mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

いろいろあった紅白戦




2月11日 今キャンプ最初の実戦となった紅白戦は宜野湾で練習しているA班のメンバーのうち佐野やソトらの主力を除いたメンバーが2チームに分かれて行われた。


例年はファーム中心のB班も沖縄本島の嘉手納でキャンプを行っているため、1軍主体の白組対2軍主体の紅組の試合を組むのは容易だった。


しかし、今年は嘉手納の球場施設が改修中で使用できず、ファームメンバーとベテランは奄美でキャンプを行っているためA班が二つに分かれて試合を行うということにならざるを得ない。


ということで、草野球でたまに見かけるような。同じ選手が両チームで守るろ過、その選手が打席に入っている時にはポジションをシフトして対応するというようなやり繰りが必要になった。


両チームのスターティングメンバーは以下の通り。


白組


1番 桑原将志(CF)

2番 森敬斗(SS)

3番 楠本泰史(RF)

4番 牧秀悟(2B)

5番 戸柱恭孝(DH)

6番 関根大気(LF)

7番 田中俊太(1B)

8番 松尾汐恩(C)

9番 柴田竜拓(3B)


投手 小園健太(1イニング)、上茶谷大河(3回)、石川達也(2回)


紅組


1番 蛯名達夫(CF)

2番 京田陽太(SS)

3番 神里和毅(DH)

4番 トレイ・アンバギー(RF)

5番 大田泰示(LF)

6番 知野直人(1B)

7番 林琢真(2B)

8番 山本祐大(C)

9番 勝又温史(DH)

10番 柴田竜拓(3B)


投手 坂本裕哉(3イニング)、平良拳太郎(2回)、宮城滝汰(1回)


そして、TBS2の解説はなんと先日現役引退したばかりの井納翔一さん。


試合前に旧知のベイスターズの面々に挨拶に行くと、木塚コートからは、部外者は入らないでくださいと弄られ、三浦監督からは、お前、解説なんかできるんか、と言われたらしい。


FAで出て行った選手としては、このくらいのツッコミがあった方がやりやすいだろう。


一回裏の白組の攻撃では、2番に入った森敬斗の打席で坂本投手のボールが完全にすっぽ抜け、ヘルメットに当たるデッドボールになったのには首脳陣はもちろん、我々ファンも含め全員がドキッとした。


森選手の額は出血していたが、これはボールの直撃したヘルメットの庇が壊れてその破片が当たったためということで、幸い、森選手の怪我は大したことないらしい。


それにしても、春先の森敬斗は ツイていない。まあ、これが厄落としだったと思うことにしよう。



その後、0-0のまま試合が進行したが、4回裏の白組の攻撃でこの回からマウンドに上がった平良投手の高めのやや甘いスライダーを捉えた先頭打者の桑原選手の打球が三遊間に転がった。


ショートの京田が飛び込んでグラブに当てたが強い打球に弾かれ内野安打となった。


楠本の内野ゴロで桑原が二進し、続く牧が平良のアウトコースのシンカー(あるいはツーシーム)をセンター前に運んで白組が1点先制。


牧はシンカーを打たされた感じで決して良い当たりではなかったが、大きくバウンドしてピッチャーの頭を越えるとセンター前に転がっていった。



6回裏には、この回マウンドに上がった宮城投手の外角高めのストレートを楠本選手がきれいに左方向におっつけてレフト前ヒット。楠本はワイルドピッチの間にセカンドに進んだ。


続く牧のファウルフライの間に楠本はさらにサードまで進む。


そして次の戸柱が今日2本目となるタイムリーヒットで2-0と差を広げて白組が勝利した。



【十代バッテリーの輝き】


白組で先発した小園ー松尾のドラフト1位コンビは1回を無失点に抑えた。


小園は緊張のせいか状態が突っ込む投球となり京田をストレートのフォアボールで歩かせるなど課題も残る投球だったが、今季初めての一軍レベルでのマウンドということを考えればまずまずだろう。


特に、先頭の蝦名に投じたアウトコースのストレートは指にかかったキレのあるボールでコースも良かった。その後のスレイだーはやや甘かったが、一つ前のストレートが良かった分だけ蝦名がやや差し込まれていた。


