mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

ベイスターズに牧秀悟がいるという悦び





昨夜の大逆転劇はたしかにベイスターズに勢いをもたらしたはずだ。


今日の試合はそのことを明確にしつつ8月の月間勝ち越しを決める重要な試合だ。


タイガースから見れば、カープとまだ6ゲーム差をつけているものの昨夜は少し気持ちの悪い敗戦だったし、何よりカープがその気になってしまうことが心配なはずだ。


彼らとしては、早々に切り替えるためにも今日の試合は勝っておきたいところ。


両チームの先発投手はいずれもエース格のトレバー・バウアーと大竹耕太郎。



今日のバウアーは暑さのせいか投球フォームがやや不安定だったように見えた。


初回は3人で切り抜けたものの、2回の先頭打者、4番大山悠輔を3-1から歩かせた。



次打者の佐藤輝明のところで三振ゲッツーとなり二死走者無しとなったが、6番ノイジーに2-0からの三球目、ベルトの辺りの高さに甘く入ったストレートをドンピシャのタイミングで捉えられ、レフトスタンドへの先制ソロホームラン。


大竹投手がベイスターズ打線をパーフェクトに抑える好投を続けていたため、1点とは言え先に失点することは避けたいところだった。


さらに、3回裏の阪神の攻撃では、木浪選手を打ちとった後、9番ピッチャーの大竹耕太郎を3-1から歩かせてしまう。


続く近本への3球目は完全に打ちとった打球だったが、投手と三塁手の間の嫌なところに転がり内野安打。


しかも、無理な体勢で捕球した際に下半身がグラウンドに叩きつけられたバウアーは股関節に異常を感じ、この回の後続は絶ったもののそこで降板という緊急事態となった。


明日、横浜に戻ってから病院に行くということだが、軽症であることを祈る。怪我の後も最速157km/hのストレートを投げていたので大ごとでは無いと思いたいがどうだろうか?




暗雲の立ち込める中始まった4回表のベイスターズの攻撃だったが、先頭の桑原将志がサードを強襲してレフト前に抜けていくヒットで出塁し、続く蝦名達夫がバスターエンドランを決めて無死一、三塁のチャンスを作った。


このバスターエンドランはタイガースバッテリーにはバレていたようで、坂本捕手が守備陣に指示を出すなど警戒モードだったが、ベイスターズベンチはそれを承知の上で敢えて強行するという裏の裏をかく作戦に出た。


これがものの見事にはまったことになる。


そして、次打者の佐野恵太は注文通りのセカンドゴロゲッツーに倒れたが、その間に桑原がサードから生還して1-1の同点に追いついた。


早めに追いついたことで、試合の主導権をタイガースに渡さずにすんだことが大きい意味を持つ。


そして、バウアーに代わって緊急登板した上茶谷大河が4回、5回をいずれも3人で打ちとり(4回はフォアボールの走者を出したが併殺で切り抜けた)ベイスターズの攻撃に勢いをつけた。


このゲームの最大の山場は6回表のベイスターズの攻撃だった。


いずれもあまり当たりの良くないセンター前のヒットで出塁した桑原と佐野を二死ながら一、三塁においてバッターは4番牧秀悟。


初球は内角のストレートだったがこれを見送って1-0。そして、坂本捕手は2球目もストライクゾーンギリギリ、なんだったらボールでも良いというところにストレートを要求したが、これが真ん中低めに行ってしまった。


コースは甘いが低めギリギリのところだったので簡単なボールではないが、好調の牧秀悟はこれを逆らわずにコンパクトに強振した。低めのストレートを狙っていたのかも知れない。


打球はライナーとなってグングン伸びる。まさかと思ったが、浜風を切り裂いて右中間スタンド前列に飛び込む逆転スリーランホームランとなった。


まさに4番の仕事。WBC出場などを経て、牧秀悟は一回り大きく、そして頼り甲斐のある打者に成長した。


タイガースの岡田監督が「牧一人にやられとるよなあ。本当に」と愚痴を言うのを聞くとベイスターズファンとしてはなんだか誇らしい気持ちになってくる。


そう言えば、彼が新人の年、最下位に沈むチームの中にあって牧の連日の活躍だけが希望だった。


そう、そんなこともあったっけ。


牧のライナーが飛び込んだ右中間スタンドをいつまでも見ている大竹耕太郎。「ピッチャーは一球で地獄を見る。バッターは一振りで天国に上がれる」と言ったのは江夏豊さんだったか。


その裏、上茶谷は二死一、二塁のピンチを作って降板し、佐藤輝明のところで登板した左の石川達也が1-1から外角低め一杯のストレートを三遊間に流し打つ技ありのタイムリーで1点を返された。


7回裏は、山﨑康晃が登板。


サード柴田のエラーで出塁した糸原を1塁に置いて、近本の打球はあわや一、二塁間を抜けるかという鋭いゴロだったが、ソトが反応良く飛びついて捕球し、そのままヘッドスライディング風に一塁ベースに頭から滑り込んでタッチして無失点で切り抜けた。


ベイスターズの7回表の攻撃では伊藤光と柴田の連打、さらには柴田選手の四球で一死満塁のチャンスを作ったが、後続が絶たれて無得点。


さらに8回表、一死から牧秀悟が右中間を破るツーベースヒットで出塁したが後続が打ちとられて無得点。


やや嫌な流れになりかけたが、8回裏はウェンデルケンが昨日のリベンジを果たし、9回には微笑みのクローザー森原康平が登板して三者凡退に抑えてゲームセット。



緊急登板で見事な投球を見せ流れをベイスターズに持ってきた上茶谷が勝ち投手となり、森原に11個目のセーブがついた。


これで首位阪神に連勝し、セリーグのペナントレースの火が消えるのをギリギリ抑えることができた。


明日は何故か試合がなく、ベイスターズは横浜に戻って4位ジャイアンツを迎え撃つ。


昨日、今日とファームの試合に出場している宮﨑敏郎は恐らくこのジャイアンツ戦から一軍に復帰することになるだろう。


ここでジャイアンツを3タテするようなことがあれば、9月の追い上げがさらに楽しみになってくる。