mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

負けるが勝ちだが損になる





シーズン最終戦は東克樹のいつもながらの好投にも関わらず、0-1で完封負けした。


これでカープの2位、ベイスターズの3位が確定し、CSの本拠地開催はならなかった。


明らかに天敵の一人になったジャイアンツ先発の山崎伊織投手は絶好調で、ストレートも変化球も内外角のコースにビタビタに決めていた。


わずか2安打無四球で勝てと言う方が無理と言うものだ。



【勝敗を決めた二つのミス】


ジャイアンツの挙げた1点は2回裏二死三塁から東を得意としている吉川尚輝のタイムリーヒットによるもので、結果的にはこれが決勝点となった。


大城選手と長野選手の連打で無死一、二塁となり、続く秋広選手を注文通りに6-4-3の併殺に打ちとって二死三塁としたところだった。


次の打者はピッチャーの山崎選手で、一塁は空いており、吉川選手には良く打たれていることを考えれば、歩かせるか、もしくは四球覚悟で厳しいところを狙って行くべき場面だったが、バッテリーの間でしっかりと意思統一ができていなかったように見えた。


1球目は外角低めのスライダーでボール。そして2球目。


山本祐大はインハイに構えていたが、東の投じたストレートは逆球となり真ん中やや外よりの甘いコースへ行ってしまった。


これを逃さず捉えた吉川選手が流石だった、とも言えるが、これは痛恨のコントロールミスだったと捉えるべきだろう。


その前の秋広選手に対してはインコースのストレートが要求通りに来ていたので、もう一度と思ったのかも知れないが、リスクのある配球だったと思う。


山本祐大は昨年のCSではマスクをかぶっておらず、こうした重要な試合での経験は未だ少ない。


今日の結果で怖さを知ったと思うので、この経験を14日からのマツダスタジアムでのCSファーストステージに活かして欲しい。


今日の負けは高い授業料だったが役に立った、と後から言えるようになることを祈っている。


もう一つの大きなミスは最終回の攻撃。


先頭の代打楠本泰史が1-1から外角に逃げて行くシュートをバットの先端にのせてレフト前に運び出塁。


さらに代打柴田竜拓の送りバントを山崎投手がファンブルしてしまい無死一、二塁のチャンス。


続く林琢真にもバントが命じられ、これも投手の前に転がった。


するとセカンドランナーの楠本は何を思ったのか、ハーフウェイで一度止まってセカンドに戻るような動きを見せ、再度スタート。


山崎投手がサードに送球すると間に合うはずもなくアウト。


その後、関根大気、大田泰示に代わった藤田一也がいずれも凡退してゲームセット。数少ないチャンスをモノにすることができなかった。


そもそも走者一、二塁でバントをしており、塁は埋まっているので、セカンドランナーの楠本にはサードに進むと言う選択肢しか無いはずだ。


何を思ってセカンドに戻りかけたのか本人以外には全く理解できない。いや、本人も理解できないだろう。


“これはいけませーん!


どうしたんだ楠本?


何のための送りバントだあー!”


と言う実況を脳内で再生していたベイスターズファンも多かったと思う。


楠本選手は非凡なバットコントロールの能力を持つが、こと走塁については挙動不審なところがある。


今日のような重要な試合では、知野選手を代走に出すなど万全の手当が必要であることを三浦監督も学んだのではないだろうか?


いや、学んだと言ってくれ。



【個人タイトルの行方】


今日の試合はCSホーム開催をかけたゲームだったが、いくつかの個人タイトルは未確定であり、その意味でも重要なものだった。


まず、既に最多勝のタイトルを確定させていた東克樹は最優秀勝率というもう一つのタイトルがかかっていた。


同時刻に始まったヤクルト-阪神戦で先発した大竹投手が勝ち東が負けると勝率が逆転してしまう。


そして、東に負けがつくことが確定した時点では阪神が4-3でリードしており、大竹投手は勝ち投手の権利を持って降板していた。


このままだと最終戦で逆転され、タイトルは大竹投手の手に渡ってしまう。


そうなったらベンチで泣いてしまうと試合前に言っていた東克樹はベンチ裏のテレビでこの試合を観戦していたようだが、最終回にヤクルト打線がクローザーの岩崎優を捉えて逆転サヨナラ勝ちをおさめると雄叫びを挙げたらしい。



大竹投手の12勝2敗と言う成績は勝率で東克樹の16勝3敗を上回るのだが、13勝以上と言う条件を満足しないため最優秀勝率のタイトルをとることが出来なかった。


東克樹はこれで最多勝と最優秀勝率の二冠に輝き、さらに、今日の8回1失点と言う結果を加えて今季の防御率が1.98となった。


阪神の村上投手(防御率1.75)に次ぐ2位となり、投手三部門でいずれもトップクラスの成績を残したこととなる。


もう一人タイトルがかかっていたのは牧秀悟。


牧選手は既に打点王は確実なものとしていたが、最多安打を阪神の中野選手と争っていた。


結論から言うと、今日は二人ともノーヒットだったため164安打で並んだままシーズンを終え、タイトルは二人で分け合うこととなった。


牧は入団した時からチームの勝ちにつながる打点と言う指標を重要視すると言っており、初めて100打点の大台に乗せて初のタイトルを取ったことは大きな自信になったことだろう。


セリーグで今季100打点を超えたのは牧だけで、パリーグではトップのソフトバンク近藤選手が未だ85点でありこちらも現実的には不可能なので、12球団唯一の100打点到達者と言うことになる。



その他、宮﨑敏郎は打率 .326(2位は西川龍馬の .305)で2度目の首位打者に輝き、今永昇太が最多奪三振(174。2位は髙橋宏斗の145)のタイトルを得た。


ベイスターズからは四人のタイトルホルダーが6個のタイトルを獲得したこととなる。


彼らは皆、口を揃えてCSでチームの勝利に貢献するような働きがしたいと言っており、タイトルホルダーの自信を力に変えてCS突破に導く活躍を見せてくれることを期待したい。




【負けるが勝ちだが損になる】


さて、一番肝心な2位争いという意味ではカープの後塵を拝する結果となってしまったが、これも悪いことばかりではない。


下の表は過去15回行われたCSでファーストステージの勝者をまとめたものだが、シーズンで2位だったチームが勝ち上がったのが6回に対して3位だったチームが勝利した回数は9回に上る。




そう、実は3位の方が成績が良いのです。


さらに言うと、直近6年間では全てシーズン3位のチームがファーストステージを勝ち上がっているのだ。


ファンの多いホーム開催となる2位チームの方が有利なはずだと思うのだが、実際にはそうなっていない。


2位チームの方がプレッシャーがかかる、あるいは受けに回ってしまう、といった理由が何かしらあるのだろうとは思うが本当のところは分からない。


ともかく、このデータを信じる限り、今日の敗戦は「負けるが勝ち」と言うことになりそうだ。


こうなった以上は、同じく3位でCSに進出した2017年と同じように、勝ち上がって日本シリーズで横浜スタジアムに帰ってくることを期待しよう。


今日の敗戦の明らかな損失は金銭面だ。


3位でCSに進出した場合、自チームの開催試合ではないため、数億円と言われる売り上げは一切手にすることができない。


こればかりはどうしようもないが、DeNAはCS出場記念グッズを売り出すと思うので、我々ファンは一人10品ずつ買うなどして球団の逸失利益の補填に協力しようではないか。