mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

トレバー・バウアーの考える一番面白い野球の勝負とは





これまでもオールスターゲームでは普段の真剣勝負では見ることのできないエンターテイメント性のあるプレイが見られたが、今年は特にそれが顕著だったと思う。


交流戦がすっかり定着し両リーグ間の真剣勝負の場が日本シリーズのみだった頃から大きく拡大したことが背景にあるのは間違いないと思うが、それは今年に限ったことではない。


今年のオールスターを盛り上げた楽しいムードは一重にトレバー・バウアーのプロデュース能力によるものだろう。


そのバウアー投手は第二戦の3番手投手として登板した。


オールスター直前のファンとの交流イベントで宣言していた通り、バッターに対して全球の球種を予告した上で投球して三振を狙うという前代未聞のピッチングを見せた。


相手を見くびっているようにも受け取られかねない企画だが、彼自身の言葉によれば、その背景にある考え方は次のようなものだ。


“楽しむためというのが一番。


何が来るかとわかっていればそれに合わせた一番強いスイングをすると思うので。


自分のベストのものと相手選手のベストのもの、それがぶつかるのが一番面白い野球の勝負なんじゃないかなと思う。


そのために全球予告して投げました”



バッターにどうやって球種を伝えるのだろうと思っていたが、ストレートの場合は握りを見せ、変化球の場合にはグラブで変化の方向を指し示す、と言う方法だった。





イニングの合間に投手がキャッチャーに向かって投球練習をする際、捕球しやすいように次の球種を仕草で指示するが、基本的にはあれと同じ方法だと思う。


結果は、打者4人に24球を投じて3安打、1本塁打、2失点だったが、大城捕手の捕邪飛落球があったため自責点はゼロというものだった。


ストレートのキレも変化球の曲がりもシーズン中以上ではないかと思わせるような全力投球で、日頃の有言実行ぶりをここでも発揮してくれた。


先頭の万波中生選手に対してはストレートとナックルカーブなどで追い込んだが、インハイの速球を打ち上げたファウルフライを大城捕手が落球し、次のスライダーが高めに浮いたところをスタンドに運ばれた。


その後、柳田選手はセカンドゴロに打ちとったが、紅林選手、安田選手に連打され、若月選手のサードゴロの間にもう1点失った。


最後は小深田選手をファーストフライに打ちとってスリーアウトチェンジ。


本人の感想は以下のようなものだった。


“(バッターは)いい反応だったと思います。


狙い通りというか、大きいスイングをしてくれましたし。


初球は「あれなにやっているのかな」という混乱した様子もありましたが、みんな力一杯振ってきてくれたので僕自身楽しかったですし、打者の皆さんにも楽しんでもらえていたら良かったかなと思います。”


“ファンの皆さんに楽しんでもらえていたら良かったなと思います。


三振かホームランか、そういうような勝負って楽しいと思いますし。”


“シーズンとプレーオフとか合わせたときに160試合くらいヒット絶対打たれたくないという試合が続くと思うんですけど、今日は唯一打たれても気にしなくても良いような試合だったので最初から最後まで楽しませてもらいました”


その他にも、山本由伸投手から教わった脚を上げないクイックモーションを実戦で試したり、佐々木朗希投手に160キロを超える速球の投げ方について質問したり、小笠原慎之介投手に新製品のスウォード型のグッズをプレゼントしたり。





今年のオールスターゲームを一番楽しんだのは間違いなくトレバー・バウアーだった。


彼の呼びかけに応じて、私も毎日、プラスワン投票を行ったが、彼の心底楽しそうな姿を見ると大満足だ。


中4日での登板の後、中2日で24球の全力投球を行ったので、調整が難しい面はあると思うが、明日から始まる後半戦で、またあの勇姿を見せてくれることと思う。


22日、23日の読売戦は石田健大と平良拳太郎と言う噂なので、バウアー投手の次回登板は25日からのバンテリンドームでの中日3連戦ということになるだろう。



ところで、この人もホームランダービーで大活躍した。


準決勝ではジャイアンツの岡本和真選手に5本対4本の僅差で敗れたが、初戦の万波中生選手との対戦では2分間で6本をスタンドインさせて最多となり、日産EV No.1賞を受賞した。


日産のEV車の3車種の中から1台を選べるということだが、例えばアリアを選ぶと、500万円台〜700万円台という価格帯なので、優勝した岡本選手の賞金100万円をはるかに上回る金額になる。


宮﨑選手は第1戦でもソロホームランを放ち、敢闘選手賞100万円を獲得しているので、荒稼ぎと言っても良い活躍だった。


オールスターも終わり、これからペナントレースもクライマックスへと向かって行くことになる。


オールスターに出場した8人もそれ以外の選手たちも、リフレッシュして心身ともに万全な状態で土曜日からのリーグ戦に臨んでくれることを祈っている。