mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

一つ勝つことの難しさは一つ勝つことの大切さがあるからだ





昨夜は7月13日の阪神戦以来12日ぶりとなる勝利だった。


初回、今季初めて1番に入った桑原将志が初球、インハイのストレートを思いきり良く引っ張ってレフトの左を破るツーベースを打つと、続く関根大気がピッチャーとサードの間に絶妙なセーフティバントを決めて無死一、三塁。


ここで3番宮﨑敏郎が初球の高めのボールを引っ張って三遊間を抜く先制タイムリーヒット。


さらに、牧秀悟がまたも初球を引っ張って三塁線を強烈なライナーで破るタイムリーツーベースで2-0とリードを広げた。



5番の佐野恵太は緩く大きなカーブの連投で三球三振に倒れたが、続く大和がまたまた初球をレフト左に引っ張って2点タイムリーツーベースを放ち、4-0とリードを拡げた。


ドラゴンズの先発小笠原投手の立ち上がりが不安定で、ストレートが真ん中高めに集まっていたとは言え、久しぶりにベイスターズらしいファーストストライクを狙った連打でビッグイニングを作ってくれた。


こう言う攻撃は交流戦以来だが、これが打線復活のきっかけになってくれることを願う。


しかし、それ以降は絶好調の夏男モードに入った桑原将志が2安打、うち一本は高めのボール球を振り抜いてレフトスタンドに運んだたソロホームラン、を放ったのと、大和が9回二死からツーベースを打ったのみでフォアボールによる出塁すらなかった。



未だ不調を脱したとは言えない状況だが、久しぶりに勝てたことは大きく、今日の試合でも気分良く積極的に仕掛けられればこれから上向いてくる可能性は十分にあると思う。



ベイスターズ先発の今永昇太は最速150キロを超えるストレートでゾーンを攻めるのを軸に効果的に変化球も使った安定した投球を見せてくれた。


石川選手から見逃し三振を奪ったインコースのストレートは球質を見るだけで、あ、今永か、と分かるほどの彼らしいボールだったと思う。


8回、99球、被安打4、奪三振10、与四球0、失点1


と言う内容でHQSを達成した。



8連続HQSは山本由伸と菅野智之以来3年ぶりで、2020年代では最多タイとのこと。


次回もHQSを達成して、山本、菅野と言うそれぞれのリーグを代表する投手の記録を越えて欲しい。


8回終わって99球と言うことで、いつもの今永であれば完投を狙うところだったが、オールスターでの1イニングの投球を含めれば中4日が2度続いた変則的な登板間隔だったこともあり、ここで降板してクローザー候補の森原康平にマウンドを譲った。


しかし、森原が不調だった。


セットアッパーとして安定して好投していた姿とはほど遠い内容で、打ちとったゴロのバウンドが高く内野安打になる不運はあったとは言え、これは想定内の事象だろう。


打者7人に対して被安打3、与四球2、失点2となり、二死満塁の大きなピンチを残して降板した。


昨夜の森原はストレートはまずまずだったと思うが、フォークボールが落ちずに真ん中に入ることが多かった。


彼のフォークボールの被打率はこの試合の前から4割を超えており、落ちない時には棒球になると言うリスクがあるとは思っていたが、昨夜はまさにそう言う状態になってしまった。


このブログでも書いた通り、各種の指標的には山﨑康晃に代わる新クローザーとして森原投手が最適であり、首脳陣もそこに着目して彼を一番手の候補にしていたと思う。


しかし同時に、楽天時代にクローザーを務めた際にはメンタル面で不安定となり、いつもの自分の投球ができなかったと言う経歴も問題視されていた。


経験を積んだ森原投手がこうした懸念を払拭してくれることを期待していたが、昨夜の投球を見る限りやはり難しいと言う評価になってしまう。


三浦監督は彼にもう一度クローザーとしてのチャンスを与えるだろうか?


あるいは、昨夜の大ピンチを3球で救った伊勢大夢や入江、ウェンデルケンにも機会を与えて適性を見ることになるだろうか。


伊勢が最後の打者となった溝脇選手をセカンドフライに打ちとったのはフォークボールだったが、良い高さから落ちるボールを落ち着いて投げられていた。


あれを見ると、チームへの貢献度も含めて伊勢大夢に託したいと言う気もしてくるが、三浦さんの判断はどうだろう。



抑えとしての森原康平の魅力はフォアボールを出さないと言うところにあったと思うのだが、昨夜はそれを否定するような結果となってしまい、例えば今日の試合でセーブシチュエーションになったとして、もう一度森原とは言い辛いように思う。


今日の試合展開に注目しよう。



初回の猛攻とエース今永昇太の好投で久しぶりの楽勝かと思われた試合は終盤に思わぬ苦戦を強いられる結果となったが、これも連敗中のチームの気負いが原因だろう。


言い換えれば、一つ勝つことの大切さが痛いほど分かっているからこそ、一つ勝つことの難しさが身に沁みると言うことだったと思う。


しかし、一つ勝って連敗を止めたことで、その心理的な呪縛からは解き放たれたことと思う。


これからは夏男の桑原将志に引っ張ってもらって打線全体が活性化することを期待したい。


だから、元気出せよ、佐野恵太!