mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

関根!関根!!関根!!!




4月27日 野球はドラマ、と言うのは使い古された表現かも知れないが、その言葉の本当の意味を改めて認識させられた試合だった。



【序盤はヤクルトの一方的な攻勢だった】


ベイスターズは平良拳太郎、スワローズは新外国人選手のピーターズの先発で始まった試合の序盤は、初対戦のピーターズ投手の力のある速球とチェンジアップにベイスターズ打線は5回までわずか2安打と沈黙。


一方の平良投手も彼らしい制球とリズムで投球していたが、3回表のヤクルトの攻撃で先頭の中村悠平にレフトスタンドへのソロホームランを打たれる。


1-2と追い込んでいた場面で厳しいところを突くつもりだったが甘いコースと高さにスライダーを放り込んでしまうコントロールミス。コマンド力の高い平良投手にしては珍しい失投だった。


さらに、五回表にはフォアボールとヒットのランナーを一、三塁において3番サンタナ選手に2-2から痛恨のスリーランを被弾してしまう。


これも伊藤光の配球としてはボール気味のところを要求していたように見えたがストレートが高めに甘く入ってしまった。


今日の平良投手は決して悪いピッチングではなかったのだが、勝負どころでコントロールミスが出て、それが甘いコースに行ってしまった。


5回、105球、被安打4、奪三振5、与四球3、失点4


と言うのが今日の彼の成績だが、やはりフォアボール3つというのはいつもの彼の姿とは異なっている。


前回同様、トミージョンの影響に配慮して投げ抹消ということであれば、明日抹消されて、次回登板は5月9日(新潟)あるいは11日(横浜)の巨人戦ということになるだろう。


それまでに彼本来の安定した制球力を取り戻すべく調整して来て欲しい。



【6回裏 全員の執念と集中力で一挙に逆転】


5回までに0-4と大きくリードを許し、流石に昨年のリーグ覇者であるヤクルトをスイープというのは難しいかと思っていたが、試合後の三浦監督のコメントにもあった通り、ベンチでは誰も諦めていなかった。


その執念が実を結んだのは6回裏。


先頭の伊藤光のツーベースに続いて林琢真も内野安打で出塁。続く佐野恵太はサードフライに倒れ一死一、二塁となったが、ここでベンチは代打宮﨑敏郎を打席に送った。


宮﨑はピーターズ投手の外角低めのチェンジアップで体勢を崩されバットを折られながらもライト前に運び、2塁から伊藤光が生還してまず1点。


この辺りからスタンドのファンの応援にも火がつき、続いて打席に入った大田泰示は打ちそうなオーラを全身から放っているように見えた。


2-0のバッティングカウントからピーターズ投手の投じた3球目はボールからストライクゾーンに入ってくるスライダー、いわゆるバックドアを狙ったものだと思うが内側に入って来た。


大田泰示はこれを見逃さず振り抜く。バットの先端だったが力でレフト前まで運んだタイムリー(逆に芯だったらレフトライナーだったかも知れない)でさらに1点。これで2-4と2点差まで追い上げた。


ここでヤクルトベンチはピーターズを諦め、2番手として星知弥をマウンドに送った。


なおも一死一、三塁のチャンスで打席に入った牧秀悟は、2-0のバッティングカウントで星投手の投じた3球目のカットボールが真ん中に入って来るのを見逃さずジャストミート。


打った瞬間それとわかる打球は、一歩も動こうとしない左翼手のはるか上空を通過してレフトスタンド中段に吸い込まれて行った。


ほんの数日前まで極度の不振に喘いでいた牧秀悟の会心のスリーランでこの回一挙に5得点を挙げ、5-4と逆転に成功した。




【シーソーゲームは続く】


しかし、3タテだけは阻止したいヤクルトも簡単には譲らない。


7回表にマウンドに上がったジェフリー・ウェンデルケンが先頭の武岡選手に0-2と追い込んでから4球続けてボールを投げ歩かせてしまうと、無死一塁の場面でこのカード絶好調の濱田選手がタイムリーツーベースを放ち、わずか9球で同点に追いつく。


