mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

内角のストレートを打たれたのなら、スライダーも打たれなさい マタイによる福音書5章39節





CS進出をかけたジャイアンツとの天王山の初戦はいずれも休養十分のエース同士の先発となった。


しかし、我らが今永昇太はマウンド上で足が攣って緊急降板した試合からどうもピリッとせず、このところ勝ちに見放されている。


最後の勝利が7月25日の中日戦なので、かれこれ2ヶ月程は勝っていないことになる。


一方の戸郷翔征は直近の18イニング無失点と好調期に入っており、どうも旗色が良くない。


しかし、今日の今永の立ち上がりはまずまずで、150キロ超のストレートで空振りをとるなど彼らしいピッチングで押し込めていた。



暗雲が漂ったのは4回表、先頭の岡本和真に与えたフォアボールからリズムが変わってしまったように見えた。


送りバントの後、丸選手の打球はライト前のライナーで関根大気が前進してグラブには当てたがその下をすり抜けてしまい、一死一、三塁となった。


いつもの関根であれば飛び込んでいたと思うのだが、疲れのせいか屈んだ状態での捕球体勢になってしまった。


それとも、飛び出していたセカンドランナーを刺そうとでも思ったのだろうか?


続くブリンソンのセンターフライは風に戻されて桑原将志が浅い位置で捕球したため、サードランナー岡本の脚を考えればアウトのタイミングだったが、ホームへの送球が高く、かつ三塁側に逸れたためにセーフとなって先制を許した。


昨日の関根と言い、今日の桑原と言い、外野からの返球がまともにベース付近に来ないと言うのはプロ野球のプレイとして情けない。


思い起こせば、2017年の日本シリーズでソフトバンクに敗退した最後の試合の最後のプレイも梶谷隆幸からホームへの返球が高くバウンドして捕手がとることが出来ずに喫したサヨナラ負けだった。


こうした負の伝統はやはり組織としてしっかり改善することが必要だと思う。


そして、続く5回、先頭の長野選手のサード左を襲う打球を宮﨑敏郎が飛びついて捕球し、ファーストに送球したが、アンツーカーのところでバウンドしたボールをソトが捕球出来ずに走者はセカンドまで進んだ。


これは、記録上サードのエラーとなったが、ソトが下がって避けるような形になってしまっており、ファーストにも問題があったように思う。


今月に入って同じようなバウンドのボールに触れることもなく後ろに逸らすプレイが二、三回あるので、ソト選手にとっても苦手なプレイなのだろうと思う。


しかし、これも捕球するか少なくとも前にこぼす技術が必要だろう。


どうも嫌な流れになったと思って見ていると、その後、送りバントで一死三塁となった後、坂本勇人に内角やや甘く入ったストレートを思い切り振り抜かれた。


これがツーランホームランとなって0-3のビハインド。


戸郷の今日の出来を考えれば、これで試合の趨勢はほぼ決まったと言っても良い。


それにしても、インコースに強い坂本選手に対してあそこで内角のストレートを要求する配球はちょっと意外に感じた。


走者が三塁にいたため、外野フライは極力避け、引っ張ってゴロというシナリオを描いていたのだろうか。しかし、少し甘く入るとこうなるリスクはわかっていたはずだ。


その後、9回表の二死一、二塁で三嶋一輝が再び坂本選手にスリーランホームランを浴びたのはオマケのようなものか。


これもインコースから中に入ってくるスライダーで、ドンピシャのタイミングでバックスクリーン左に持って行かれた。


私は、坂本選手の飛球が高く舞い上がってスタンドに吸い込まれて行くのを眺めながら、「右の頬を打たれたら、左の頬を差し出しなさい」と言う聖書の言葉を思い出していた。



おお、神よ! 


“内角のストレートを坂本に打たれたのなら、今度は内角のスライダーも坂本に打たれなさい”


と言うことなのか?



それはさておき、ベイスターズ打線は戸郷投手に対して何度かチャンスは作ったものの、その度にしっかりと抑えられて無得点に終わった。


特に、序盤の2度のチャンスを併殺で潰したことが、変化球の制球がやや不安定だった戸郷を立ち直らせ、完封まで許してしまう結果につながったと思う。


併殺打は佐野恵太と宮﨑敏郎によるもので、主軸である彼らの責任感と気負いが悪い方向に出てしまったように思う。


シーズン最終盤になりホームでのCSに向けてもう一つも負けられないと言ったメッセージを三浦さんが選手たちに伝えたそうで、どうも監督のこうした檄と選手たちの気負いの化学反応がマイナスに働くことが多いように感じる(交流戦後の最低でも16勝、の時もそうだった)。



こうした時、指揮官としてはむしろ、「自分たちの野球を普通にのびのびやろう」と伝える方が良い結果になるのではないだろうか?


そんなことは三浦さんも分かっているだろうに、彼自身余裕がなくなっているのかも知れない。


今日の試合の後、彼は「しっかり切り替えて明日また頑張る」と言う趣旨のことを言っていたようだが、「切り替える」とはどう言う意味なのだろうか?


皆を集めてもう一度ネジを巻く、と言うようなことはしないようにお願いしたい。


三浦さんには、次の言葉を贈ろう。



“指揮官はまず楽観的であることが重要である。


指揮に自信と情熱と楽観の匂いがなければ、勝利はおぼつかない”              ドワイト・アイゼンハワー