トレバー・バウアーの魂の投球は明日以降につなげなくてはならない
床田寛樹とトレバー・バウアーと言うセリーグ屈指の好投手同士の投げ合いとなった第3戦は延長12回スコアレスドローと言う結末を迎えた。
バウアーは初回2本のヒットを許したが、野間選手の盗塁がリクエストの結果アウトと判定されたことにも助けられ、無失点で切り抜けた。
その後は、変化球を有効に使って的を絞らせない投球が冴え、ここぞと言うところでは150キロ超のフォーシームで空振りを奪うなどバウアーらしさも見せてくれた。
カープ打線には2回で7失点を許し炎上したことがあり、リベンジの機会を狙っていたことと思う。
打線の援護がなく勝利することはできなかったが、延長10回まで投げ切り無失点と言う完封以上の結果を出してくれた。
10回、123球、被安打4、奪三振5、与四球2、与死球1、失点0と言う文句無しの内容で規定投球回に到達し、防御率も3.00を切って(2.95)リーグ7位に入った。
これで、今永昇太(1.99で2位)、東克樹(2.34で3位)とともに、ベイスターズの三本柱が全員ベストテン入りしたことになる。
マツダスタジアムでの初先発となる今日の試合の前にカープ応援席のいわゆるスクワット応援について質問されると、
“盛り上がってもらえると、より多くの力を出させてもらえる。
逆に、僕に力を出させたくないなら、みんな静かに座って応援しているといい”
と答えた。
これがトレバー・バウアーの反骨であり、言葉だけでなく、投球そのもので敵地のファンに強い印象を与えたに違いない。
真っ赤に染まったスタンドに埋まるどころか、彼のヨコハマブルーのユニフォームは際立って見えた。
しかしカープ先発の床田投手もさすがに既に9勝を挙げて防御率リーグトップの好投手だ。ベイスターズ打線は桑原将志が2本、大田泰示が3本のヒットを放ったものの得点には至らない。
両投手の気迫がそれぞれ相手打線を圧倒し、また、彼らのあとを継いだリリーフ陣も好投で期待に応えた。
是が非でも勝ちたいゲームではあったが、野手が不甲斐なかったと言うよりは両チームの投手達の好投が光った試合だったと思う。
大事なのは明日だ。
トレバー・バウアーがこの酷暑の中で自ら10回のマウンドに上がった心意気と最後の打者への最後の投球で今日最速となる154km/hのフォーシームを投げ込む魂の投球を見て、野手達は何を感じたのか。
あれを見て奮い立たないと言うのは、闘う気持ちを無くしてしまったようなものだ。
スコアレスドローの試合と言うのは勝負がついて終わった訳ではない。
日を跨いでまた明日につながって行くのだ。
トレバー・バウアーの魂を受け継ぎ、チーム一丸となって、明日はタイガースの村上投手をなんとしても攻略しなくてはいけない。
そうでなくては、プロ野球選手としての矜持が許さないはずだ。
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