスまで転がっていった。



蝦名がこれを追いかけて捕球する間に内山選手はサードに達していた。


無死三塁と言う絶対絶命のピンチで、ウェンデルケン投手は代打の青木宣親をワンバウンドする変化球を振らせて打ちとったが、続く3番宮本丈にセンターへの犠牲フライを許して、とうとう1-1の同点に追いつかれた。


蝦名選手の転倒による後逸はエラーとは認定されなかったため、内山選手のヒットは記録上はスリーベースとなり、ウェンデルケン投手には自責点としてカウントされることとなる。


試合後、三浦監督は、「打球が奇妙なバウンドをしたので、あれは誰も捕球できない」と裁定し、蝦名を庇っていたが、そもそも無死走者なしの場面で外野手である蝦名選手があれほどチャージをする必要はなかったはずだ。


不必要に「攻めた」守備をしなければ後ろに逸らさなかった可能性はかなりあると思う。


ネット上では、また、口の悪い人たちが海老名サービスエリアと言うキーワードを書き込んでいるようだが、気持ちは良くわかる。


私自身も、この回終了後にベンチに戻って帽子をとった蝦名選手の茶髪を見て何だかムッとしてしまい、実際、口に出して「ケッ」と言ってしまったが直ぐに反省した。


人生を賭けたプロ野球選手に対してリスペクトに欠けた行動だったと思う。申し訳ない。


そして、9回裏の攻撃でヒットで出塁した大和選手を送る際に、彼が2度バントを失敗し、3度目に身を挺して何とかバットに当ててスリーバントを成功させた際には、妙に蝦名選手を褒めそやし、俗に言う「手のひら返し」をしてしまった。


ケッと言ってしまったことの罪ほろぼしだったのだろう。


まさか蝦名選手に関してこんなに私の心の葛藤が生まれるとは予想だにしていなかった。


蝦名選手、是非、失敗から学んで名手と呼ばれる外野手になって下さい。



【最後はやっぱり大和だった】


9回表にはクローザーの森原康平が中村悠平選手の頭部に死球を与え、危険球退場となったが、急遽登板した伊勢大夢が一死一、二塁のピンチで併殺と言う最高の形でピンチを凌いだ。


1-1の同点のまま試合は延長に入り、10回表は上茶谷大河が登板してヒットと四球で二死一、二塁のピンチを迎えたが、最後は外角一杯のカットボールでサンタナ選手を3球三振に打ちとってチェンジ。


ピンチの後にチャンスあり。


10回裏には、古巣相手の登板となった阪口投手から佐野恵太が四球を選び、さらに牧秀悟がこの日2本目のツーベースヒットをライト線一杯に放って一死二、三塁のチャンス。


ここで打席には9月に入って絶不調のソト選手が入ったが、スワローズベンチは彼を申告敬遠で歩かせてくれた。


1点でサヨナラと言う場面では、二、三塁よりは満塁の方が守りやすいと言うことはあるだろう。


しかし、今のソト選手の状態では、得点圏の鬼と言われた大和選手の方が希望が持てそうな気がしていたので、この敬遠は歓迎だ。


そして、大和は外角のカットボールを狙いすましたように右方向に追っつけ、一、二塁間を破るサヨナラタイムリーヒットでゲームセット。


ファーストベースを走り抜けた大和は、駆け寄ろうとするチームメイトたちを手で制して淡々と試合を終えた。



頭部死球を与えてしまった中村悠平選手への配慮であからさまに喜びを表現することを避けた大人の振る舞いだったと思う。


得点圏でキッチリ結果を出したことも、その後の振る舞いも、やはり大和は大和だった。


2018年に大和がFAでタイガースからベイスターズに来てくれた時の嬉しさや、その時の彼の「自分の持てる力を最大限に発揮してベイスターズが優勝するために来ました」というコメントを聞いた時の感激を久しぶりに思い出した。


5年前も今日も有難う大和。


これからも規則正しい生活を続けてください。