今日のストレートの最速は145km/h。


これから調整が進めばさらにスピードアップが見込めると思う。



そして、マスクを被った松尾汐恩は落ち着いていた。


小園が京田に対してフォアボールを出した際、状態がつっこんでいると感じた彼は次の神里の初球にスローカーブを要求し、投球フォームのバランスを矯正した。


ベテラン捕手が時々使う裏技だが、流石に名門大阪桐蔭で鍛えられているだけあって、広い視野で色々と観察し、工夫して配球している。


今日はヒットこそなかったものの、第一打席では坂本投手の甘く入った高めのストレートに対してバット一閃。真芯で捉えた打球はセンターの神里が背走してギリギリ捕球したが、両リームを通じて今日1番の当たりだった。


松尾選手自身も試合後に色々と経験することができて自分のプラスになったという趣旨のコメントを出していたが、牧選手と同様、彼も学習モンスターだと思っているので、私としてはこうした経験がどんどん成長につなっがていくものと信じている。




【その他の若手も躍動した】


ドラフト3位で入団した林琢真選手の守備が良いという印象は守備練習の時から持っていたが、その力は実戦でも発揮された。


今日は、二遊間のゴロをセカンドベースの向こう側まで追いかけて捕球し、反転して素早くファーストに送球してアウトにするというファインプレーを見せた。


その他の守備機会でも確実性のあるプレーを続けており、安心して見ていることができる。


バッティングでもヒットこそなかったものの、バットコントロールの巧さと手首の強さを考えれば意外と早く台頭してくるのではないかと予感させるものを持っている。


今年はファームで実戦感覚を養うことになるかと思っていたが、試合後半での守備固めから打席にも入るという形で一軍に帯同させて見てみたいという気もしてくる。


そして、育成契約ながら唯一宜野湾キャンプに参加している勝又温史選手も昨秋のフェニックスリーグで4割以上の打率を残したのがまぐれではないことを証明する非凡なバッティングセンスを見せた。


6回表の打席で石川投手の外角高めのボールに飛びついてレフト前ヒットを放った。プロのバッターとして形ができているという訳ではないのだが、センスと反射神経でヒットを打ててしまうという感じだ。


彼の背番号は028だが、投手として支配下登録されていた時の28番は空いたままであり、枠も残した状態であることから、今シーズン早い時点で支配下登録を勝ち取ることになるだろう。


今年1年ファームでみっちりと鍛えれば、バッティングに関しては一軍の代打・代走枠に食い込むだけの力があるように思う。


課題の守備についても、昨秋から重点的に練習していることもあり改善が著しい。


元々投手だったこともあって、140キロをこえるスピードでのサードへの返球なども見どころになるはずだ。



【頑張らないといけない中堅たちだって頑張った】


順調にいけば今年FAの権利を取得することになる戸柱恭孝は両チームで唯一2本のヒットを放ってアピールした。


彼は一昨年の後半ぐらいから再び活発に打ち出した印象だが、やはり、打撃で何か掴んだのかも知れない。


ベイスターズに残留するにしてもFA宣言をするにしても、今シーズンの成績が彼の今後のプロ野球人生を大きく左右することになる。


勝負の年に相応しい努力で彼自身も納得することのできるような成績を残す可能性は十分にあるように思う。


昨シーズンやや不調で今年にかける桑原将志も平良投手からショート強襲の内野安打を放ち、その後の打席もライトの正面に飛んでしまったが宮城投手の外角いっぱいのストレートを綺麗に捉えたライナーなど彼の良い時の打球もいくつか見られた。


ひょうきんな仕草をすることの多い彼だが、実際には非常に真面目で考え込むタイプらしい。


その意味では、開幕から好調で飛ばしていくことが彼自身のためにも、そしてチームが勢いに乗っていくためにも非常に重要となる。



投手では上茶谷大河が良かった。


先日のブルペンでも目についたが、左手を大きく上げてテイクバックを取るダイナミックなフォームでボールの威力が増したように思う。


それでいて、アウトローいっぱいのストレートでアンバギー選手から見逃し三振を奪うなど制球もしっかりしているようだったので、彼の今シーズンが楽しみになってきた。


しばらくはこのフォームを変えることなく、磨き上げていって欲しい。


代走さんこと神里選手も今日はヒット、そして鮮やかな二盗を決めるなど気を吐いていた。


体格もジャイアンツの丸選手のようにがっしりしてきたようだし、彼もチーム内での自分の立ち位置を理解してしっかり努力していると思う。


数年前にセンターのレギュラーを掴みかけたあの頃の輝きを取り戻すことは決して不可能ではない。


シンプルな黒をベースにしたコーディネートが好き、とか言っている場合ではないのだ。