タイラー・オースティンのスタメン起用は今後のために必要な投資だった
5月24日 久しぶりに完封負けを喫したが、全く落ち込んではいない。
石田健大は粘り強く投げ続けて7回1失点のHQSだった。
東克樹の前回登板以来、ベイスターズの先発投手陣は再び試合を作ることができるようになってきた。これを続けることが大事だ。そうすれば勝ちは自ずとついてくる。
そして、タイラー・オースティンをスタメンで起用したことに私は満足している。
彼のプレーを久しぶりに1試合通じて見ることができたからだけではない。
チームが彼に打席を与えて交流戦以降に主軸として起用して行くことを決め、そのためには打てなくても我慢する意思を示したからだ。
ベイスターズ 0 - 1 ジャイアンツ
勝 戸郷翔征 5勝1敗 0S
負 石田健大 2勝2敗 0S
本塁打 岡本和真9号(2回裏ソロ)
2回裏先頭の岡本和真への初球、戸柱恭孝は内角に構えていたが、石田健大の投じたストレートは逆球気味にベルトの高さの真ん中やや外寄りに入ってしまった。
勢いのあるストレートだったが失投である。そして、このコースは昨日の9回裏に坂本裕哉が投げ込んでホームランを打たれたのとほぼ同じところだったと思う。
岡本は昨夜と同じようにスイングし、打球は同じように飛んでいき、レフトスタンド上段の通路付近の同じようなところに着弾した。
この試合の得点は両チームを通じてこの一発だけ。
石田健大はその後変化球も織り交ぜて粘りのピッチングを展開した。
最大のピンチだった6回裏一死三塁のピンチでも、坂本選手と大城選手をいずれも変化球で空振り三振に打ちとり無失点で切り抜けた。
しかし、石田の好投にもかかわらず、典型的なロースコアの投手戦でベイスターズは敗れた。
戸郷投手のフォークボールを最後まで捉えることができなかったことが一番の敗因だろう。
カウントを取るフォークと決め球のフォーク、2種類のフォークボールを操る戸郷投手の投球に完全に翻弄されてしまった。
彼のストレートの球速は一時に比べて低下していると思うのだが、スライダーとフォークの精度が極めて高く、むしろ以前よりも手を焼いている印象だ。
これからも何度となく対戦することになるだろう戸郷投手のこの決め球を攻略することは、ベイスターズが再び首位に返り咲き優勝に向かって貯金を増やして行くためには必須のことだと思う。
牧秀悟のようにフォークボールに狙いを定めて振りにいき、捉えかけている例もあるので、このボールを攻略することが不可能なわけではない。
戸郷投手とベイスターズ打線の現在の力関係を逆転するには、全員がフォークボールを狙い撃ちするくらいの徹底した戦術が必要ではないだろうか?
次回の対戦では、勝ち負けよりも、戸郷投手がフォークボールを投げる時にちょっと怖さを感じる様に印象付けることを狙って欲しい。
タイラー・オースティンは今日の3打席でもノーヒットだった。
第一打席は外角低めをストレート、スライダー、フォークで攻められ空振り三振。打てる可能性があったのは初球のストレートだけだったが、これは見逃してしまっていた。
第二打席も外角を攻められ、最後は外角ギリギリのストレートを打ってライトフライ。
バットの先端だったため伸びがなかったが、変化球の後の速球に反応できていた点を評価したい。
そして最後の第三打席は全てフォークボール。4球目のフォークはバットに当てたが引っかけたようなサードゴロとなった。
しかし、この4球に関しても、一球毎に少しずつアジャストして行っていることははっきりと見てとれた。
もどかしく感じるが、今はこのプロセスが必要だ。そして、戸郷翔征のような好投手とのこうした対戦によって、オースティン選手の実戦の勘は一層速く戻ってくるように感じる。
だから、我々ファンも数試合ノーヒットだったからといってバタバタするのはやめよう。
種を蒔き、水をやり続けて初めて花が咲くのだ。
目が出る前の土に水をかけ、それがただ吸い込まれて行くだけのように見えても、無駄だなどと思ってはいけない。
目に見えない土の中で種は発芽し、それをムクムクと伸ばしているのだ。
タイラー・オースティンが凡退する打席が続くのを見ながら、彼の身体の奥底でホームランバッターの芽がムクムクと伸びている音が君たちには聞こえないだろうか?
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