mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

対ヤクルト初戦は土俵際まで追い込まれたが粘り勝ちで首位キープ




4月25日 単独首位の月曜日は夢見心地の中あっという間に終わり、今日から昨年のリーグ覇者ヤクルトスワローズをホームに迎えての3連戦。


先々週の神宮での対戦では1勝1敗の互角の戦いを演じたので、昨年のような一方的な対戦成績にはならないと信じたい。


今日のヤクルトの先発は先週の対戦で敗北を喫したサイスニード投手。ここ数年苦手にしている投手で、力のあるストレートと変化球をコースに投げ込む制球力を兼ね備えている。


対する我が社の先発は初登板のタイガース戦で派手に打ち込まれたがその後修正して復調しつつあるロバート・ ガゼルマン。


14日の阪神戦以降間隔が開いたため20日のイースタンリーグ日本ハム戦で調整登板したが、3回、被安打7、3失点と炎上気味だったのが気にかかる。


しかし、それは杞憂だった。


ガゼルマン投手はしっかりと試合を作った。そして、ドラマはその先に待ち構えていた。



【試合展開と得点経過】


先週の得点力不足を打開するために打線を大幅に変更することを予想していたが、今日のスタメンは、このところ標準となっている1番 佐野恵太(1B)、2番 京田陽太(SS)、4番 牧秀悟(2

B)、5番 桑原将志(CF)、6番 関根大気(LF)は固定したままだった。


変わった点は以下の通り。


(1)宮﨑敏郎がベンチスタートとなり、代わってサイスニードと相性の良かった柴田竜拓が8番サードに入った。3番には久しぶりのスタメンとなるライト神里和毅


(2)キャッチャーはガゼルマンとバッテリーを組む機会の多い伊藤光で7番


先発のガゼルマンは、得意のツーシームを中心にボールを低めに集めてゴロを打たせる投球がはまっていた。


やっぱりファームの成績は関係ないのですね。


3回、4回と得点圏に走者を進められたが、ダブルプレーや三振と内野ゴロなどで落ち着いて抑え、6回まで無失点で投げ切った。ローテーション争いが激しくなる中で先発として合格の投球だった。



一方、ベイスターズ打線は初回裏の攻撃で早くもチャンスを掴んだ。


一死から京田陽太がサードゴロを村上選手がお手玉する間に出塁すると、続く3番神里はサイスニードの投じた初球、インハイのストレートを思い切り良く引っ張ってライト前ヒット。


京田陽太が好走塁でサードまで進み、一死一、三塁とチャンスが広がった。


そして次の打者はこのところ不振に喘ぐ4番牧秀悟。


しかし、郷里の長野県から総勢40名の家族や親戚の方々が応援に駆けつけているという今日の牧選手は一味違った。


2-1からの4球目。捕手は外角低めに構えていたが、ツーシームが真ん中に入ったところを見逃さず、右方向に打ち返すと打球はグングン伸びて右中間フェンス直撃のタイムリーツーベースとなり、ベイスターズが1-0と先制に成功した。



なおも一死二、三塁のチャンスだったが、ここは桑原将志と関根大気が凡退して追加点はならず。


さらに、4回裏には伊藤光のヒットの後 突如コントロールを乱したサイスニードから佐野恵太が押し出しのフォアボールを選んで2-0とリードを広げた。


ベイスターズ打線は5回裏にもチャンスを作る。


止めたバットに当たった打球が運良く一、二塁間をゴロで抜ける完全なコースヒットで牧秀悟が出塁すると、続く桑原将志もレフト前ヒットで続く。


さらに、桑原は盗塁を決めて二、三塁とした。これが大きかった。


二死二、三塁で8番伊藤光が打席に入ると、ヤクルトベンチは3人の外野手に前進守備を命じた。


そして2-2で粘った7球目、真ん中低めのストレートを捉えた伊藤光の打球は前進守備のセンターのはるか頭上を越えていった。



2点タイムリーツーベースでリードを4-0に広げ、勝利をグイッと引き寄せた、とこの時は思った。


暗転したのは7回表。


このところ失点が続いているエスコバーを4点差の場面で起用したベンチの配慮が裏目に出たと言えるかも知れない。


先頭打者の好調サンタナへの2球目はうまく捉えられ、フェンス直撃の2塁打となる。


続く青木宣親の内野ゴロの間に一死三塁となり、次の中村悠平にも初球をあっさりと打ち返され、タイムリーヒットでまず1点。


さらに、二死となってから代打濱田太貴もストレートを完璧に捉え、レフトスタンド上段に達する大きなホームランを打たれた。ここでエスコバーは降板。


4-0でリードしていた試合展開がわずか13球で4-3の1点差まで追い上げられた。



エスコバーに代わってマウンドに上がった入江大生(このところ同じような場面が多い)はヒットとフォアボールで2人のランナーを出したものの、最後は3番オスナ選手をつまらせてセンターフライで打ち取り同点は阻止した。


