mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

三浦監督はチーム全体を三浦大輔にしようとしているのかも知れない




エース今永昇太がとても本人のものとは思えないようなキレも球速も出ていないストレートを痛打されて初回から失点し、打線は九里亜蓮に完封負けした対カープ第1戦。


日曜日にはタイガースの伊藤将司に完封されていたので、二試合続けて完投完封されたことになるが、あまり記憶にない出来事だ。


先週末の阪神戦以降、ベイスターズ打線は4試合でわずかに4点しか挙げていないことになり、再び氷河期が来たかのようだ。


エースが炎上して打線は沈黙というどうにも勢いの出ない状況で迎えた第2戦。


結果から言うと、2-5で完敗。現在のチームの力の差をまざまざと見せつけられた試合だった。


しかし、先発のハマちゃんは悪くなかった、と思う。


初回自らのエラーで野間選手を出塁させると、続く小園選手と西川選手の長短打で早くも先制を許した。しかし、尚も一死一、三塁のピンチは松山選手を4-6-3のダブルプレーに打ちとって最小失点で踏みとどまった。


3回にもフォアボールの走者を二塁に置いて、二死から小園選手にタイムリーを打たれ0-2とリードを拡げられた。


しかし、その裏、ベイスターズは二死からフォアボールの京田陽太を一塁に置いて、佐野恵太がカープの先発大瀬良大地の内角のカットボールをうまく捌いてライトスタンドに運んだ。



キャプテンの同点ツーランで2-2に追いつく。


その後、ハマちゃんは徐々に調子を上げ、4回と5回は無失点で切り抜けた。


今日のハマちゃんは、ストレートの球威と制球、そして生命線のチェンジアップの抜けも良かったと思う。



しかし、6回に再び捕まった。


西川選手と坂倉選手のヒットで一死一、二塁となったところで、デビッドソンにはおあつらえ向きのサードゴロを打たせたが、併殺を焦った林琢真がこのゴロを弾いてしまうエラー。


一死満塁のピンチとなってしまう。


続く堂林選手は三振に打ちとったものの、好投の大瀬良に敢えて送った代打田中広輔に対してハマちゃんはフルカウントから痛恨の押し出しとなるフォアボールを与えてしまい、ここで降板。



5回2/3、被安打7、奪三振5、与四球2、失点3(自責1)と言う結果だったが、6回はエラーが無ければ併殺で無失点だったはずなので、これで負け投手というのは少し可哀想な気もする。


その後のピンチは伊勢大夢が菊池涼介を外角のストレートでねじ伏せて追加点は許さなかったが、エラーと押し出しで勝ち越し点を与えると言う宜しくない展開となった。


さらに、続く7回には、今日、海外FA権を得た山﨑康晃が先頭の野間選手にデッドボールを与えてから崩れ、小園、西川、松山の3連打で2点を失った。


松山選手に打たれた最後のボールは高めに浮いた全く落ちないツーシームで、松山はホームランにできなかったことを悔しがったのではないかと言うほど激甘だった。


これでスコアは2-5となり、試合は決まった。


ベイスターズの7回以降の攻撃は全て三者凡退に抑えられゲームセット。



試合の方は、まあ、今まで何度も見てきた負け試合のパターンの一つだったので、こんなこともあるさ、という感じだったが、試合後の三浦監督のインタビューを見て少し驚いた。


なんだか追い詰められたような顔をしており、インタビュアーに質問されても中々言葉が出てこない。


今季6度目の4連敗ということで悔しいし気落ちしているのは勿論だと思うが、何やらそれ以上の苦悩を感じてしまった。


もう一つ気になったのは、カープに対して防御率12点台(昨日まで)だった山﨑康晃を1点ビハインドの7回、2番から始まる打順で登板させた理由を尋ねられた際に、「ずっと投げさせない訳には行かないですから」と答えたことだ。


現時点(今日の試合後)での山﨑康晃のチーム別防御率は以下の通り。


巨人 1.50

ヤクルト 4.60

中日 0.00

阪神 1.59

広島 15.00


見てすぐにわかるように、巨人、中日、阪神には問題なく通用している。ヤクルトにはやや打たれているが、カープは例外でその3倍以上、防御率15.00というのは異常な数字だと思う。


山﨑康晃はクローザーから外れているので、カープ以外のチームを受け持つセットアッパーでも何ら問題ないではないか?


私が思うに、「ずっと投げさせない訳には行かないですから」と言う理由は、それが三浦大輔の哲学に反するからなのではないだろうか。


三浦さんの敬愛する矢沢永吉さんの言葉に次のようなものがある。


“最初、サンザンな目にあう。


二度目、オトシマエをつける。


三度目、余裕。


こういうふうにビッグになっていくしかない。


それには、サンザンな目にあった時、落ちこんじゃだめだ。”


そして、こんなのもある。


“でもさ、人間は、ある程度キツイ目にあわなきゃいかんのよ。


萎縮しちゃうやつもいるけど、バイタリティになる。


なにくそ、冗談じゃない。


そう思えるだけ、オレは幸せだったかもしれないね。”


三浦さんの引退試合の時に、矢沢さんのビデオメッセージがバックスクリーンに流されたが、彼は矢沢さんと同じ上記のような信条(日ハムの監督じゃないよ)を持ってプロ野球界でスター選手にまで登り詰めたのだろう。



恐らく、三浦さんは山﨑康晃にも、サンザンな目にあった時落ち込まず、なにくそ、冗談じゃない、と跳ね返して再びクローザーに返り咲いて欲しいと思っているのだと思う。


しかし、これは選手が自分自身のキャリアアップを考える際の発想のように思えてならない。


監督としては、今日登板して無失点で抑えた上茶谷大河や石川達也を起用して、山﨑康晃は明後日からの中日戦で使う(だって防御率0.00なんですぜ)と言う無理のない運用で何も問題ないのではないだろうか。


今季後半、三浦さんの負けず嫌いのような采配が何度か失敗して痛い目を見るたびに感じていたことなのだが、三浦さんはベイスターズの選手全員が三浦大輔と同じ「やられたらやり返す」と言うメンタルでビッグになって行くことを求めているのではないだろうか?


プロ野球という世界の中で生き残って行くためには、それは必要な姿勢なのだろうとは思う。


しかし、監督としては、各選手が負けん気でやり返すことなしでも勝つことのできるやりくりが必要なのではないか。


今日の三浦さんの憔悴した表情は、ベイスターズの選手たち皆を三浦大輔化することの難しさ、彼自身が監督としての方向性を変えなければならないと認めざるを得なくなったことを意味しているように感じたのは私の気のせいだろうか?


監督3年目とは言え、プロ野球の監督のすべきことは多岐にわたるため、彼自身まだ成長過程なのだと思う。


三浦さんがこれからどのようにチームを導いて行くのか、見守っていきたい。