mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

ベイスターズ惨敗の中 少女は何を見つめていたのか



5月14日 対阪神タイガース 横浜スタジアム 2-9 負け


昨日のカード初戦は共に雨男の今永と青柳の先発が予定されていたが、予定通り雨で流れた。


青柳投手はスライドして今日の先発となったが、左前腕部の故障から復帰したばかりの今永昇太はスライドせず来週の中日2連戦に回ることとなった。


と言うことは明日は東克樹か。ここでも復調できないと言うことだと、浜口遥大と入れ替えで2軍での調整ということになりそうだ。


宮﨑の一軍合流も期待していたのだが、これも明日以降に持ち越しとなった。




スタメンは一昨日のジャイアンツ戦から大きくは変わらないが、2番レフトは関根に代わって神里が入った。青柳には好相性だった記憶がある。久しぶりのスタメンなので走攻守にわたって元気なところを見せて欲しい。


大和に少し疲れが見えていたこととタイガースの先発が右サイドスローの青柳投手であることを考えて、ショートには柴田が入った。開幕からしばらくヒットが出ず苦しんだが、5月に入って復調傾向なので下位打線の核になるような活躍を期待している。


マスクを被るのは予想通り、前回の上茶谷の登板時と同じ山本裕大だ。彼の守備力は信頼できるが、攻撃で一つ上のレベルに上がって欲しい。最近行ったバッティングフォームの変更が功を奏するだろうか。→全く奏さなかった。


1. 桑原(CF)
2. 神里(LF)
3. 楠本(RF)
4. 牧(2B)
5. ソト(1B)
6. 倉本(3B)
7. 柴田(SS)
8. 山本(C)
9. 上茶谷(P)


継投 上茶谷大河(4回2/3)→三上朋也(1/3回)→宮國椋丞(1回)→砂田毅樹(2回)→平田真吾(1回)


一回表 タイガースの攻撃


先頭の近本が上茶谷の初球をセンター前にクリーンヒット。これで少し動揺したか、上茶谷は続く中野に右中間を破るツーベースを許して無死二、三塁。


3番マルテの犠牲フライで阪神があっさり先制し、続く4番佐藤輝明の右翼線へのツーベースでさらに加点した。0-2といきなりリードを許す苦しい展開となった。


一回裏 ベイスターズの攻撃


先頭の桑原が粘ってフルカウントとして、青柳の9球目をレフト前に運んだ。


続く神里が送って、楠本泰示のセカンドゴロが進塁打となり、二死三塁で4番牧秀悟。
2球目を詰まりながらレフト前に落とすタイムリーヒットで一点を返した。1-2


三回表 タイガースの攻撃


二回を三者凡退で抑え調子が出たかと思われた上茶谷はタイガースの一、二番との相性が悪いようだ。この回先頭のトップバッター近本にフルカウントから左中間へのツーベースを許すと、続く2番中野がライトスタンドへのツーランホームランで1-4と三点差に広げられた。


5回表 タイガースの攻撃


一死から中野が3打席3安打となるヒットで出塁し、マルテがレフト線へのツーベース。続く佐藤輝明を申告敬遠して一死満塁となり、大山の犠牲フライで先ず一点。1-5


ここで上茶谷は降板し、代わった三上が糸井に2点タイムリーとなるライトへのゴロのヒットを打たれる。1-7となりタイガースのリードは6点に広がった。


5回裏 ベイスターズの攻撃


先頭の8番山本に代打宮本秀明。ライトフェンス直撃のスリーベースを放ち、次のピッチャーの打順にも代打戸柱。初球をセンター前の弾き返して2-7とした。


6回表 タイガースの攻撃


ベイスターズのマウンドには3番手の宮國椋丞が上がり、8番梅野、9番青柳を抑えてツーアウトまでは問題なかったが、またもや近本がヒット。そして、2番中野が今日2本目のツーランホームラン。一瞬先ほどのVTRを見ているかと思った。2-9


このまま試合終了。



上茶谷は打たれ出すと止まらなくなる悪癖があるように思う。
今日も最初のバッターだった近本に初球を打たれてからとうとう立て直せないまま降板した。


試合前にバックスリーンに映し出されたVTRで本人も言及していたが、昨年同じカードでつるべ打ちにされたことがあり、その時の再現のようだった。


昨年はそのまま浮上することなくシーズンを終えたが、今年はここからもう一度調子を上げていくことができるだろうか?



