mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

大貫晋一の復帰と石田健大の仕上がりについて想う




昨日(3月24日)は午前中のバウアー投手の入団会見だけで結構長い記事になってしまったため、同日行われていたベイスターズの試合についてはスルーしてしまった。


しかし、1軍、2軍それぞれの試合の先発投手について注目すべき点があったので、振り返って手短にまとめておく。


ちなみに試合結果は以下の通り。


(オープン戦対西武) ベルーナドーム 


ベイスターズ 4 - 1 ライオンズ


新人林琢真の猛打賞と成長著しい楠本泰史の2本のタイムリーでの3打点が光った。


勝 石田健大 負 宮川哲


S 山﨑康晃







(イースタンリーグ対西武)」 カーミニーク 


ベイスターズ 4-5 ライオンズ(逆転サヨナラ負け)


勝 齋藤大将 負 中川虎大



【大貫晋一の復帰状況】


右肩三角筋の肉離れを発症して離脱中だった大貫晋一は思ったよりも軽症だったようで、3月19日のロッテ戦でわずか1イニング、14球ながらファームでの復帰登板を果たしていた(被安打2、奪三振1)。


それから中4日で昨日のイースタンリーグ西武戦で先発した。結果は以下の通り。


3回、38球、被安打0、奪三振1、与四球0、失点0


3イニングのみではあるが1人の走者も許さないパーフェクトピッチだった。


しかしながら、彼の万全に投球だったかと言うとそうではない。


恐らく、患部の状態を慎重に見ていくために、全力での投球は避けていたのだと思うが、ストレートの球速は140キロ少しで変化球を主体とした配球だった。


それでも、彼のコマンド力でコースをしっかり投げ分け緩急を使った投球術でファームの打者は全く寄せ付けない。


一度だけ、力を入れてストレートを投げたシーンがあったが、この時の球速が145km/hだった。

好調時には彼のストレートは最速148km/h程度なので、あと一歩というところまでは来ているだろう。



木塚コーチも言っていたように、大貫投手の場合は投げられれば良いというレベルの投手ではないので、恐らく、もう2〜3回ほどはファームで登板し、100球程度を不安なく投げられる状態になってから1軍での復帰登板と言うことになるだろう。


だとすると、次回が3月30日平塚での日本ハム戦、続いて4月6日横須賀での巨人戦を経て、早ければ4月14日からの横浜スタジアムでの阪神戦か18日、19日の九州での巨人戦当たりで1軍復帰と言うスケジュールが見えてくる。


WBC帰りの今永昇太が4月前半に復帰し、中旬には大貫晋一、そして下旬にトレバー・バウアーのNPB初登板ということになると、楽しみな日程ばかりだ。


そして、球団OBの野村さんの情報によれば、タイラー・オースティンが5月に復帰する可能性があるとのこと。


“たられば”は禁物だが、問題なければ、交流戦までに完全体のベイスターズの陣容が揃うことになる。


期待を裏切られることに慣れてしまったなどとは言わず、少年時代の気持ちに戻ってひたすらワクワクしようと思う。



【石田健大と言う投手の完成形】


この日の石田健大はいつも以上に落ち着いているように見えた。


開幕投手に指名されたからと言って気負うことなく、ただ淡々と自分の投球をしようとしているようだった。


2014年ドラフトで1位指名の山﨑康晃に続く2位で法政大学から入団したのはそう昔のことではないような気がしていたが、少年のような表情を時折見せる彼も3月1日で30歳になった。


入団9年目を迎え、プロ野球選手のキャリアも折り返し地点はとうに過ぎている。


彼自身、あと5、6年というところを見据えて自分の投球のゴールを意識し始めているのではないだろうか?


昨日の試合では、そう思わせるような大人のピッチングを披露した。


6回、73球、被安打3、奪三振6、与死球1、失点1


前回の登板で最速147キロを記録し、ちょっと出過ぎなので調整します、と言っていたストレートは140キロ台前半だったが、石田投手らしい力感のないスムースな腕の振りから投げ込まれる球速以上に速く感じるスピンの効いたボールにライオンズのバッターは皆差し込まれていた。


先日の小園健太の投球を見ていても思ったのだが、ベイスターズの投手コーチ陣とアナリスト達は球速至上主義を捨てて、スピンレートや回転軸などを指標とした球質を重視する方向にシフトしたのではないだろうか?


昨日の石田健大の投球もそのアプローチに沿ったものであるように感じた。


そして、ストレートで押し込めているために、チェンジアップを中心とした変化球を効果的に使うことができる。


昨日の試合は、ストレート、チェンジアップとスライダー、カットボールでアウトコース低め付近にピッチトンネルを構成し、非常に安定した投球を見せてくれた。


死球からやや不運なセカンド頭越えのハーフライナーのヒットを大和選手がグラブに当てて弾いたために1点を失ったが、全く危なげない投球だった。



恐らく、これが石田健大という投手の完成形なのだろう。


今シーズンはこのスタイルを熟成し、さらに磨きをかけて行って欲しい。


そうすれば、自身初となる二桁勝利を挙げる可能性は高いし、今シーズン中に手に入れるFA権を有利に使っていくこともできるはずだ。


もちろん、私としては、その上で生涯横浜を宣言して残留してくれることを願っているが、まずは彼の今シーズンの活躍を祈ろうt。