バウアーが打たれてウルトラマンが負けた日のことを思い出した でもゾフィーは来てくれる
はるか昔のあの日、僕たちにとって絶対的なヒーローだったウルトラマンが最強の敵ゼットンに敗れ、2度と立ち上がらなかった。
そのあくる日、クラスの子どもたちはみんな無口で元気がなかった。
下校時間になって、やっと口を開き、“そのこと”について少しだけ話した。
“ゼットン、強かったね”
“ウン”
“ウルトラマンはいつもと全然ちがった”
“ウン”
“でもゾフィーが来て、いのちをくれたからウルトラマンは死んでないね”
“ウン”
“いのちを二つ持ってるって本当かな”
“よびのいのち、でしょ”
ああ、なんだか久しぶりにあの日のことを思い出した。
5月9日 HARD OFF ECOスタジアム新潟
ベイスターズ 2 - 9 ジャイアンツ
勝 戸郷翔征 4勝 1敗 0S
負 T.バウアー 1勝 1敗 0S
本塁打
佐野恵太 6号 1回裏ソロ
岡本和真 5号 2回表ソロ、大城卓三 5号 6回表2ラン、門脇誠 1号 6回表2ラン、ウォーカー 2号 8回表ソロ
日本での初登板となった前回の広島戦でも唯一の失点となったデビッドソン選手のソロホームランだけではなく、韮沢選手や西川選手などに結構痛打されていた印象があり、それでもピンチでギヤを上げるところはさすがと思った。
そして、カープ打線が事前にバウアー投手の投球をかなり研究して対策を練っていると感じた。
今日のジャイアンツ打線は広島での登板もしっかり分析し、カウント球の変化球を狙うという戦術で臨んできた。
そしてバウアー投手自体はストレートの威力はむしろ前回よりも良いように思ったが、変化球の制球が芳しくなく、高めに浮くボールが多かった。
バウアー投手が制球難で甘い変化球が多かったことと、カウント球の変化球を積極的に打ちに行くというジャイアンツの戦術がピタリとはまってしまったことが今日の炎上の原因だろう。
6回、103球、被安打11、被本塁打3、奪三振8、与四球0、失点7(自責6)という内容について、本人のコメントは以下の通り。
“良かったとはいえない内容。
球種の選択と球の精度が悪く、向こうのゲームプランが勝った。
これが3つ合わさると良い結果にはならない”
中でも、いずれも左打者の大城選手に3安打、1本塁打、2打点、門脇選手にも3安打、1本塁打、4打点と打ち込まれたのが響いた。
“2人には真っすぐを2、3球しか投げていない。
攻め方、ボールの選び方がよくなかった”と本人も反省している様子。
“11安打のうち、変化球がほとんど。
アメリカでのスタイルを続けているが、自分も学ばないといけない。
この打者には何が有効なのかなど、もっと知って、学んでいかないと”
研究熱心な彼のことなので、このままやられっぱなしということは無いだろう。
日本の左打者の特性を分析して、彼らを打ちとるための作戦を練って来ることと思う。
私が観ていて感じたことは、無駄も必要なのでは無いかということだ。
変化球については、ストライクからボールゾーンに外れていくボールをある程度交えて打者に的を絞らせないことが必要なのでは無いだろうか?
今日の試合では、ジャイアンツの各打者が全ての変化球がストライクゾーンに来ることを前提で狙い打ちしていたように感じた。
バウアー投手は来日以来2試合でフォアボールを一つしか出していない。
フォアボールが少ないことは非常に良いことなのだが、そこに多少目をつぶっても、カウント球の変化球を時折あえてストライクゾーンから外していくという無駄が有効なのでは無いかと思った。
そして、やはり、変化球はストライクもボールも低めに集めるべきだ。
次回の登板は、マスコミの言うところの予定通りであれば、14日の阪神戦だ。
タイガースは今日のジャイアンツ以上に機動力を使って揺さぶりをかけて来るだろう。
そこも含めて対策を練り、制球を改善して中4日で仕上げることは可能なのだろうか?
報道によると、バウアー投手はこれまで、ベイスターズの投手たちにスイーパーの投げ方を伝授するなど積極的に様々なことを教えてくれているようだ。
そして、今日の悔しい敗戦を経て、彼自身、日本の野球や日本の打者についてもっと学ばなくてはいけない、と言っている。
だから今度は、今永昇太や大貫晋一などが日本のバッター、特に左打者への対策をバウアー投手に伝える順番だろう。
きっと彼らの言葉はゾフィーの“よびのいのち”のように、バウアー投手を甦らせてくれるに違いない。





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