mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

優勝への想いは一旦封印し足元を見るべき時だ





7月23日 横浜スタジアム


ベイスターズ 0-4 ジャイアンツ


勝 メンデス 2勝3敗0S
負 平良拳太郎 3勝3敗0S


本塁打 吉川尚輝6号(5回表2ラン)、秋広優人10号(7回表ソロ)


先発の平良は2回以降ピンチの連続の中良く粘って投げていたが、5回表に先頭のメンデスにヒットを許すと、そこから崩れた。


吉川尚輝に2夜連続となるツーランホームランを喫し、さらに大城選手にタイムリーを打たれて3点目を失ったところで降板。



4回1/3、94球、被安打8、被本塁打1、与四球2、奪三振5、失点3


と言う内容は厳しいが、打線の援護が全く期待できない中、非常に重たい雰囲気であった点はかなり同情の余地があると思う。


たらればを言っても仕方無いが、早めに援護点が入っていれば立ち直る機会はあったように思う。


むしろ気になったのは、5回になって80球を超えたあたりでストレートの球速が落ちていたこと。酷暑の中で長いイニングを投げるだけのスタミナがあるのか疑問だった。


リリーフ陣は、上茶谷、入江、エスコバー、タナケンがノーヒット、無失点で良く繋いだが、7回を担当した山﨑康晃がまたも秋広選手にソロホームランを打たれた。


好調の吉川、梶谷を連続三振に打ち取り、楽な場面であれば十分にいけると思った直後、秋広選手に3-0とカウント負けしてしまう。


スリーボールから打ってこないだろうと決めてかかったのか、次の甘いボールを1発で仕留められた。これは運が悪かったと言えるようなピッチングではないと思う。



これで0-4となり、現状の打線を考えれば十分なダメ押しとなった。


打線の方は、昨夜に続いて1番でスタメン出場の梶原昴希がマルチヒットと盗塁で存在感を示したが、それ以外は見るべきところもなく、4安打、三塁を踏むこともなく0封負けを喫した。



昨日も記事に書いた佐野恵太は、無死二塁で力のないセカンドハーフライナーに倒れるなど、調子が上向く気配がない。


個人としての打撃の不調とキャプテンとしてチームの不調に責任を感じていることが相乗効果で彼を苦しめているのではないか、と思うほど表情に明るさが無いのが気になる。


これで5連敗。


チームの状態は非常に悪く、火曜日になればまた勝っていけると言えるような希望は残念ながら見えて来ない。


こう言う状況では、根拠のない楽観的希望を書いてもあまり意味が無いだろう。



話は変わるが、オールスター第二戦でジャイアンツの岡本選手と牧秀悟が解説席にゲストとして呼ばれた際、帰り際にファンの皆さんに一言と言われた岡本和真は一つ一つ勝てるように頑張ります、と言ったが、牧秀悟は優勝を目指して頑張ります、と言っていたのが印象に残った。


それぞれのファンに向けての言葉なので、優勝、と言うことは勿論問題ない。


私がフト感じたのは、このチームの全員が日常的に、優勝という言葉を口にする、むしろ口にすることを求めるような集団心理があるのではないかと言うことだ。


これは、今季のスローガンが横浜頂戦に決まった時から始まり、交流戦優勝後、阪神に三連勝して一瞬首位に立った時に非常に鮮明になったように思う。


そして、三浦監督がオールスターまでに最低でも13勝と言ったことで、このチーム心理は決定的となった。


優勝などまだ遠い先の話だったのに、挑戦者の気持ちを忘れ、近いうちに王者になるかのようなメンタルに切り替わってしまった。そして、そのことが選手たちの動きを硬くし、大きなプレッシャーをかけて歯車を狂わせて行った。


そんな風に見える。


だから、1ファンである私は彼らに、敢えて、優勝なんかしなくて良い、と言うことにした。


優勝なんかしなくて良いから、次の試合で自分のできる自分らしいプレーをしてくれ、と言うつもりだ。


大好きなベイスターズのみんなに、中原中也の「言葉なき歌」と言う詩の「あれ」を「優勝」に置き換えた「替え詩」を贈る。



優勝はとほいい処にあるのだけれど
おれは此処(ここ)で待つてゐなくてはならない
此処は空気もかすかで蒼(あを)く
葱(ねぎ)の根のやうに仄(ほの)かに淡(あは)い


決して急いではならない
此処で十分待つてゐなければならない
処女(むすめ)の眼(め)のやうに遥かを見遣(みや)つてはならない
たしかに此処で待つてゐればよい


それにしても優勝はとほいい彼方(かなた)で夕陽にけぶつてゐた
号笛(フイトル)の音(ね)のやうに太くて繊弱だつた
けれどもその方へ駆け出してはならない
たしかに此処で待つてゐなければならない


さうすればそのうち喘(あへ)ぎも平静に復し
たしかにあすこまでゆけるに違ひない
しかし優勝は煙突の煙のやうに
とほくとほく いつまでも茜(あかね)の空にたなびいてゐた