mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

雨天中止で仕切り直しの中日戦はドラマティックな展開で三連勝




4月8日 今日は予報と違って怪しい空模様の横浜スタジアムでの現地観戦となった。


先週の炎上から再調整して低目の制球を取り戻したガゼルマン投手と円熟の好投を見せる涌井投手の投げ合いで投手戦の序盤だったが、野球の面白さを再認識させられるような劇的な展開でベイスターズが逆転勝利。


巨人戦での連勝から雨天中止をはさんで三連勝となった。


やっぱり野球は先発投手が試合を作ることが大事だね。



ベイスターズ 3 - 1 ドラゴンズ


勝 R. ガゼルマン 1勝0敗0S


負 涌井秀章 0勝2敗0S これで二敗はちょっと可哀想


S 山﨑康晃 0勝1敗2S


本塁打 龍空1号(5回表ソロ)、宮﨑敏郎3号(6回裏ソロ)



スターティングメンバー


1番 佐野恵太 (1B) 4打数2安打 打率 .321


2番 林琢真 (SS) 4打数0安打 打率 .000


3番 宮﨑敏郎 (3B) 4打数2安打 本塁打1、打点1、打率 .423


4番 牧秀悟 (2B) 4打数1安打 打率 .214


5番 楠本泰史 (RF) 4打数0安打 打率 .056


6番 関根大気 (LF) 4打数4安打 打点1、打率 .500


7番 桑原将志 (CF) 4打数1安打 打率 .240


8番 伊藤光 (C) 4打数0安打 打率 .100


9番 R. ガゼルマン (P) 2打数1安打 打点1、打率 .333→代打 森敬斗 1打数0安打 打率 .167


継投


勝 ガゼルマン 6回1/3 92球、被安打5、奪三振3、与四球3、失点1


H エスコバー 2/3回 5球、被安打0、奪三振1、与四球0、失点0


H 伊勢大夢 1回 15球、被安打1、奪三振0、与四球1、失点0


S 山﨑康晃 1回 11球、被安打0、奪三振2、与四球0、失点0



【ロバート・ガゼルマンの二刀流】


前回の登板では初回に味方が4得点を挙げてくれたにもかかわらずズルズルと失点し、最後までチームの流れを引き寄せることのできないまま3回4失点で降板すると言う屈辱を味わったガゼルマン投手。


思えば昨年の来日初登板でも中継ぎでスワローズ打線につかまり、自分のユニフォームを噛み締めて悔しさに耐えていたが、その後持ち前の低めの制球を取り戻してローテーションの一角に定着した。


今回も1週間でしっかりと再調整し、身体のバランスを見直すことで得意のツーシームが低めに集まるようになった。


ストレートは常時140キロ台後半で最速151キロと球威もあったように思う。


初回から3回まで毎回走者を出したが、前回のようにどうしようもないと言う状況ではなく、自分のピッチングで勝負していく中での出塁だったので、そこまで心配はしていなかった。



2回と3回には得意の低目の変化球でゴロを打たせてダブルプレーで切り抜け、調子が上がった。


4回にはこの試合初めての三者凡退。


しかし、5回には難敵の木下選手を打ち取った後、一死走者なし、2-1からストレートが真ん中に入って龍空選手に上手く合わせられた。


打った瞬間の打球音はポカン、と言うような冴えない音だったので、レフトフライかと思ったが、ちょうどこの時ライトからレフトに吹いていた風にも乗ってスタンド最前列に飛び込む先制ソロホームランとなった。


龍空選手のプロ入り第一号はドラゴンズ全体でも7試合目にして今季初となるアーチだった。


当然ドラゴンズベンチとレフトスタンドの応援団は大いに盛り上がり、ちょっと嫌な雰囲気だったが、ガゼルマン投手がその後の2人の打者を落ち着いて打ちとり最小失点で凌いだ。


