mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

彼らは生きていた そしてもうすぐ帰ってくる



ベイスターズでコロナ感染のクラスターがあり、また、そのすぐ後に故障による主力の離脱が相次いだことは記憶に新しい。


彼らを欠いたその間のベイスターズの戦いは厳しいものだが、離脱した選手たちはそれぞれにリハビリや個別練習などを積み重ね、続々と実戦復帰を果たしつつある。


一昨日から始まったイースタンリーグの対ジャイアンツ戦は図らずも彼らの実戦復帰の舞台となっている。この3連戦でのプレーを中心に彼らの現状をまとめる。


○浜口遥大


本日の第3戦に先発して、7回まではノーヒットノーランの好投を見せた。
まさに良い時のハマちゃんで、スピードガン以上に威力のあるストレートと良くブレーキの効いたチェンジアップでジャイアンツ打線を翻弄した。


ファームとは言え、一軍経験も多い松原、香月、石川、廣岡、ウィーラー、重信、八尾板などがスコアボードに名を連ねていたので、一軍でもかなり通用する投球だったと思って良いだろう。


7回先頭のウレーニャにどん詰まりながらレフト前ヒットを許し、廣岡の送りバントの後松原にフルカウントからフォアボールを出したところで降板した。ここまでで103球だったので、元々100球を目処にしていたのかも知れない(ノーヒットノーランを継続していたら100球を超えて続投の可能性もあったが)。


7回1/3で103球、被安打1、与四球1、奪三振5、無失点。


これで、浜口は戦前の予想通り、中6日で26日のソフトバンク戦に復帰登板することになると考えられる。浜口のソフトバンク戦と言えば、やはり2017年の日本シリーズでの快投が思い出される。いつまでも夢を追いかけてはいけないかも知れないが、交流戦全般に強い彼のことなので期待したい。



○石田健大


先週のファーム交流戦(日本海オセアンリーグ選抜)での好投につづき、今週は昨日(18日)のジャイアンツ戦で先発した。4回を投げて63球、被安打2、与四球1、奪三振4、無失点と順調な調整ぶりを見せてくれた。


一時期見られたマウンド上での落ち着きのなさやちょっとビビったような投球は微塵も見られず、コロナ陽性で離脱する前の良い状態がキープできているように思う。


つい最近法政大からドラフト2位で入ったような気がしていたが、すっかり大人のピッチャーになったのだと思う。


石田投手は多彩な球種も操ることができるが、やはり、他の投手と同様、生命線となるのはストレートのキレで、今年はこれが非常に良いように思う。


こういう安定感のある先発投手が一軍に戻ってきてくれるとやはり大変頼りになる。
彼も交流戦の第二週あたりで一軍での復帰登板が見られるのではないだろうか。



蛇足だが、石田投手の先発したこの試合、6点リードで登板した坂本裕哉が3点を失い、さらに満塁で石川に逆転ホームランを打たれて敗戦投手となった。満塁になると真ん中に投げ込んでしまうという暗示にかかっているかのような失投だった。故障ということではないが、気持ちに切り替えに思った以上に時間がかかるかも知れない。


○ブルックス・クリスキー


クリスキー投手は右内転筋のハリで4月23 日に登録を抹消されていたが治療とリハビリを終え、先週のファーム交流戦(日本海オセアンリーグ選抜)で実戦復帰を果たしたが、今日(19日)のジャイアンツ戦で浜口の後を継いで登板した。


1回2/3で被安打0、与四球1、奪三振3という内容で、被打率の低さと奪三振率の高さという意味ではかなり優れているのだが、制球に難があり不安定な部分があるという特徴はMLBや3Aでの評価のままだ。


150キロ台中盤に達するフォーシームと落差の大きいスプリットチェンジが主な武器で、特にスプリットチェンジは低めに決まればほぼ確実に空振りがとれるボールだ。これに加えて、130キロ台のスライダー(カットボール?)もバッターにとっては厄介だと思う。


コースにビタビタ決めていくというところまでは求めないが、ある程度のコントロールを安定して発揮してくれれば期待通りに勝ちパターンの一角を占めてくれるだろう。


○三嶋一輝


5月7日カープ戦の延長10回、天敵とも言える西川龍馬にサヨナラホームランを浴びて、その翌日、右肩のハリで登録抹消となった。


その後、彼に関してはニュースやSNSでの情報等もなんら入ってきていない。
右肩の状態もさることながら、メンタル面も少し心配だ。


○森敬斗


2月下旬のジャイアンツとのオープン戦で走塁中に右ハムストリングの肉離れと左足首の捻挫を併発して長期離脱を余儀なくされた。ベイスターズファンが最も復帰を待ち望んでいる選手の一人だと思う。


プレーに華があるし、彼が入るとチームのスピードと躍動感が増すのは間違いない。


森選手は、ファームのジャイアンツ3連戦でいずれも先発出場し、徐々にイニング数を増やしながら慎重に状態を見極めているところだ。再発が気になる故障でもあるので、この調子でしばらくはファームでの出場を続けていくことになるのだろう。