ベイスターズ打線では相変わらず牧秀悟がマルチヒットで一矢を報いた以外はこれと言って見るべきところがなかった。強いて言えば、青柳との相性の良さを見せた神里のツーベースと快足でもぎとった宮本秀明のスリーベースくらいか。


牧は守備でも活躍していた。
センター前に抜けようかと言うゴロをダイビングキャッチして素早く立ち上がり一塁でアウトをとったプレーには一塁側で今日一番の拍手が起きていた。



大差がついた試合の終盤で一軍昇格後も出番のなかった伊藤裕季也が倉本に代わってサードの守備についたが、2打席とも三振だった。


明日宮﨑が一軍に戻ってくると言う情報もあるので、入れ替わりで伊藤選手がファームに行くことになるだろう。恐らく、その前のサヨナラ出場ということになる。


1試合2ホームランの衝撃のデビューを飾ってから三年。何がどうするとこう言うことになってしまうのだろうか?


今日の試合で印象に残ったのは、敵チームながら、近本選手と中野選手の一二番コンビだ。2人でヒット7本。二塁打が2本とホームランが2本と言う大活躍で、上位打線でこれだけ塁に出て、しかも長打も打ってくれれば監督は楽だろう。


2人ともスイングが鋭く、甘いボールを見逃さずに必ず仕留めていた。上茶谷がこの2人から空振りを一回でも奪っただろうか?ちょっと記憶に残っていないくらいだ。



しかし、今日の試合でそれよりも強く印象に残ったのは、近くの席にいた6〜7歳くらいの少女だった。


お父さんと2人で来場していたが、ベイスターズブルーのリュックサックを抱きしめて、タイガースの長い攻撃の間、ほとんど口を開くこともなくうつ向き気味で前方を見つめていた。


彼女の視線の先には、連打される上茶谷が、そして好機に簡単に併殺打を転がしてしまう山本裕大がいる。


タイガースに7点目が入り、元気のなさそうな彼女にお父さんがチュッパチャプス(って今もあるのでしょうか?ともかく棒のついたキャンディーでした)をわたすと、彼女はそれを口に含みながら相変わらず内省的な表情で一方的なタイガースのペースとなった試合を見つめている。


私は心の中で呟いた。


“ごめんね。ベイスターズのみんなに代わって謝るよ。


本当はお友達と遊びに行きたかったかも知れないのにこんな哀しい試合を見せちゃって。


おじさんはもうずっとこう言う試合を見続けて、応援することに慣れちゃったんだけど、たまにはとても良い試合をして勝つこともあるから、またお父さんと観に来てね。”


私の心の呟きが聞こえて、少女は少しうなづいたように見えた。


そして、衝撃の出来事は7回表に起きた。


“7回表タイガースのラッキーセブンでございます”という場内アナウンスがあり、スピーカーからタイガースの応援歌である六甲颪が流れる。


すると、まあなんと言うことでしょう、少女はベイスターズブルーのリュックサックから黄色と黒のタイガースの応援用スティックを取り出し音楽に合わせて叩き始めたのだ。


エエエッ?


タイガースファンだったの?


どちらかと言えば小兵の中野選手が1試合2ホーマーを放った時以上の衝撃が走った。


だって、ベイスターズ側のバックネット裏の席でベイスターズブルーのリュックサック持ってたじゃない?


タイガースの怒涛の攻撃の間、内省的な顔で悲しげな眼差しをしていたじゃない?


おじさんの心の呟きに小さくうなづいていたじゃあないの?


そうか、乳歯が抜けそうでちょっとグラグラして気になっていたとか、そう言う小学生あるあるみたいなやつか。


失礼しました。でもやっぱりおじさんはこれからもベイスターズを応援するよ。