mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

3ヶ月ぶりの勝利を挙げた柔らかな大貫晋一のたゆまぬ節







昨日の対ジャイアンツ初戦に完敗して2位カープとは2ゲーム差に離される一方、4位ジャイアンツには2ゲーム差に迫られると言う苦しい状況にあるベイスターズ。


今日は横浜スタジアムにジャイアンツを迎えての第二戦。


ベイスターズの先発は6月17日の交流戦(対ロッテ)以来3ヶ月以上勝ち星から遠ざかっている大貫晋一。


昨年のチーム最多勝(今永昇太と並んで11勝)投手である彼がここまで3勝4敗と言うのは予想と大きく異なるが、前回登板(9月18日の阪神戦(甲子園))ではタイガース打線を6回無失点に抑えるなど、シーズン終盤でようやく復調しつつある。


昨日はエース今永昇太を先発に立てたにもかかわらず、0-6と全く良いところなく抑えられ、ジャイアンツを勢いづかせてしまった。


逆にベイスターズ打線は戸郷翔征に完封を喫し、無得点病に喘いでいる。


ジャイアンツ先発のメンデス投手に対しては、前回の対戦(8月13日)でも6回1失点におさえられるなど苦手にしている。


試合前の時点で情報を整理してみると、このように不利な感じがしていたが、いや、野球はやって見ないと分からない。



【昨年の大貫晋一のピッチングが戻ってきた】


今日の大貫晋一の投球は非常に良かったと思う。


最速146km/hの力のあるストレートを意図的に低めと高めに投げ分け、スライダー、カーブ、スプリットがいずれも内外角や低め一杯などに制球出来ていた。


特に、スプリットのキレが非常に良く、ボールゾーンに落ちてくる軌道にジャイアンツのバッターが手を出して三振の山を築いていた。


1回、3回、5回、6回はいずれも複数の三振を奪って三者凡退に打ちとった。


特に、これまで失点することの多かった6回にはギヤを上げて、門脇誠、坂本勇人、岡本和真の3人を連続三振。


昨シーズンの良い時の大貫晋一のピッチングが戻ってきた。



投球数が100に近づいた7回には、抜けるボールも目につくようになり、二つのフォアボールで一死一、二塁となったところで三浦監督がマウンドに行って交代を告げた。


スプリットを多投したため握力が低下した可能性はあるだろう。


6回1/3、100球、被安打3、奪三振24、与四球3、失点0と言う内容でQS達成、HQSまであと一歩というところだった。


2番手として起用された伊勢大夢は吉川尚輝をファーストゴロに打ちとったが、これが進塁打となって二死二、三塁。


ここでジャイアンツベンチは2番手船迫投手の打順で代打梶谷隆幸をコールしたが、ここで三浦監督が再び動き、伊勢からエスコバーへスイッチ。


するとジャイアンツは代打の代打、ウォーカーを打席に送る。


エスコバーが155km/hの初球ストレートを高めに投げ込み、ウォーカーは空振りでカウント0-1。さらに、2球目も同じ球速のストレートを今度は右バッターの内角低めに投げ込み、ファールを打たせて0-2と追い込んだ。


そして、低めのボールゾーンに落ちるスライダーを投げ切ると、ウォーカーのバットは止まらず、三球三振に打ちとることができた。



今シーズンの序盤は不審に喘いだエスコバーだが、ファームでの調整後は防御率も一点台に落ち着き、安定したピッチングを続けている。彼もCSに向けて無くてはならない戦力だ。


三浦監督のマシンガン継投と原監督による代打の代打など、久しぶりに短期決戦のような闘い方で見応えのある試合だった。


その後、8回はややコントロールに苦しんだウェンデルケンが走者を二人出しながらも無失点投球、森原康平は最終回を三者凡退に打ちとり完封リレーを決めた。


それにしても良い時の大貫晋一が帰って来たことは、これからCSを考えても心強い材料だ。


昨年のCSファーストステージでも後がなくなった第二戦で完璧な投球で勝利をもたらした大貫晋一のここぞというところでの気持ちの強さはベイスターズファンなら誰しも記憶しているところだろう。


穏やかな表情で飄々と投げる彼には絶対に曲げることの無い強い芯のようなものがあるに違いない。


なよ竹の 風に任する身ながらも たゆまぬ節ぞ あるとこそ聞け



【苦手のメンデスは打ち崩せなかったが何とか1点をもぎ取った】


ジャイアンツ先発のメンデス投手は制球がやや不安定で、付け入る隙が無いわけではなさそうだったが、苦手意識のせいか、ベイスターズ打線はヒット4本に抑え込まれた。


トップバッターの大田泰示がマルチヒット、宮﨑敏郎が一本、そして林琢真が一本という内訳だったが、2回に林が記録したこの一本がチームに薄氷の勝利をもたらすタイムリーヒットとなった。


2回裏、先頭の宮﨑敏郎があわやホームランと言うレフトポールをかすめてスタンドに入った大きなファールの後、一転して一、二塁間を抜くヒットで出塁。


伊藤光が送った後、打席に入った林琢真はメンデスの投じた初球のやや甘いストレートをセンターに打ち返した。



ややつまった当たりだったが、これが奏功してセンター前にポトリと落ちるヒット。


二死で打った瞬間にスタートを切っていた宮﨑敏郎は三塁を回って必死にホームへ。


丸佳浩の送球がやや逸れて、ホームに滑り込んだ宮﨑はノータッチでセーフ。


今日の宮﨑はプロ11年目にして初となる盗塁を決めるなど、走塁面でチームに貢献した。


そう言えば、何年か前の七夕に彼が「今年は盗塁を決められますように」という短冊を出していたっけ。







ツーアウトだったこと、つまった当たりのポテンヒットだったこと、宮﨑の脚を考えて前進守備はひかず丸佳浩の守備位置がやや後ろだったこと、丸の送球が逸れたこと、これら四つが重なって生まれた先制点、そして決勝点だった。


一塁が空いているにも関わらず林と勝負し、しかも初球に甘いストレートを投げ込んだジャイアンツバッテリーに油断があった、と言われても仕方ない場面だったと思う。



【そして何度目かの東克樹vs山崎伊織の対決へ】


私は昨年4月に横浜スタジアムでこの二人が投げ合う試合を観に行き、完封リレーで敗れたことを良く覚えている。


山﨑伊織はその時は未だ頭角を現す前だったが、キレのあるストレートとシュートの制球が良く、難しいピッチャーが出て来たものだと思った。


その後、山崎投手はストレートの球速を大幅にアップし、さらなる難敵としてこれまで幾度となくベイスターズ打線の前に立ちはだかって来た。


対戦成績という意味では、エース格の戸郷翔征よりも抑え込まれている感が強い。


端的に言って、山﨑投手を打ち込んだことはこれまで一度も無いのだ。


一方、東克樹は遠藤一彦さんと並ぶ球団タイの12連勝を目指す登板となるが、ジャイアンツとの相性はそれほど良く無い。


特に、主力の坂本勇人や岡本和真にはホームランも含め、そこそこ打たれている印象だ。


という訳で、明日の試合もデータ上はあまり有利な要素が見当たらない。


しかし、冒頭に書いたように、野球はやって見ないと分からないのだ。


相棒の山本祐大のソロホームランで連夜の1-0完封リレー、ということも無いわけではない。


皆の衆、こぞって横浜スタジアムに念を送ろうではないか!