彼が春のキャンプで石井琢朗コーチと猛練習をこなして、課題の守備の確実性の向上と”ボールの内側を強く叩く”バッティングの習得に励んでいたことは記憶に新しい。


この取り組みがようやく形になってきたところでの負傷遺脱だっただけに、本人はもちろん我々も大変残念に思っていた。


この3連戦での打撃成績は、2打数1安打、2打数1安打、3打数ノーヒットというものだったが、彼の持ち味の強いスイングや守備範囲の広さと強肩なども随所に見せており、復帰が楽しみな人材なことは間違いない。



○伊藤光


3月の西武とのオープン戦で走塁中に右脚を痛めて以来、思ったよりも長期にわたって治療とリハビリに取り組んでいたが、彼もジャイアンツとのこの3連戦で実戦に復帰している。


キャッチャーの配球によって投手の成績がどの程度変わるかということについては色々と議論があるし、また、伊藤捕手の配球についても批判があることは承知しているが、私は、精神的に投手を支えるところも含めて、伊藤光がマスクをかぶっている時が一番安心して(正確に言うと一番不安が少なく)見ていられるように思う。


今日も浜口と組んで7回までノーヒットノーランの好投に貢献した。これは全くたまたまだとは思うのだが、8回に捕手が伊藤から東妻に代わった途端にウレーニャにポテンヒットを打たれたのを見ると何となく”やっぱりね”という印象だった。


この3連戦での打撃成績は、1打数0安打、3打数2安打1打点、3打数ノーヒットだが、軸のしっかりした彼の打撃を見ると、やはり、山本祐大はまだまだ精進が必要だと思ってしまう。


伊藤選手も交流戦から一軍に合流することになるだろう。


これも蛇足だが、先ほど、ファームの試合で0-0の延長11回表にもう一人の伊藤(裕季也)選手が一時勝ち越しとなるレフトへのタイムリーツーベースを放った(ただし、試合は、11回裏ツーアウトでセンターフライを勝俣選手が落球し、その後ヒットがあって引き分けで終わった)。


彼は昨日も4打数2安打と良い働きを見せており、一軍からファームに落ちて吹っ切れたことが好影響になっているようにも見える。ここで終わる選手ではないと思っているので、今後も引き続き注目していきたい。


○佐野恵太


背中の違和感(椎間関節炎)で離脱していた佐野恵太は今日(19日)のジャイアンツ戦でスタメン出場し、実戦復帰を果たした。


3回打席に入り、レフトの守備にもつくなど、体調に問題がないようだ。
どの打席でも彼らしい強いスイングができているので復帰は近いと思う。


今日は3打席目に思い切りよく引っ張ってライト前ヒットを記録した。
彼らしい鋭い打球で、やはり、ファームの試合では圧倒的な威力に見える。


恐らく、20日からの横須賀でのファーム西武戦に出場してから、24日の交流戦で一軍合流
と言うスケジュールだろうと思われるが、ひょっとすると明日からのヤクルト3連戦で一軍に戻ってくるのではないかと思わせるほど元気な姿を見せてくれた。



○大田泰示


大田選手は5月8日のカープ戦でフェンス側の打球を追った際に右ハムストリングの肉ばなれを起こして9日に登録抹消されている。


肉離れということで簡単ではないが、三浦監督のコメントによれば軽症ということなので、復帰までにそれほど時間はかからないかも知れない。


実際、SNSの情報によると佐野と並んでともにキャッチボールや打撃練習を再開しているようなので、来月にはファームで実戦復帰する姿が見られるかも知れない。



○タイラー・オースティン


オースティン選手はキャンプ中から念の為と言うことで検査を受けるといったことがあったが、やはり右肘の具合が思わしくなく、手術すべきかどうか躊躇していたのだろうと思う。


結果的には、4月13日で米国でクリーニング手術を受け、その後間もなく再来日した。


オースティン選手の現状は、ジョギングと守備練習(ただしノースロー)を行なっているところで、バッティング練習はまだ再開していないようだ。


野手のクリーニング手術の場合、ピッチャーとは違い、復帰までの時間はそれほど長くないという印象がある。個人差はあるだろうが、まず2ヶ月というところが一つの目安になるだろうか。


恐らく、オースティン選手の場合は6月中旬から7月初旬のあたりに一軍に戻ってきてくれるのではないかと思う。そして、やはりこの人がいるといないとでは打線の破壊力が格段に変わってくる。


私は、オースティン選手が帰ってくることによって打線が元に戻るということではなく、さらに上にいくのではないかと考えている。


彼が不在の間(昨シーズンの終盤も含め)4番に座って急成長を遂げた牧秀悟や代打からレギュラーとして頭角を表しつつある楠本泰史そして新加入の大田泰示などによってレベルが上がったところにオースティン選手の打棒が加わるという素晴らしい状況が出現することを期待している。