mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

そして神様は大田泰示に微笑んだ





デーゲームでカープとジャイアンツが勝っており、今日負けると2位浮上は限りなく難しく、逆に4位転落が現実味を帯びてくると言う難しい状況でスタートしたこの試合。


序盤はハマちゃんの頑張りで試合が進んで行った。



【今日のハマちゃんは良い方のハマちゃんだった】


今日のハマちゃんのストレートはスピードガンの表示以上に威力があり、得意のチェンジアップの抜けも良くタイガース打線は苦労していた。


そして、良い時の彼は大抵そうだが、荒れ球が良いアクセントになりタイガースの各打者は狙いを絞ることができなかった。


唯一のピンチは2回裏、先頭の4番大山選手を四球で歩かせてから投球のバランスを崩してしまった。


ノイジーにヒットを打たれ、坂本選手も歩かせて一死満塁。


しかし、続く木浪選手が左方向にチョコンと合わせた低いライナーをスタメンでサードに入った林琢真が地面スレスレでキャッチし、直ちにサードベースを踏んでゲッツー。



一瞬でスリーアウトチェンジとなった。


このプレイがハマちゃんを勇気づけ、それ以降はピンチらしいピンチの無いまま6回を投げ切った。


CS出場を目指す大事な試合で、


6回、101球、被安打3、奪三振7、与四球4、失点0


という素晴らしい内容の投球を見せてくれた。



フォアボールが多く三振も多かったために球数が嵩んで、6回終了時点での降板を首脳陣が決断した。この球数だと、変則的な日程となる今週から来週にかけての対戦である程度柔軟な運用ができるはずだ。


この時期にハマちゃんが復調してきたのは心強い。


上述した林琢真のサードライナーゲッツーもそうだが、今日は内外野ともに引き締まった守備でハマちゃんたち投手陣を盛り立てた。


ハマちゃんが好投した時には副産物があると私は思っている。


相手のバッターに後遺症が残るのだ。間合いがちょっとおかしくなる。


これが明日先発の大貫晋一にもプラスに働くことを願おう。



【ヒットは出るが決められない打線】


佐野恵太と林琢真が猛打賞、関根大気もマルチヒットを記録するなど、チーム全体で11安打と塁上を賑わせたが、10残塁。塁上を賑わせるだけで終わった。


打点リーグトップの牧秀悟が得点圏でことごとく凡退したことが大きい。しかし、得点圏打率が3割台後半の彼でも半数以上は失敗する訳なので、こういう日もあると割り切るべきだ。


7回表二死一、二塁のチャンスに代打宮﨑敏郎が技ありのバッティングでライト前ヒットを放った時には、ライトの森下選手が抜群のストライク返球でホームに滑り込んだ二走の大和選手を間一髪アウトにした。


これは森下を褒めるべき。このところ、同じようなシチュエーションでベイスターズの外野陣の送球が大きく逸れることが多かったことを思い出すと、優勝したチームの地力を感じさせられる。


猛打賞の林琢真はプロ入り初とのことで、レフト方向とライト方向に広角に打ち分ける技術も見せた。



守備でも再三のナイスプレイがあり、ブルワー投手の癖を掴んで完璧なスタートを切った盗塁も一つ決めるなど走攻守にわたる活躍だった。


今日のようなパフォーマンスが維持できれば、タイガースの中野選手のように一、二番に定着して重量級クリーンアップの得点力を大きく増加させる働きが可能になる。


そう思わせてくれる内容だった。



【そして神様は大田泰示に微笑んだ】


ヒットは出るものの決め手を欠き、スコアレスのまま最終回に進んだこの試合で、膠着状態を切り開いたのはウェンデルケンの代打大田泰示だった。


9回表の先頭打者として打席に入った彼は、タイガースの4番手ブルワー投手の初球を思い切り叩いた。



150km/hのストレート系のボールだったが、綺麗な回転のフォーシームではなく、いわゆる「動く」ボールだったと思う。


報道によって速球、高速カットボールなど様々に表現されているようだが、スローVTRで見るとツーシーム系の回転のようにも見える。


伊勢大夢の(右打者の)インハイに投げるストレートが時折そうなるようなシュートライズする軌道のボールだった。


試合後に阪神の岡田監督は「日本の野球舐めたらあかんよ」と仰っていたが、コースはやや甘いものの、決してそんなに簡単なボールではなかったと思う。


このところ、猛打賞を記録するなど好調の大田泰示が初球のストレートにヤマを張って、狙いすまして打った。しかもそれが広い甲子園のレフトスタンドにまで届いた。


大田泰示はこう言う幸運を持っているように思う。


勿論、彼がバッターとして優れた技術と打球を飛ばす能力を持っていることが前提なのだが、それに加えて人間の力を超えた何かが彼に味方する瞬間がある。


下半身の度重なる故障など決して順風満帆とは言えないプロ野球人生を歩んできた彼に神様が時折埋め合わせをしてくれるのだろうか。


9回裏には、微笑みのクローザー森原康平がタイガースのクリーンアップを三者凡退で退け、1-0のまま勝利。


森原は先頭の森下をフォークボールで三振に打ちとり、その後、大山、佐藤輝明にはストレートを強振されたがいずれも大きな外野フライでことなきを得た。


最後の佐藤輝明の当たりはスタンドインかと思ってヒヤッとしたが、フェンス手前で失速しライトに入った蝦名達夫がワーニングゾーンで捕球した。


甲子園の浜風が我々に味方してくれたとプラスに捉えよう。


これで甲子園の阪神戦はオールスターを挟んで4連勝。


CSを考えるとタイガースの首脳にとって少し気持ちの悪い流れだと思う。


甲子園での阪神-横浜最終戦となる明日の試合はその意味でも岡田さんは全力で向かってくるはずだ。


タイガースの先発はビーズリー投手。


容易な相手ではないが、本来のローテーション通りなら伊藤将司の順番なので、彼に比べれば打てる可能性はある。


鍵を握るのは我が社の先発、大貫晋一の出来だろう。


今季の阪神戦は防御率15.00ととんでもないことになっているが、これは8月5日の試合で3回5失点だった登板のことであり、統計的に有意とは言えない(と思うことにしよう)。


変化球を低めの両コーナーに集め、時折高めの速球で空振りを奪う彼らしい投球が出来ればハマちゃんに続けるはずだ。



頑張れ大貫、負けんなよ!