この回はその後一死一、三塁までピンチが拡大するが、ここはウェンデルケン投手がオスナを空振り三振、青木宣親をサードゴロに打ち取り追加点は許さなかった。


そして、その裏。ヤクルトは星知弥から石山泰稚にスイッチ。


先頭の伊藤光が追い込まれながらも粘って、レフト前ヒットで再びチャンスメイク。


その後、林琢真はスリーバント失敗、佐野恵太は三振で好機は潰えたかに見えたが、宮﨑の代走で出場しそのままサードに入っていた柴田竜拓が石山投手の真ん中高めに甘く入ったストレートを振り抜いてライトフェンス直撃のスリーベースヒット。


一塁から伊藤光が長駆ホームに還って再び6-5とリードを奪う。


しかし、両チームの意地の張り合いは未だ続く。


8回表、ウェンデルケンに代わって登板した入江大生が先頭の中村悠平にセンターへのヒットで出塁率を許すと、続く長岡が送りバントを決めて一死2塁と得点圏にランナーを進め、ベンチは代打の切り札、川端慎吾を打席に送る。


川端選手は期待に応え、絶妙なバットコントロールで測ったように一、二塁間をゴロで抜くタイムリーヒットを放ち、6-6の同点に追いついた。


この後も二死二塁のピンチとなったが、入江大生が絶好調の濱田選手を空振り三振に打ち取り逆転は許さなかった。



【スタジアムの声援が最高潮に達する中ドラマはクライマックスへ】


その後、9回表は山﨑康晃、延長戦に入った10回表は三嶋一輝がそれぞれフォアボールを一つずつ出しながらも危なげなく抑え、ゲームは10回裏に入る。マウンド上は回跨ぎの大西広樹。


一死から大田泰示がショートゴロ。ファーストへ必死のヘッドスライディングで内野安打として執念の出塁を果たすと、すかさずベンチは代走さんを代走に送った。



二死になって打席には桑原将志。彼もボテボテのサードゴロで必死にファーストへのヘッドスライディングを敢行し、大田泰示に続く執念の出塁。


これで二死一、二塁と舞台は整い、本日の主役となった関根大気が打席に入る。


一打サヨナラのチャンスである以上、ヤクルトベンチは外野手に前進守備を命じざるを得ない。


そして、大西に代えて新守護神の田口麗斗をマウンドに上げた。


初球はインコースの見逃せばボールかというストレートに手を出してファウル。しかし、ここで手を出したことでタイミングを微調整することができたように思う。


2球目もインコースのストレートだったが今度はストライクゾーン。内角を攻めた決して簡単なボールではなかったが、高さがベルトのあたりで初球よりは打ちやすいところだったことが関根には幸いだった。


フライを打ち上げることを意識したややアッパースイング気味の関根大気の一振りで打球は前進守備のライト、サンタナ選手の頭上を超えてフェンスまで転がって行った。



2塁から神里和毅が悠々生還して劇的なサヨナラ勝ち。


二転三転してどちらが勝つか最後まで分からなかった激戦は、10年間のプロ野球のキャリアで初めてという関根大気のサヨナラタイムリーで幕を閉じた。


これでヤクルト相手にホーム3連勝、先週からの連勝は4に、ハマスタでの連勝は9にそれぞれ伸びた。


2位の阪神、3位の広島がいずれも勝利したためにゲーム差を広げることは出来なかったが、4点差をひっくり返してのサヨナラ勝ちでチームの雰囲気は最高。この勢いで名古屋に乗り込めるのは良いことだ。


明日は今永昇太が先発で、こちらも好投手の小笠原慎之介と投げ合うことになる。


同じ18時開始の横須賀のイースタンリーグのロッテ戦では、トレバー・バウアーが来週の1軍での初先発前の最終調整の先発登板をすることが予定されている。


その翌日には同じイースタンリーグのロッテ戦でタイラー・オースティンがとうとう実戦復帰を果たす。



野球ってこんなに楽しくワクワクするものだったっけ?