これが大事だった。


その裏、ベイスターズの攻撃は好調の関根大気からで、期待通り、脚を生かしてセカンドへの内野安打で出塁した。


続く桑原将志と伊藤光はいずれも内野安打に倒れたが、それぞれ進塁打となり、関根選手はサードまで進んだ。


これが大事だった。


伊藤光の打席ではガゼルマンに代わって京田陽太がネクストバッターズサークルに入っていたが、これはハッタリだったろう。


好投のガゼルマン投手はそのまま打席に入り、我々ファンは皆、まあしょうがないか、次に期待だなどと言っていたが、彼自身は全く諦めていなかった。


これが大事だった。


涌井投手の初球スライダー、コースは外角いっぱいと言う易しくはないボールをきっちり捉えて打球は右中間をライナーで破るタイムリーツーベース。


まさに自援護で直ぐに同点に追いついた。これでドラゴンズに傾きかけた流れを一気に取り戻し、これから後はベイスターズのペースで試合が進む。




【宮﨑敏郎の職人芸】


ガゼルマンの自援護で1-1の同点に追いついたまま迎えた6回裏、先頭の宮﨑敏郎が2-0のバッティングカウントで涌井秀章の投じたシンカーが浮いて真ん中高めに来たのを身逃さず強振した。


実は私が横浜スタジアムでよく観戦する席は三塁線をホーム方向に延長して行ってバックネットにぶつかる辺りの位置なので、レフトポール際に飛ぶ大きな飛球を見ることが多い。


それらのほとんどは左に切れて行ってファウルになるのだが、宮﨑選手の打球だけは真っ直ぐに飛ぶのだ。


今日も彼の打球はあくまでも真っ直ぐに進み、レフトスタンド上段、ポール際に吸い込まれて行った。2-1となる逆転ソロホームラン。


リストの返し方や左肘の抜き方などに高度な技術があるのだろうと思うのだが、素人の悲しさでその技術の真髄の部分は憶測すらできない。


いずれにしても、ほとんどのバッターの左に切れていく打球とは違う職人芸が凝縮されていることだけは確かだ。



ヒーローインタビューで感触を聞かれると、切れるかと思ったけど入って良かったです、などと言っていたが、何をおっしゃる。


あれが切れないようにするために何年も技術を磨いてきたんでしょ、貴方は。


私には、風のおかげで入りました、と言う彼のお馴染みのギャグと同じようなコメントに聞こえた。


8回裏の攻撃でも先頭打者となった宮﨑敏郎がドラゴンズの3番手でマウンドに上がった祖父江投手の2球目を今度は右におっつけてライトへのツーベースヒット。関根大気による劇的な3点目のお膳立てをした。


血行障害のため春先は不調のことが多かった宮﨑選手だが、今年はここまで絶好調。この調子で打線を引っ張って行って欲しい。



【関根大気の野球は面白い】


好調の関根大気は今日4打数4安打の大活躍。


第一打席 2回、涌井投手からサードの右を抜ける技ありのレフト前ヒット


第ニ打席 5回、同じく涌井投手からセカンドへの脚で稼いだ内野安打でガゼルマン投手の自援護のお膳立て


第三打席 6回、宮﨑敏郎の逆転ソロでやや気落ちした涌井投手から3本目となるレフト前ヒット


第四打席 2-1の僅差のリードで迎えた8回、二死三塁でもう一点欲しい場面。祖父江投手の初球をあわやツーランホームランかと言うライトポールの僅か右に切れる大ファールとした後、なんと三塁線へのセーフティスクイズで1点をもぎ取った。


全ての打席に意味があり、味わいのある今日の関根選手の打撃だったが、特筆すべきは第四打席だろう。


本日三安打を放っている彼の初球の大飛球でバッテリーもドラゴンズベンチもスタンドのファンも全員が、おおー、と言う声を上げ、関根選手が一瞬だけホームランバッターのような心象を与えたことを彼は冷静に見ていた。


そして、ツーベースヒットの宮﨑敏郎に代わって代走さん、じゃなかった俊足の神里和毅がサードランナーだったことも勿論頭に入れて、彼はセーフティスクイズを選択した。



急いでマウンドを駆け下り捕球した祖父江投手は明らかに慌てていた。落ち着いて処理すればアウトのタイミングだったかも知れないが、捕球後にやや足が滑ったこともあり、ファーストへの送球が大きく逸れてセーフ。判定はヒット。


これで3-1となり、9回裏にはクローザー山﨑康晃が暗転した場内で炎と共に登場するわ、声出しの康晃ジャンプだわ、と言う熱狂の中、3人で抑えてゲームセット。


いやあ、良い試合を見せてもらいました。


明日は開幕戦の雪辱に燃えるFA権取得の石田健大が先発だ。


頼んだぞ石田。負けんなよ!