mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

左腕リリーバーの世代交代が今起きているのか




5月7日 大型連休最終日は終日雨。神宮球場での対ヤクルト第3戦は早々に中止となった。


前回登板でマダックスを達成するなど好調の東克樹が登板予定だったので、試合ができれば、と思っていたが、ブルペンのことを考えれば恵みの雨だったと捉えるべきかもしれない。


今週のベイスターズ救援陣の投球内容を整理してみよう。


ジェフリー・ウェンデルケン

3試合(5/2、5/4、5/5)、2ホールド、56球、被安打3、奪三振4、与四球1、失点0


伊勢大夢

3試合(5/2、5/3、5/5)、3ホールド、54球、被安打2、被本塁打1、奪三振0、与四球1、失点1


山﨑康晃

3試合(5/2、5/3、5/5)、1セーブ、2敗、50球、被安打8、奪三振2、与四球1、失点7


上茶谷大河

2試合(5/2、5/6)、1勝、41球、被安打2、奪三振0、与四球1、失点1(自責0)


三嶋一輝

2試合(5/4、5/5)、2ホールド、30球、被安打3、奪三振2、与四球0、失点0


入江大生

1試合(5/4)、1ホールド、12球、被安打0、奪三振3、与四球0、失点0


森原康平

1試合(5/4)、1勝、17球、被安打0、奪三振0、与四球0、失点0


エドウィン・エスコバー

1試合(5/5)、12球、被安打2、被本塁打1、奪三振0、与四球1、失点3


石川達也

1試合(5/6)、9球、被安打0、奪三振1、与四球1、失点0


坂本裕哉

1試合(5/6)、34球、被安打1、奪三振2、与四球2、失点0


宮國椋丞

1試合(5/6)、34球、被安打3、奪三振1、与四球0、失点2(自責1)


昨年、勝ちパターンとして定着していたエスコバー、伊勢、山﨑の3投手がかなり衝撃的な打たれ方をしたので、ブルペン全体が崩れたような印象があったが、他の投手達は大きな問題はなくそれぞれの役目を果たしたと言って良いだろう。


上記の3人の投手の炎上のうち最も頭が痛いのはクローザーの山﨑康晃だと思う。


同じ週に2度、勝負どころで被弾して2敗を喫すると言うのはよろしくない。



山﨑投手はここまで9セーブを挙げているが、既に3敗しており(昨年は通年で2敗)、


防御率 5.93(昨年は1.13)

被打率 .291(同 .154)

WHIP 1.39(同0.70)


といずれの指標も悪化していることが気になる。


ただし、今季の被本塁打2は全て今週のものだし、通算9失点のうち7点は今週、16被安打の半分の8本も今週と明らかに偏っている。


思えば今週はトレバー・バウアーのSword celebrationに関する彼自身のSNS上での発信から炎上し、球団との話し合いやSNS上での謝罪などグラウンドの外でストレスのたまることが多かったのではないだろうか?


もしこれが今週に限っての一過性のものであれば大騒ぎする必要はない。彼自身が心の平静を取り戻して、来週、本来の投球を取り戻してくれればそれで良い。


技術面で少し気になるのは、彼の生命線である右打者のアウトローに決まるキレの良いストレートが昨年ほどの状態ではないことだ。


良いボールもあるが、未だ再現性が低いと言う印象。


そのせいか、ツーシームに頼る場面も多いように思う。昨年に比べて奪三振率が向上している(6.96→11.20)一方で、上述のように被打率が悪化しているのはこれが原因かも知れない。


まあ良い。来週の彼のパフォーマンスが向上するか否かを見守ることとしよう。


他方、エスコバー投手については、首脳陣がファームで調整すると言う判断を下した。


三浦監督のコメントによれば、10日間での復帰ということは考えておらずファームで心と頭の整理をするとのこと。


本ブログでも取り上げたが、ご家族も対象にした脅迫や誹謗中傷があったことや、降板後に珍しくベンチで荒れるシーンがあったこともあり、確かにメンタル面でのケアは必要なように感じる。


そして、三浦さんの短いコメントの中にフォーム(の修正という意味だろう)と言うキーワードが含まれていたことだ。


エスコバー投手のようにスリークォーターで投げるピッチャーの場合、どうしてもリリースするボールがバッターから早めに見えてしまう傾向があるが、もし、彼の現在の投球フォームで右肩の開きが従来よりも早くなっているとすると、その傾向はより顕著になる。



バッターが体感する球速はスピードガンの数値ではなく、リリースされるボールが見えてからホームベース上に到達するまでの時間で決まるとも言われている。


つまり、エスコバー投手のように155km/hのスピードボールを投げていても、バッターが早くからリリースされるボールを見ているとすると、対応するだけの十分な時間ができてしまうことになる。


もう一つ考えられることは、フォームから球種がバレている可能性だ。エスコバー投手は速球系のボール(フォーシームとツーシーム)とスライダーが主な球種だが、スライダーの時は腕が緩むため区別しやすいと言う弱点がある。


もし今回のファームでの調整でこの辺りを修正する場合、時間は必要だろう。しかし、今季ここまでの防御率が15.63と言う現状を考えれば、こうした抜本的な見直しに取り掛かることを決心した可能性はある。


エスコバー投手のファーム行きと同じ日に、坂本裕哉と石川達也の2人の左のリリーバーが1軍に合流した。



彼らは2人とも昨日の乱打戦の中盤に登板し、2人合わせて3イニングを無失点で抑え、試合を落ち着かせる役割を十分に果たした。


中でも先発から中継ぎに転向した坂本投手は、150キロを超えるストレートを連発して力でバッターを抑え込むようなピッチングを見せており、かなりはっきりとモデルチェンジをしたように見えた。


昨年の入江大生がそうだったように、リリーバーに転向することによって圧倒的な球威を身につけると言う変化が起きつつあるのかも知れない。


テレビ画面で見た彼は心なしか身体もかなり大きく逞しくなったように見える。



今春のキャンプでストレートの球速155km/hを目指すと言っていたが、その目標に向けて肉体改造にも取り組んだのではないだろうか?


そして、昨日の公示で私がもう一つ注目したのは、エスコバー投手の代わりに登録される投手の中に田中健二朗の名前がなかったことだ。


タナケンのファームでの登板と内容から、1軍に上げるつもりならばもう準備はできているように見えるにもかかわらず、声がかからなかった。


もちろん、我々ファンとしては、エスコバー投手にもタナケン投手にもまだ活躍を続けて欲しいと思っている。しかし、プロ野球というシビアな世界、特にチームの成績を左右すると言われる救援陣の構成と言う現実では、左腕リリーバーの世代交代が始まっているのかも知れない。


後日答え合わせをするためにも、試合のなかった今日、気になった点を備忘録的に書き留めておくこととした。