mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

待ちに待った今季初勝利 もっと待っていた平良拳太郎




4月5日 今日は午後に横須賀でイースタンリーグの読売戦があり、WBCから戻った今永昇太が復帰後初の実戦マウンドに立った。


5回、67球、被安打3、奪三振4、失点2(自責0)と言う結果だったが、失点はサード小深田選手の悪送球でセカンドランナーが一気に生還したものと、このエラーでセカンドまで進んだバッターランナーが二死から中島宏之の不運なヒットでホームまで帰った点だけ。


当然自責点はつかず、まずまずの内容だったと思う。


中継ぎモードだったWBCとは異なり先発投手としてのペースで投げたため、ストレートの最速は149km/hにとどまった。


変化球の精度も悪くはないがもう一段階上げられるはず。やはりボールが変わると言うのは投手にとって大ごとだ。 


もう一度ファームで投げて19日の読売戦(佐賀)で先発するか、あるいはこのままローテーション入りして12日のヤクルト戦(神宮)あるいはその週末の横浜での阪神戦に登板するか、彼の状態を見極めて決めていくことになる。


この試合ではギックリ腰で離脱中だったウェンデルケン投手も登板し、1回を無失点で抑え、ストレートの最速も150km/hに達するなど順調な調整ぶりを見せた。


外国人選手枠は余っているので、彼も早めに1軍に合流するように思う。


明日も横須賀で読売戦があり、こちらは大貫晋一の一軍合流前最終登板があるのではないかと思う。そうなれば、大貫投手は14日の阪神戦で先発と言う可能性も出てくる。


と、前振りが少し長くなってしまったが、本拠地2戦目、開幕から5試合目でようやく今シーズン初勝利を挙げることができた。


ベイスターズ 2 - 0 ジャイアンツ


勝 平良拳太郎(1勝0敗0S)
負 メンデス(0勝1敗0S)
S 山﨑康晃(0勝1敗1S)
本塁打 宮﨑敏郎 2号(6回ソロ)



【打順の見直しには一定の効果があった】


今日のスターティングメンバーは以下の通り。


1番 佐野恵太 (LF)


2番 林琢真 (SS)


3番 宮﨑敏郎 (3B)


4番 牧秀悟 (2B)


5番 桑原将志 (CF)


6番 関根大気 (RF)


7番 N. ソト (1B)


8番 伊藤光 (C)


9番 平良拳太郎 (P)


昨日の試合後、打順の組み替えを示唆していた三浦監督だったが、変更点は宮﨑敏郎を3番に下げて2番に林琢真を入れたことと、ソト選手を7番に下げて5番には桑原将志を起用したこと、そして関根大気を開幕戦以来のスタメン6番で起用したこと。


バントの上手い林選手が2番に入ったことによって、出塁率の高い佐野選手を得点圏に進めて宮﨑敏郎に回すことができるようになった。


この戦術が機能したのは3回裏の先制点を挙げたシーンだった。


この回先頭の佐野恵太がライト前ヒットで出塁すると、林琢真が送り、一死二塁のチャンスで宮﨑敏郎がメンデスの真ん中高めに浮いたチェンジアップを一発で捉えてセンターフェンス直撃のタイムリーツーベースを放った。



今日のベイスターズのヒットは合計5本で完封された昨夜よりも少なかったが、そのうち4本は佐野と宮﨑の2人で2本ずつ打ったものだった。


つまり、佐野が出塁して宮﨑が還すと言う得点パターンしかなかったわけで、首脳陣の策は当たったと言って良い。


2点目はまたも宮﨑敏郎が6回裏に放ったソロホームランによるものだった。


これで宮﨑選手は現時点でセリーグの3冠王となった(打率 .444、本塁打2、打点7)。


血行障害のため春先は調子が上がらないイメージだった宮﨑選手が今季は開幕から絶好調だ。


怪我なくこの調子を維持して欲しい。現状では彼と佐野選手に打線を引っ張ってもらうしか手がないのだ。



それ以外のチャンスでは拙攻が目立った。


6回の一死満塁のチャンスでは伊藤光がショートゴロで併殺に倒れ、8回の一死満塁の時も大和と佐野が凡退して無得点に終わった。


ここでそれぞれ犠牲フライや緩いゴロの併殺崩れなどで1点ずつでも取れていれば、もっと楽な展開になったはずだ。


連勝を目指すには、ヒット以外での得点パターンの引き出しを増やすことが必須だと思う。


そして、昨日猛打賞で復調傾向かと思われた牧秀悟がまたもノーヒットで終わった。


甘い球を見逃して難しい球に手を出すと言う状況が続いているし、7回の二死一、二塁でフルカウントからストレートに空振り三振したシーンのように速いボールに全くタイミングが合わない。


本格的に復調するにはもう少し時間がかかるかと思わせる今日のバッティングだった。


もう一本のヒットは関根大気がフォアボールの牧を一塁に置いてセンター前に放ったもの。


関根は昨夜もワザありのチョコンと当てたレフト前ヒットがあり、上手いバントや後述する守備での貢献もあるのでしばらくスタメンで使ってはどうだろうか?


