mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

首位攻防戦に連敗 しかし深い闇の中に光がある





7月12日 阪神甲子園球場


ベイスターズ 4-5 タイガース


勝 岩崎優 3勝1敗12S

負 ウェンデルケン 1勝2敗0S


本塁打 N.ソト6号(2回表ソロ)、牧秀悟15号(5回表2ラン)、森下翔太2号(8回裏2ラン)


今日のトレバー・バウアーの立ち上がりは素晴らしかった。


ストレートの球速も抑え気味で、まだ100%の力を出していない感じだったが、落ち着いたピッチングで3回まで阪神打線をパーフェクトに抑えた。


一方のベイスターズ打線は初回先頭の楠本泰史がいきなりツーベースヒットで出塁し、関根大気の送りバントと牧秀悟のタイムリーで1点先制。


2回にはソトの久しぶりのホームランで1点を追加し、2-0とリードを広げた。



今日のバウアーに出来ならこのまま逃げ切れるかも知れない、と思ったのも束の間。


4回裏一死走者なしで中野拓夢にタイガースの初ヒットを許したところで、甲子園のスタンドの雰囲気が豹変し、一気に応援のボルテージが上がった。


そう、いつものヤツだ。


試合後にはいい球場だった、とコメントしていたバウアーだが、この時は雰囲気に飲み込まれていたように見えた。


その後、フォアボール、大山のタイムリーヒットでまず1点。さらにピッチャーゴロで併殺を焦ったか自身のエラーもあり、セカンド内野安打で2-2の同点に追いつかれた。


しかし、その後はギヤを上げて150キロ台後半のストレートで坂本選手と木浪選手を連続三振に打ちとり逆転は許さなかった。


そして、吠えた。



これに応えたベイスターズ打線は直後の5回表の攻撃で、宮﨑敏郎のヒットに続いて4番牧秀悟が大竹投手の甘く入ったストレートを完璧に捉えてレフトスタンドへのツーランホームラン。


これ再び4-2とリードを保つことに成功した。



その後、バウアーは立ち直り、5回〜7回をパーフェクトに抑えた。


4-2で迎えた8回裏。バウアーの投球数は98球。


並の投手であれば継投に入っても良い頃合いだが、完投志願のバウアーであり、しかも4回以外は6イニングをパーフェクトに抑えていた。


セットアッパーとクローザーの出来はその日マウンドに送り出してみないと分からない、と言う不安要素も無いわけではない。


三浦さんの続投の判断は間違っていないと思う。


しかし、先頭の糸原選手に4回以来となるヒットを許すと甲子園の様相は再び激変。


そして、次打者の森下翔太に投じた2球目のストレートがやや甘く入り、一振りで同点となるツーランホームランを左中間スタンドに放り込まれた。



中野選手は打ちとったが、前川選手にツーベースを打たれたところで投手交代。その後は伊勢大夢がピンチを切り抜け追加点は許さなかった。


完全に結果論だが、4回の甲子園のボルテージにバウアーが冷静さを失ったことを思い出せば、糸原選手にヒットを許したところで伊勢に交代すると言う手もあった。


危機管理能力に長けた監督であれば、ここで何かきな臭いものを感じて予防策を取ろうとしたようにも思う。まあ、この辺りは経験の問題でしょうね。


今日の敗戦を高い授業料として、三浦さんもそうした勝負師の勘を養って行ってくれればそれで良い。負けず嫌いの彼は、きっと今日の悔しさを今後の采配の糧としてくれる筈だ。


その後、9回表には阪神のクローザー岩崎優に対して二死二塁まで走者を進めたが、最後は楠本泰史がファウルフライに倒れてチェンジ。


一方のタイガースの最終回の攻撃では、先頭のノイジーに3番手のウェンデルケンがいきなりフォアボールを出してしまう。


さらに、続く坂本選手の送りバントをウェンデルケンが捕球した後、ファーストの守備についていた佐野恵太との連携の拙さもあってオールセーフとしてしまった。


その後、熊谷選手にもストレートのフォアボールを出してしまい、二死満塁となったところで前の回に同点ツーランを放っている森下選手に打順が回った。


そして、制球に苦しむ今日のウェンデルケンに彼を抑えることは難しかった。


最後はセンターへの犠牲フライでノイジーの代走、三走植田選手が生還し、タイガースが劇的サヨナラ勝ちを収めた。


8回裏のバウアーの被弾で勝ちがするりと手からこぼれた時に、サヨナラ負けのイメージは頭の中で妙にハッキリと浮かんでいたが、残念ながらそれが現実のものとなってしまった。



今日こそはビジター阪神戦の連敗を止められそうな展開だっただけに実に悔しい負けだったが、これも野球。切り替えて明日の試合に向かう以外になすべきことはない。


今日の試合でいくつか希望も見えてきた。景気付けに挙げていってみよう。


1) 防御率リーグトップの大竹投手に対してヒット10本を放ち、4得点を挙げた。ベイスターズの二桁安打は6月27日の広島戦以来2週間ぶりで、4点以上を挙げたのも7月5日のヤクルト戦以来い1週間ぶりだ。打線の調子は既に底をうって、復調しつつあるように感じる。


2) 牧秀悟が好調期に入ってきた。久しぶりのマルチヒットを放った昨日の試合に続いて、今日は先制タイムリーヒットと同点ツーランホームランで打点3を挙げた。良い時の牧は打ち出すと止まらないイメージがあるので、明日の試合こそビジターでの対阪神戦の連敗ストップに貢献して欲しい。


3) 楠本泰史が1番バッターとしての適性を見せた。初対戦の大竹投手から、初回の先制点の起点となるツーベース。3回にもセンター前ヒットで、これまでスタメンで結果を出せていなかったが、こうして彼らしいバッティングを見せてくれるのであれば、しばらくは楠本を1番打者で使い続けてみたくなる


今日の試合の采配批判やバウアーとウェンデルケンのエラーなどに文句を言っていても仕方がない。


敗戦の中に希望を見つけ、明日の応援につなげよう。


そして、明日先発の石田健大がもう失うものなど何も無いことを悟り、開き直ってゾーンでズバッと勝負していってくれることを祈ろう。




深い闇の中にいるときにこそ、光を見つけることに集中しなければならない


アリストテレス