mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

蟻の穴をこじ開けた桑原の満塁弾で8連勝! 山﨑康晃200Sを最年少で達成



8月24日 対阪神タイガース 京セラドーム


対青柳投手専用の昨日の打線を組み替えて、通常モードの打線に戻して臨む今日の試合。


1番 桑原(CF)
2番 楠本(RF)
3番 佐野(LF)
4番 牧(2B)
5番 宮﨑(3B)
6番 ソト(1B)
7番 柴田(SS)
8番 戸柱(C)
9番 濵口(P)


ヤクルトもコロナ禍から立ち直り、徐々に以前の強さを取り戻しているように見える。


しばらくはどちらも譲らない状況が続くのではないだろうか。そうなると、2チームのマッチレースという様相がよりはっきりとしてくる。のぞむ所だ。




ベイスターズ 4 - 0 タイガース


勝利投手 濵口遥大(6勝4敗0S)
敗戦投手 伊藤将司(8勝5敗0S)
セーブ 山﨑康晃(0勝2敗30S)


本塁打 桑原将志3号(7回表満塁)


継投 濵口(6回)→入江(1回)→エスコバー(1回)→平田(2/3回)→山﨑(1/3回)


今日のハマちゃんは好調だったと思う。ストレートに強さがあったし、何より無四球で乗り切った。6回、87球、被安打3、奪三振3のクオリティスタート。


7回の攻撃で代打を送られたときはやや不満そうだったが、関根が粘って出塁し、桑原が満塁ホームランを打って難敵の伊藤将司投手から一挙4点を奪ったのだから納得の采配だろう。


桑原の打球がスタンドに飛び込んだ時、ベンチでバンザイしながら跳び上がって喜んでいた。




伊藤投手はいつもの通り素晴らしいボールのキレと制球でゴロアウトを積み重ねて行く。


両チームとも決定的なチャンスのないまま迎えた7回表。


とても付け入る隙のない鉄壁が目の前に立ち塞がっているように感じたが、今のベイスターズはその鉄壁に開いたほんの僅かの綻び、蟻の穴をこじ開けるだけの集中力を持っていた。


一死走者なしから阪神バッテリーが6番ソトの長打を警戒して歩かせたことからそれは始まった。


ベンチは早速動いて、代走神里を一塁に送る。そして、柴田の送りバントで二死二塁。


戸柱の代打伊藤光は申告敬遠で二死一、二塁。そして、三浦監督は好投の濵口遥大に代えて代打関根を打席に送る。ここまでは恐らく阪神ベンチの想定内だった。


阪神バッテリーが想定していなかったのは、関根大気が初球からセーフティバントを仕掛けたことだ。


関根の打球は足元で大きく弾み、必死に追いかける伊藤投手が精一杯伸ばした腕のほんの少し先を通過して一塁手と二塁手の間の絶妙な位置に転がった。


瞬足の関根は悠々ファーストに達し、各ランナーはそれぞれ進塁した。これで二死満塁。


打席に入った桑原将志は、伊藤投手の初球、低めのツーシームを見送って1-0。そして、アウトローを狙った伊藤投手の2球目、141km/hのストレートが逆ダマ気味になり真ん中ややインコース寄りの少し甘いコースに来たのを見逃さなかった。


試合後、好投手なのは分かっているので、甘いボールが来たら一発で仕止めようと思っていた、と語っていた桑原はその狙い通り、このボールを思い切り良く引っ張った。


打球はレフトスタンド2階席に飛び込む満塁ホームラン。一気に4-0とリードして試合を決めた。



桑原選手はこれで通算55本のホームランを放っているが、そのうち何と4本が満塁ホームラン。満塁ホームラン率(?)は7.3%に達する。


世界の王貞治さんが1.7%(868本中15本が満塁弾)、満塁ホームランで有名な西武ライオンズの中村剛也選手でさえ5.0%(同442本中22本)なのだから、クワの勝負強さがわかる。


これで8連勝。貯金を2015年以来の11まで伸ばした。


ヤクルトも勝ったので首位とのゲーム差4は変わらないが、3〜5位のチームが全て敗れたため、3位阪神とは7ゲーム差となって、冒頭に書いた通り、スワローズとベイスターズのマッチレースの様相がはっきりとしてきた。





9回裏、4番手の平田真吾が二死から出した二人の走者を塁において登板した山﨑康晃は、最後の打者糸原をツーシーム2球でセンターフライに打ち取り、通算200セーブを史上最年少で達成した。


今思えば、新人だった彼をいきなりクローザーに抜擢した当時の中畑清監督の慧眼に敬意を表する。


新人のクローザーというのはこれが初めての事例だったのでは無いだろうか?言ってみれば、彼が、その後の松井裕樹や栗林良吏そして今年の大勢投手などの先駆け、パイオニアだったのだ。


昨年の暮、このブログで、数年続く不調で本人の自信が揺らぎ、世間の人々からのリスペクトも失いつつあった山崎康晃について、次のように書いた。


”倒れても、倒れても、飛び散った自分の破片を掻き集め、何度でも立ち上がり進んでいく。


私はこの年の瀬に、山﨑康晃投手が飛び散った自分の破片をかき集め、立ち上がって再びリスペクトを集めるという大逆転を見せてくれることを祈っている。”



その時は、予想というような根拠のあるものではなく、文字通り、祈りでしかなかった。


しかし、彼その非常に難しい大逆転を本当にやり遂げて見せた。


ストレートは全盛時以上のスピードを記録し(最速155km/h)、伝家の宝刀のツーシーム(スプリット?)は以前のような鋭い落ち方をみせるようになった。


8キロの減量がどの程度貢献しているのかはわからないが、もう後はないかも知れないという状況での必死の努力がクローザーとしてのレベルを1段階上げたことは間違い無いだろう。


小谷アドバイザーや斎藤隆コーチとの出会いも幸したのでは無いかと思う。


山﨑康晃選手、おめでとうございます。


今日のヒーローインタビューであなたの着ていた200セーブ記念Tシャツの胸に大きく描かれていた通り、


It’s just a milestone.


これはまだまだ通過点に過ぎません。NPBでの250セーブあるいはMLB挑戦、あなたの情熱が求める方向で更なる活躍を心から祈っています。