明日のジャイアンツの先発横川投手は左腕だが、関根選手は左対左を苦にしないので是非スタメンで起用して欲しい。私としては、現状では彼を2番に置くのが最適解のように感じている。



【平良拳太郎の復活と勝ちパターンの継投】


2021年6月にトミージョン手術を受けた平良拳太郎が約2年ぶりに1軍のマウンドに立った。


本来であれば昨シーズンの終盤でそのチャンスがあったはずなのだが、コロナに罹患したことでその機会は潰えた。


長いリハビリを見守っていた今永昇太の試合前のコメント。


“平良に関しては、僕はもう何も心配ない”


“トミー・ジョンってものすごく長くて、モチベーションを保つのも少し難しい手術になるんですけど、平良の場合はしっかりドッグに朝早く来て、自分のやるべきことをやって、トリートメントをしっかり受けて、また次の日朝早く来てっていうのをずっと繰り返して、弱音だったりとか文句だったりとか、そういったことを一切…少なくとも僕の前では言わなかった。必ず良い結果を出してくれる”


彼の言葉が実現した888日ぶりの勝利だった。


今日のピッチングでは高めのストレートを見せ球や空振りを奪うボールとしてアクセントにしつつ、低めのスライダーとシンカーの制球が抜群だった。


三浦監督も、“立ち上がりからしっかりと制球よく低めに集めていた。(伊藤)光も低めだけではなく高めも、ストライクゾーンの四隅を目一杯突きながら投球したと思います。先発の役目を十分に果たしてくれた”と右腕の好投を称えていた。



本人の自己評価は次の通り。


“真っ直ぐで空振りが取れていたのが良かった。


ヒカルさんから「お前が思っているよりいいボール来てるから」と言ってもらったので、ミット目掛けて思い切り投げました”


低めに集めたシンカーが唯一バッターの膝より高く浮いたのは5回の梶谷隆幸に対しての1-1からの3球目だった。


レフトの左を抜けるかと言うライナー性の当たりだったが、背走した佐野恵太が好捕してことなきを得た。


そして6回には膝下にやや甘く入ったスライダーを丸選手に掬い上げられたが、ライトの関根大気が猛追し、最後はスライディングしながら捕球するスーパープレーを見せて助けてくれた。



6回一死満塁のチャンスで大和が代打で準備した際に結果によらず今日はここまでと言うことを斎藤コーチが平良投手に伝えたようで、余力を残しての降板となった。


6回、85球、被安打4、奪三振7、与四球1、失点0は上出来の復帰戦と言って良い。


本人も本当に嬉しかったのだろう。


ヒーローインタビューでも終始彼らしい穏やかな笑みを浮かべていたのが微笑ましかった。


余談だが、今年もスポンサーのマルハニチロからマグロがプレゼントされた。お立ち台で選手たちに渡されたキハダマグロのぬいぐるみ(?)のクォリティが昨年よりもさらに上がっていたことに驚かされた。


実は水族館マニアでもある私も欲しいと思った。どこかで売っているのだろうか?



次回は12日のヤクルト戦か14日からの横浜での阪神戦と言うことになるだろう。7回まで投げてHQSを達成することを願っている。


勝ちパターンの継投も完封で万全だった。


唯一のピンチは7回に登板した入江大生で、好調の大城選手とブリンソン選手に連打を浴びて無死一、二塁とピンチを招いたが、続く門脇が大きなレフトフライ。


そして、原監督が悔しがったように、ここでセカンドランナーの大城選手がタッチアップしなかったのがラッキーだった。


その後、代打の長野選手、1番の梶谷選手は連続三振に打ち取り、ピンチを拡大しなかったのは入江投手の成長を感じさせるマウンド捌きのおかげだ。


最後に梶谷隆幸を打ち取ったストレートは素晴らしいキレとコースだった。本人が気合の入った形相でガッツポーズと雄叫びを上げていたのも納得。



明日はこのカードの最終戦。


東克樹の先発が予想されているが、気負わずに丁寧に低めに集めてコースを狙う投球を期待している。


コントロールの重要性を同じくトミージョン手術を受けた平良拳太郎が身をもって示してくれたことを忘れてはならない。