mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

主力の故障をプラスにとらえることのできるチームだけが強くなれる




3月1日 開幕戦まで1ヶ月を切り、長かったシーズンオフもあと少しを残すばかりとなった。


そして、大きな異変のニュースが入ってくるのはだいたいこの時期でもある。


今年のそれは開幕投手候補の筆頭と見られていた大貫晋一投手の故障離脱というニュースだった。


右肩三角筋後部繊維肉離れ


肉離れの程度は現時点では良くわからないが、経緯から言って音が聞こえるほどの断裂というような重症では無いと思う。恐らく一部の筋繊維が損傷している状態かと思う。


今後は、下半身のトレーニングなどは継続しつつ2〜3週間程度患部を安静にして、そこから徐々にリハビリということになるだろう。


今日の横浜スタジアムの練習でもウォームアップに参加していたようなので、軽度の運動と下半身の強化はできそうだ。



昨年の今永昇太投手の場合、故障した部位は肩ではなく前腕だったが、2月中旬に肉離れと言う診断が下り、1軍の試合で復帰登板を果たしたのがゴールデンウィーク明けだった。


大貫投手の場合も同様の経過をたどるとすると、恐らく5月中旬くらいの復帰になるのではないだろうか?


今永昇太がWBC出場のために不在な今年の開幕戦は大貫投手に任せたいというのが三浦監督はじめ首脳陣の期待だっただろうし、大貫投手自身も初の開幕投手を目指して例年以上に精進していたことと思う。


その彼が一時的とは言え戦線を離脱するのはファンとしても非常に残念だが、起きてしまったことは仕方ない。


よく言われることだが、主力選手が離脱した時に急速に伸びる若手が出ることが強いチームの常だ。


大貫選手のリハビリを応援し、1日も早い復帰を祈るとともに、彼の不在でできた先発ローテーションの穴をどうやって埋めるかについて考えてみよう。


まず、大貫投手以外で先発ローテーションが既にほぼ確定と思われる投手としては、浜口、石田、ガゼルマンと言うところだろう。


そして、開幕第2週あたりには今永昇太が帰ってくることになる。


つまり、先発ローテーションの中で残されたポジションは二つ。


この二つをめぐって、上茶谷大河、東克樹、平良拳太郎と言った投手たちが鎬を削ることになる。


一旦は失敗してファームに送られたが、京山将弥と阪口皓亮にも未だチャンスはあるだろう。


これに加えて、私は新人や2年目の選手たちに期待している。


まず、2021年のドラフト1位で入団した小園健太投手。


先日の中日とのオープン戦では、ストレートの最速が未だ145km/hだったということだが、ホップ成分の強いきれいなバックスピンのかかった速球でバッターは差し込まれていた。


そして、(ハマちゃんの直後だったので余計にそう思ったのかも知れないが)制球が良く、狙ったポイントに投げ切るコマンド能力の高いピッチャーだと感じた。


ブレーキの効いたカーブや鋭いスライダー、スプリットも操っており、打者を打ちとるための投球術とセンスも感じさせる。


今年の初めからローテーションで回って行くことは難しいとしても、数年前のヤクルト奥川投手がそうだったように、先発して直後に抹消して中10日で再び登録、先発する、いわゆる“投げ抹消”の可能性はあるように思う。


昨日の三浦監督のコメントでも、小園投手の開幕一軍の可能性は“ある”ということなので期待して見守ることにしよう。


4日と5日に予定されている横浜スタジアムでのオープン戦で、きっと、彼の出番があるだろう。


そこでも前回と同様のピッチングを見せ、球速も徐々に上がっていくようだと開幕一軍の可能性は更に高まっていくはずだ。


横浜スタジアムで初の練習を行った小園投手本人のコメント。


“初めてハマスタでの練習で、ここで投げたい思いがすごく強くなった。


先発の枠に入っていきたい。そこはガツガツ狙いたい”




もう1人の期待の星は今年のドラフト2位、吉野光樹投手だ。


彼は上武大からトヨタ自動車を経て入団した即戦力の期待のかかる投手なので、小園投手よりも自分を追い込んで今の状況に直面していることと思う。


彼の練習試合での登板は1イニングで被安打1、無失点というものだったが、私自身は未だはっきりした評価を得ることができなかった。


バランスの良いピッチングフォームから投じるストレートとフォークボールは制球次第ではプロのバッターにも通用するように思うが、いかんせん未だ実戦でのデータが少なすぎる。


彼は、明日の春季教育リーグ ロッテ戦(横須賀)で登板することになるようだ。先発する可能性もあるだろう。


ここが彼にとって最初の関門になることだろう。


初めてのことだから、ノビノビと、などと良く言われているが、最初のチャンスを掴むと掴まないとではその後のプロ野球人生が大きく変わってしまうこともままある。


私たちはそう言う事例を実に多く見てきたのだ。


一回勝負で実力を発揮できる、と言うのが主力に上り詰めて行く選手たちの共通した特徴なのだろう。


小園投手にはそれを感じる。吉野投手はどうだろうか?


明日の彼の登板が楽しみでならない。




大貫投手の離脱した今の状況で最後にもう一言。


これは以前にこのブログでも書いたことがあったかも知れないが、はっきりとは思えていない。



私は小さい頃、砂場で巨大な(もちろん子供にしては、と言うこと)山を作ることに精を出しており、友達からも一目置かれていた。


私の編み出した山づくりの技は、最初に小さい山を作って、それを上から潰して壊し、平らな台地を作ると言うものだ。


そして、この台地の上に砂を盛り上げて先ほどより大きな山を作り、また上から潰して少し大きな台地を作る。


これを繰り返すことで、一回では作ることのできない安定した大きな山を作ることができる。


懸命な読者の皆さんはもう既に察しておられると思うが、大貫投手の故障離脱という非常事態の起きた今、チームはこれまで築いてきた山を上からペシャンコに潰された状態にあると言って良い。


しかし、平地に戻ったわけではない。


台地からまた山を作り、そして壊す、と言うことを繰り返すことによって、ベイスターズは本当に強く隙のないチームになって行くことができるのだと私は信じている。