その裏、ベイスターズに流れを引き戻す大きなプレがあった。


一死走者なしで打席に入った“コトを起こす人”の関根大気がコトを起こした。


3番手の星知弥投手の初球、ベルトの高さのストレートを思い切り振り抜いた打球はライトとセンターの中間に上がり、フェンスの少し手前、アンツーカーとの境目のあたりまで飛んだが、ハマスタの大歓声の中、2人の声掛けが十分にできなかったようだ。


センターの太田選手とライトのサンタナ選手が交錯して落球し、さらにボールがサンタナ選手の身体の下に収まっていたため先に立ち上がった太田選手が見つけられない。


その頃、関根大気は全速力でセカンドを回り、さらにサードもノンストップで回ろうとしていた。



慌ててボールを拾い上げホームに返球したが間に合わず、関根大気は両手を広げてセーフであることを主張しながらホームに滑り込んだ。


狭いと言われる横浜スタジアムでは31年ぶりとなるランニングホームランで5-3とし、再びリードを2点に広げた。


その後は試合が落ち着き、伊勢大夢が8回、山﨑康晃が9回をそれぞれ三者凡退で抑えきり、ベイスターズが初戦をものにした。


ベイスターズ 5-3 スワローズ


勝 ガゼルマン 3勝 0敗 0S


負 サイスニード 3勝 1敗 0S


S 山﨑康晃 0勝 1敗 7S


本塁打 濱田太貴2号(7回表2ラン)、関根大気1号(7回裏ソロ)



【牧の復調と関根大気の必死】


試合後のヒーローインタビューで、このところ情けないバッティングばかりだったので打てて嬉しい、と語っていた牧秀悟の第一打席のタイムリーツーベースは本来中距離打者である彼の真骨頂とも言える右方向のツーベースで、こういう当たりが出始めると、復調に近いと実感することができる。


2本目のヒットは上述したようにラッキーなものだったが、それでも久しぶりのマルチヒットで本人も気をよくしているだろう。


特に長野から駆けつけたご家族や大勢の親戚の方々の前で打てたことで、本来の勝負強い打撃を取り戻すきっかけになったと期待したい。


牧選手にとって大事なのは今日の試合だろう。今日も良いところでヒットが出るようだと、一気に調子を上げて行くというシナリオも十分考えられる。


一夜明けて各紙のニュースを見ると、関根の珍ランニングホームランとかラッキーなランニングホームランとかいう見出しが目立った。


しかし、こうした記事を書いている記者たちは、関根大気が全てのフライで常に全力疾走していることを知っているのだろうか?


あのフライが捕球されない確率は決して高くなかったと思うが、そういう計算は封印して、非効率と言えるほどの全力疾走を一度も緩めることなく走り切ったからこそ成立したランニングホームランなのだ。


私は、彼の日頃からに全力疾走とセットにして、これはラッキーではなく大きなファインプレーなのだと言いたい。




【気になるエスコバーと宮﨑敏郎】


最後に気になる点をいくつか。


失点してイニングを全うできない試合が続いているエスコバー投手を抹消せず、一軍に帯同させつつ復調を目指す、というのが首脳陣の方針だ。


この点については、現場の判断を尊重しよう。


素人目には、彼の投球は結果を出せていた頃とほとんど変わらないように思える。制球もそれほど悪いとは思えない。


ひょっとすると、変わらないことが打たれた原因なのかも知れない。


彼は150キロ台半ばのストレート系のボール(フォーシームとツーシーム)とスライダーが持ち球だが、流石にこれだけで打者を抑え切るのが難しくなっているように思う。


ストレートを狙われた時に一発で仕留められる傾向があるのも気になる。


以前は時折投げていたチェンジアップの精度を上げてストレートとのコンビネーションを構成するとか、思い切ってスプリットチェンジで大きく落とすバリエーションを増やすなどの工夫をしてみてはどうだろうか?


幸い、ブルペンが疲弊せず回っている今ならその時間を捻出することができる。


もし彼が投球の幅を広げることが出来れば、今直面しているピンチが一気にチャンスに転じるのだ。そうなってくれることを祈っている。


もう一つの懸念は宮﨑敏郎の状態だ。


これで2日続けてスタメンから外れており、ネット上では脇腹あるいは脚の違和感といった憶測が飛び交っているが、本当のところは分からない。


代打として打席に入ることはあるので、大事ではないと思いたいが、今後の推移を見守りたい。