mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

外国人選手たちのいる春(野手編)



昨年と違い、今年は初日から新入団のクリスキー投手以外の全ての外国人選手が宜野湾キャンプに参加している。


外国人選手たちが遠く離れた異国の地を第二の故郷と思い定め、陽気にそして時折はにかみながらキャンプで日本人選手たちとともに汗を流す姿は、以前であれば当たり前であったが、今年はまことに頼もしく嬉しく感じる。


彼らのことを少し書いてみようと思う。


今日はまず野手の二人。



タイラー・オースティン選手の昨シーズンは、本塁打28本。最終盤での故障のために規定打席にはわずかに届かなかったが、打率.303の好成績を残した。

OPSは脅威の1.006で、カープの鈴木誠也と二人だけの1越えを果たした。


彼は東京オリンピックにもアメリカチームの主軸として大活躍し、銀メダルに貢献するとともにチームMVPにも輝いた。彼のこれまでのベストシーズンと言っても良いだろう。


MLBでも一目置かれるほどバレル率の高い強打は、最下位に沈むチームと我々ファンを勇気づけるのに十分なものだったし、彼の打席のたびにワクワクするようなあの感覚はまさにプロスポーツの醍醐味そのものだった。


今回のキャンプでも順調に調整を行なっているようだ。

今日のバッティング練習でも、軽く振った感じのスイングで柵越えを連発していたし、体幹の安定感などを見ても、今年も間違いなくやってくれるだろう。


対照的だったのがネフタリ・ソト選手。


昨シーズンは打率.234で本塁打21本と悔しい成績で終えた。2年連続の本塁打王の後、相手チームの分析が進んだこともあるだろう。


しかし、実は私は楽観的である。と言うのも、彼の成績が落ちているのは敵チームの攻略以上に本人の調整の問題だと考えているためだ。


来日した際に、彼自身もこう言って笑顔を見せていた。


「昨年は到着が遅れ、さらに東京五輪開催で1か月の休みもあって、難しいシーズンだった。今年は早めに来られて、キャンプ初日からチームに合流できることがうれしい」


この笑顔の背景には、チームメイトのタイラー・オースティンに誘われて参加した米国(カリフォルニア)のトレーニング施設で掴んだ自信があるのだと思う。


気になって少し調べてみると、ヒントはオースティン選手関連の記事にあった。


「数年前、カリフォルニアで(MLBヒッティング・コンサルタントの)ブラッド・ボイヤーとクレイグ・ウォーレンブロックのチームにバッティングの指導を受けたんだけど、それが大きなインパクトになっていて、スイングやタイミングに関しては、それを継続しているんだ」


クレイグ・ウォーレンブロックというのは今をときめく「フライボール革命」の提唱者で、彼自身はMLBで成功した有名選手ではなく、メジャー各球団がいわゆるレジェンドをコーチとして集めていた20年前から選手と個人契約で指導していた。


ソト選手は、昨年11月にウォーレンブロックさん達のトレーニング施設で約1週間、直接アドバイスを受けながら練習した。


「メジャーリーグで活躍中の打者のメカニズムについて教わり、非常に助けになった。ボールにコンタクトする瞬間の動作については、自分とも共通点があると感じた」


と彼自身かなり手応えを得た様子だ。


今日のバッティング練習でも、ボールの待ち方やタイミングの取り方が昨年よりもかなり改善しているように見えた。



彼は肩や足腰の関節の可動域が広く、それがフルスイングした時の飛距離の源になっているように思うが、悪い時は自動車のハンドルの「遊び」のようにわずかなズレや遅れの原因にもなっているような気がしていた。


そして、2年連続のホームラン王となり周囲が長打を期待するようになったせいか、3年目以降は悪い面が強調されていたように見える。

私は、本来の彼は、一年目の印象がそうだったように、とんでもなく飛距離の出るアベレージヒッター(矛盾した表現なのは自分でも気づいているが他に言いようがない)ではないかと思う。


そして、昨日と今日の彼のバッティングは、初年度のようなとんでもなく飛距離の出るアベレージヒッターのシャープなスイングになっているように見えた。


私は、彼が今年復活することを確信した(良きことは口にすると本当になるとやら申します)。



少し気が早いが、ネフタリ・ソト選手が復調した場合の打線を考えてみよう。


① 桑原(CF)

② 牧(2B)

③ オースティン(RF)

④ ソト(1B)

⑤ 佐野(LF)

⑥ 宮﨑(3B)

⑦ 伊藤光(C)

⑧ 森(SS)

⑨ 投手


1番から3番に俊足あるいは走塁意識の高い選手(当社比。牧選手については本人も掲げている目標を考慮した)を並べ、4番から6番で得点につなげるというのが意図だ。

森選手にはまず守備と走塁でレギュラーをとってもらいたいという思いで下位に配置した。


この打順の場合、1番から3番の出塁率が高い(2021年は桑原 .376、牧 .356、オースティン .405)ので、昨年5月や6月(ゾーン別のデータで言うと、アウトローを除いて広い範囲で3割以上の打率を残しており、特に腰の高さは真ん中で .500、外角で .417と素晴らしい。また、インロー .500、真ん中低め .375と低めも高打率)の状態のソト選手が4番に座っていると破壊力は抜群だ。後ろが佐野選手、宮﨑選手であることから相手投手も勝負を避けてはいられないだろう。



ここで注文しておきたいのは、ソト選手をこの打線の6番には置かないこと。

伊藤光選手には申し訳ないが、7番以降は相手バッテリーから見てそれ以前の打者よりも大分楽になるので、ソト選手が6番だと勝負してもらえず外角のボール気味のスライダーに手を出して調子を落とす可能性が高い。


このような攻めに耐えるのは宮崎選手が適任だと思う。


首脳陣がソト選手を信じて主軸を任せること、そして不調になるようなことがあれば迷わずスタメンから外して佐野選手をファーストに入れ、レフトに大田選手か神里選手のうち打撃好調な方を起用するという柔軟な采配を見せてくれることを期待している。