mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

ピッチャーは一球で地獄を見る バッターは一振りで天国に上がれる





今日のタイトルは往年の大投手、元阪神、カープなどの江夏豊さんがかつて仰っていた言葉だが、昨夜の試合はまさにこの言葉を思い出させるような内容だった。



延長12回、東克樹、メンデスの先発投手を含め両チーム合わせて13人の投手たちが、地獄を見ることのないよう、細心の注意で無失点のイニングを刻んだが、最後の最後に一振りで天国に上がったのは幸運にも我がベイスターズの4番牧秀悟だった。


ジャイアンツの最後の攻撃はクローザー山﨑康晃が三者凡退に抑え、1-0での勝利。


この3連戦合計でわずか3得点、かたや失点は7だったが、僅差で勝って大差で負けると言う試合巧者ぶりを見せ、2勝1敗と勝ち越した。


これで首位阪神と1ゲーム差で明日からの直接対決を迎えることとなる。



ジャイアンツの先発メンデス投手は190cmを超える長身から投げ下ろす威力のあるストレートを軸に変化球を織り交ぜてベイスターズ打線を8回まで被安打4、奪三振6、与四球1、無失点に抑えた。


事前の下馬評では制球に難があると言うことだったが、昨日の試合ではそういった場面はほとんど見られなかった。


対する東克樹も7回を被安打2、奪三振3、与四球3、無失点にまとめるピッチング。


特に目についたのは、ジャイアンツの4番岡本和真に対する慎重な投球で、事前に山本祐大捕手と岡本選手にだけはフォアボールでも良いので厳しいところを狙っていこうと話し合っていたらしい。


たしかに現状のジャイアンツ打線で岡本選手は突出した存在であり、冒頭に書いた「一球で地獄を見る」ことのないように現実的な選択をしたと言うことだろう。


結果的に、東克樹はこの日岡本選手と3度対戦し、フォアボール、内野フライ、フォアボールという結果だった。


その一方で、他の打者にはストライクゾーンで積極的に勝負して打ち取るというメリハリの効いたピッチングができていたと思う。



打線の方は、初回にヒットとエラーで無死一、二塁のチャンスを掴んだが、佐野恵太がダブルプレー、牧秀悟がファウルフライで得点に結びつけることができなかった。


その後、唯一のチャンスは8回表、先頭の桑原将志がヒットで出塁し、大和がバントで送って一死二塁とした場面だったが、代打宮﨑敏郎はピッチャーゴロに倒れ、好投の東克樹に代わった楠本泰史も良い当たりのライナーだったがファースト中田翔がジャンプしてギリギリ捕球すると言う不運な結末だった。


その後、ベイスターズはウェンデルケン、伊勢大夢、森原康平、エスコバーの無失点リレー。


伊勢は二死から岡本和真のフォアボール、大城卓三のヒットで一、二塁のピンチを作ったが、怖い中田翔をフルカウントからアウトコースのストレートで空振り三振に打ちとった。


一方、ジャイアンツも中川、ビーディー、三上、高梨と繋いで11回までベイスターズ打線を無得点に抑える。


そして12回表、大勢投手を抹消しているジャイアンツのブルペンは一枚コマが足りていない印象はある。


この回登板した菊地投手は素晴らしいストレートとキレの良いスライダーが武器の好投手だが、昨年4月に育成から支配下登録されてまだ経験が浅く、大勢選手と同じように、と言うわけにはいかないところもある。


先頭の佐野恵太はフルカウントからセンターフライで打ちとったが、続く牧秀悟に対して変化球二つ、ストレート一球がいずれも外れて3-0とカウントを悪くしてしまった。


実は、菊地投手は以前一度だけ牧秀悟と対戦して、その時にホームランを打たれており、その印象が強かったのかも知れない。


4球目がスライダーでストライク。


そして、5球目、バッテリーは同じスライダーを選択したが、これが真ん中やや高めに甘く入った。


牧はスライダーを待っていたのだと思う。完璧に捉えた打球の行方を一度も見ることもなくホームランを確信し、バットを軽く投げ捨ててスキップするように走り始めた。



対照的に項垂れる菊地、大城のジャイアンツバッテリー。


まさに冒頭の江夏豊さんの言葉通りの光景がそこにはあった。


最終回は山﨑康晃が岡本和真から始まるジャイアンツの攻撃を危なげなく3人で終えた。


この日の山﨑はストレートのキレ、ツーシームの落差、そして制球いずれも良好で、久しぶりに安心して見ていることができた。


これでリーグトップの20セーブと言うことになる。さらに数字を増やしていってくれるだろう、素直にそう思えるような好投だった。



さて、明日から始まる阪神3連戦は、ファームから昇格する笠原祥太郎、128球完投から中5日のトレバー・バウアー、昨シーズン阪神と相性の良かった(今シーズンは一度だけ対戦があり4回4失点(自責3)と打ち込まれているのが気になるが)石田健大が先発予定と言われている。



もう一つ注目すべきは上茶谷大河の使い方だ。


7月に入ってからの8試合でわずか2イニングス、合計17球しか投げていない。そして、一昨日、昨日と2日続けてベンチ入りもしていない。


三浦さんの狙いとしては、阪神3連戦で上茶谷を第二先発的に起用し、笠原、石田が不安な立ち上がりを見せれば直ぐに彼にスイッチすべく準備させておくのではないだろうか。


今週は金曜日が移動日となる変則的な日程なので、週の前半ではあっても救援陣を思い切って投入することもできる。


後半(土曜日〜月曜日(祝日))は、おそらく今永昇太、東克樹、日曜日に再登録可能となる大貫晋一と言うローテーションだろうが、中4日でもう一度バウアーということもなくはない。


このタイミングで野手の入れ替えもあるようだ(大田泰示、神里和毅OUT、梶原昴希、藤田一也IN)。


ゲーム差1で迎える首位攻防戦。久しぶりの笠原、恐らくここで打たれれば次は無いであろう石田健大の背水の陣、吠えるバウアーに加えて、ユーティリティピッチャーとしての上茶谷大河の活躍に注目しつつ応援しようと思う。



トレバー・バウアーに「ヨコハマ サイコッチョー」を仕込む上茶谷