mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

横浜しか勝たん! バウアーの好投で暗雲を振り払う




5月3日 昨日の嫌な負け方で連勝がストップした後。大事なことは連敗しないことだ。


昨日の記事でも書いたが、その意味では、トレバー・バウアーの日本初登板が今日だったのは幸運だ。


そのバウアー投手はヒットは打たれるものの、失点はしないと言う安定した投球を見せ、来日初登板で初勝利を挙げた。



【試合展開と得点経過など】


ベイスターズのスタメンのうち、1番佐野、3番宮﨑、4番牧、5番桑原、6番関根は平常運転。


スタメンマスクは伊藤光が被り7番、このところ代打で結果を出している楠本泰史が2番ライトに入って、8番ショートには京田陽太と言う布陣。


ベイスターズはバウアー、カープは九里亜蓮と言う好投手同士の先発となった今日の試合、序盤は九里投手の状態の良さがむしろ際立っていた。


3回まではノーヒットに抑え込まれ、走者が出たのは初回の楠本泰史のファーストゴロでベースカバーに入った九里投手が落球した時だけだった。


一方のバウアー投手は初回を三者凡退に抑え、2回も二死までは簡単にこぎつけたが、ここでレッズ時代のチームメイトだったデビッドソン選手に真ん中高めのフォーシームをジャストミートされレフトスタンド上段に飛び込む先制ソロホームランを許す。


その後も田中選手、韮沢選手に連打を許し二死一、三塁のピンチとなるが、次打者が九里投手で助かった。三球三振で追加点は許さなかった。


ベイスターズ打線は2巡目に入ってやっと九里投手をとらえ始める。


4回裏、先頭の楠本泰史が二遊間をゴロで破るヒットを放つが、ショート田中広輔が飛び込んで弾いたボールがバックアップに走ったセカンドやセンターから遠い位置に転がるのを見逃さず、セカンドに達した。記録はツーベースヒット。


石井琢朗コーチ就任以来進めている走塁意識の改革が実を結びつつあるようだ。


その後、宮﨑敏郎、牧秀悟が倒れたが、楠本はサードまで進み、次の桑原将志がボテボテのサードゴロでファーストにヘッドスライディングを敢行して内野安打とする間に生還して1-1の同点に追いついた。



昨日は好機で流れを止めていた桑原将志が必死の働きを見せてくれた。


さらに、次の5回にも一死から8番に入った京田陽太がライト前ヒットで出塁し、続くバウアーがファームで藤田一也に教わったと言う送りバントを決めて二死二塁。


打順は1番に戻って佐野恵太は敬遠。


これに燃えた2番の楠本泰史は0-1からの2球目を詰まりながらセカンドの頭上を超えるヒットとし、セカンドから京田陽太が長駆ホームを駆け抜けた。これで2-1と逆転に成功した。


続く6回にも先頭の桑原将志がスリーベースヒットで出塁。ライトの野間選手が前進して突っ込んだがわずかに及ばず、ボールがライトフェンス付近まで転々とするのを桑原が見逃さず、積極的な走塁を見せてくれた。


現在の打順に色々と異論はあると思うが、桑原、関根をセットで5、6番に使いたくなる気持ちもよくわかる。


打席に入った関根大気は仕事人らしくライト前にしぶとくヒットを打ってサードの桑原将志を迎え入れた。


さらに、その後、満塁となって佐野恵太の打順で九里亜蓮から左腕の戸根千明にスイッチしたが、これが裏目となり押し出し四球でこの回2点目。4-1とリードを広げた、


バウアー投手は7回に二死から韮沢雄也のヒット、そして代打堂林翔太のライトへのツーベースで二、三塁のピンチを迎えたが、代打松山龍平を最後は低めの変化球で空振り三振に打ちとって無失点で切り抜けマウンド上で吠えた。



8回は伊勢大夢が2番から始まるカープの好打順を3人でピシャッと断ち切り、9回は昨日炎上した山﨑康晃がヒットと四球で無死一、二塁のピンチを作りながらも、その後、田中広輔を空振り三振、韮沢雄也を注文通りに4-6-3のダブルプレーに打ちとってゲームセット。


連勝が途切れた後、連敗はしなかった。これが一番大事なことだ。



【ついにベールを脱いだトレバー・バウアー】


今日のバウアー投手は、序盤は最速155km/hのフォーシームを主体で押し込み、その後は多彩な変化球でカープの各打者を手玉にとった、という印象。



今日の成績は次の通り。


7回、98回、被安打7、奪三振9(毎回)、与四球1、被本塁打1、失点1


最近、NPBのピッチャー達も高速化しており、彼のストレートが圧倒的威力で打者を抑え込むというわけには行かないが、高めの伸びのあるストレートが内外角のコースに行けば狙って空振りが取れるということはわかった。


そして、球速のあるパワーカーブとチェンジアップ、スプリットチェンジ、カットボールにスイーパーと言う多彩な変化球はいずれも鋭く大きく曲がり、あるいは落ちるため、各打者はかなり手を焼いていたように見える。


変化球主体でピッチングを組み立て大事な所でフォーシームを投げる、と言う今日の試合の後半で見せたモードの投球が当面は有効なのでは無いだろうか。


いずれにしても、2年近いブランクの後の最初の登板としては上出来だったと思う。


これから登板を重ねるにつれて、フォーシームの球速、変化球のキレと制球共にさらに良化する可能性は高く、そうなれば、期待通りの活躍でチームを優勝に導くシンボル的な存在となってくれるだろう。


そして、今日のバウアー選手を見ていて感じたことは学習能力の高さだ。


彼のYouTubeを見る限り、来日当初はバントの技術はかなり不足している印象だったが、上述したようにファームで藤田一也に教わりなんとかボールを上手く転がせるレベルになっていた。


今日の試合でも、楠本の逆転打の布石には彼の送りバントの成功があり、こうしたスキルが自分を救うと言うことは賢明な彼自身が良く分かっていることだろう。


そして、ファームでの投球時には課題と見られていたセットポジションでの投球やクイックモーションもタイムについても改善が見られていたように思う。少なくとも、一塁走者がフリーで走るなどと言う状態からは程遠く、今日のカープは盗塁ゼロで終わった。


試合後のヒーローインタビューでは、冒頭に


“ありがとう。横浜しか勝たん!”


と日本語で挨拶し、野球だけではなく、コミュケーション面でも学習能力の高いところを見せた。



先日もネットスラングの”草“の意味を知り、面白がって使っているようだし、今日の”〇〇しか勝たん“と言うフレーズは昨日教わってすぐに使ったとのこと。


コミュニケーションと言えば、Sword celebrationの件で一悶着あった山﨑康晃とも十分に意思疎通して、もはや問題は無いようだ。


バウアー投手の日本初先発の試合で山﨑康晃がセーブを挙げ、ウィニングボールを手渡して抱き合うと言う最高の形で一件落着したことを世界に知らしめた。



さあ、明日はこのところ好調の石田健大が先発だ。


ここで再び連勝を始められるようだと、先月の勢いを5月に入ってからも継続できるように思う。


頑張れ石田!負けんなよ。