ハマちゃん復活で先発4本目の柱が決まった
7月以降のベイスターズ低迷の要因は3つ。
(要因1) 打線がつながらず得点力不足に陥っていたこと
(要因2) 今永昇太、トレバー・バウアー、東克樹以外の先発試合で勝てない(4本目の柱の不在)
(要因3) 勝ちパターンのリリーバーの失点
昨日の記事にも書いた通り、打線に関しては、佐野恵太が悔し涙を浮かべたあの夜以降、V字回復の兆しを見せている。
このところチームの平均得点が2点台前半だったことを考えると、この3連戦で合計20得点と言うのは打線がかなり活性化してきたことの証拠だ。
そして今日、二つ目の要因である先発ローテーションの4本目の柱の不在の問題に目処がついた。
大方の予想では、その大事な役割は大貫晋一あるいは石田健大が果たすのではないかということだったが、彼らは何度か先発のチャンスを与えられてもモノにすることができなかった。
チャンスを掴んでしっかりと結果を出したのは、ここまで0勝5敗と結果が出せず、個人で五つの借金を抱えてしまっていたハマちゃんだった。
今日のハマちゃんは真上から投げ下ろす角度のあるストレートが走っていて最速147 km/hを記録するなど好調に見えた。こうなると伝家の宝刀チェンジアップも効果的に使える。
一回表、苦手の立ち上がりで大島洋平にフォアボールを与えるも続く3番細川成也を低めのストレートで見逃し三振、4番石川昴也を詰まらせてセカンドゴロに打ちとってことなきを得た。
そして2回表、ビシエド、高橋周平の連続安打で無死一、二塁のピンチを迎えたが、続く石橋選手のバントを自ら処理して三塁フォースアウトとし、後続も絶って無失点で切り抜けた。
これでノっていくことができたと思う。
打線もその裏、先頭の牧秀悟が左中間フェンス直撃のツーベースで出塁すると、ソトもヒットで続き、一、三塁から京田陽太のセカンド強襲のタイムリー内野安打で先制。
二遊間を抜けるかという良い当たりに高橋周平が飛びついたが捕球できずヒットとなった。
後にヒーローインタビューで京田が、「周平さんにとられるかと思いましたがうまく弾いてくれました。周平さんありがとー。」と古巣の先輩を煽っていたのがこの場面。
京田のベイスターズ移籍が決まってから出場した昨年のファン感謝祭では、エキシビジョンの試合でヒットを放ちファースト塁上でデスターシャを決める京田にMCを務めていた高橋周平が「戦う顔してるかー」と言って煽っていたが、2人の仲の良さが滲み出たお立ち台だった。
その後、山本祐大が送りバントを決めて一死二、三塁となったところで8番スタメンの林琢真がドラゴンズ先発仲地礼亜投手の3球目、逆球となりインコースに入った150キロ超のストレートをコンパクトにしかし強く振り抜いてライト前に運ぶ2点タイムリーヒット。
人生初のお立ち台に呼ばれた林は緊張もあって、次のハマグチさんにつなごうと思って打席に入りましたと言って笑いをとっていた。
そのハマちゃんはバッティングでもツーベースを含む二安打に犠打一つと大いに貢献していたので間違いではないのだが。
これで3-0と幸先よく先制し、しかもそれが複数得点だったことで試合の主導権を握ることができた。
京田と林の2人は守備でも再三にわたって好プレーを連発し、試合後に三浦監督が今日の内野陣は完璧だったと言い、田中浩康コーチも含めて称賛した鉄壁の守りの中核を担った。
この2人が守備で注目されるのは勿論のことだが、ギリギリのプレーで難しいバウンドになる精一杯の送球を全て難なく捕球したネフタリ・ソトの安定感も見逃せない。
私はホセ・ロペスのことを思い出した。闘将という雰囲気のあったロペスと違いソトは優しい人柄がにじみ出ているような選手だが、攻守にわたって大好きなプレイヤーでもある。
契約最終年の今季、これからバッティングで結果を出して、多少の減俸はあったとしても次年度の契約を勝ちとって欲しい。
5回には、ハマちゃんが先頭の石橋選手に0-2と追い込んでからヒットを許し、二死二塁となって岡林選手にも0-2と簡単に追い込んでからチェンジアップが高めに浮いてタイムリーを打たれた。
この二本のヒットは非常に勿体無い。特に巧打者で好調の岡林はあのチェンジアップは何度投げても絶対に仕留めるはずだ。配球も含め今後の反省材料だろう。
3-1に迫られて少し重い雰囲気になりかけたが、その裏、ワンアウト後ハマちゃんが自ら右中間を破るツーベースで出塁すると、佐野恵太はライトフライに倒れたが、大田泰示フォアボール、関根大気ヒットでニ死満塁のチャンスとなる。
ここで打席に入った牧秀悟はしっかりと4番の仕事をして、仲地投手の外角ストレートを右に追っつけて鋭い打球をライト前に運んだ。
2点タイムリーヒットとなり、5-1と再びリードを広げることに成功した。
その後はハマちゃんがドラゴンズの追撃をしっかりと抑え、8回裏のチャンスには二死二塁で代打大和の場面でネクストバッターズサークルにはハマちゃんの代打として宮﨑敏郎が姿を見せたが、大和が凡退したため、ハマちゃんは9回も続投となった。
もっとも、この宮﨑の代打は一塁が空いている状況で大和と勝負させるための「見せ宮﨑」だった可能性が高いと思う。点差を考えれば、恐らくハマちゃんの続投は既定路線だったのだろう。
ハマちゃんが9回のマウンドに上がる時、スタンドからは大きなハマグチコールが沸き起こった。
ヒーローインタビューで本人も言っていたが、三度にわたる二軍落ちを経験し、やっと掴んだ今季初勝利のチャンスでのこのコールは彼を勇気づける最高の応援になった。
先頭の石川昴也はセンター前ヒットで出塁させてしまったが、その後、ビシエドと高橋周平を連続三振に打ちとり、宇佐見選手には三遊間に鋭い当たりをされたが、この回サードに入った柴田竜拓が飛びつき、一回転してファーストに送球。ゲームセット。
ハマちゃんの力投を内野陣の固い守りが支え、打線も効率的に得点を挙げたナイスゲーム。
ハマちゃんは9回、被安打7、奪三振5、与四球1、失点1の完投勝利。
打線にソトと大田泰示が戻ってきたことに加え、ハマちゃんが先発ローテーション4本目の柱になってくれることで、いよいよ8月反攻の体制が整った。
優勝などと言わず、引き続き目の前の試合に全力を尽くすことで、7月にやり込まれた借りを返し、やり返して欲しい。
横浜反撃!
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