mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

やればできる!短期決戦モードの采配でCS決定







一昨日のヤクルト戦を大敗した後、ベイスターズがその後4連敗する前提で、どうやったらジャイアンツが一回負けてくれるかを考え続けるという不毛な時間を過ごしてしまった。


人間って放っておくとどんどん悲観的になって行ってしまうのですね。


そうか、こう言う精神状態を杞憂と呼ぶのか。


“春秋時代の中国でのこと。


杞という国に、天地が崩れ落ちるんじゃないかと憂えて、夜も眠れず、食事ものどを通らない人がいました。”



私がこの様な精神状態に陥った理由の一つは、今日の阪神戦の先発がこのところ(もう数ヶ月だ)不調の石田健大だと言うことで、もう一つの理由は阪神の先発が天敵ーずの1人である青柳晃洋投手だと言うこと。


もっと言うと、その後の相手チームの先発予想が、サイスニード、髙橋宏斗、山崎伊織と言う天敵ーずのオールスターだと言うことも私を悲観的な世界に追い込んだ。




さて、試合が始まって見ると、石田健大は面倒な近本、中野の一、二番を含め三者凡退、わずか11球で片づけるナイスなピッチングを見せてくれた。


3番森下選手の空振り三振を見ていると、おっ今日の石田は良いんじゃあないか、ともう少しで思ってしまうほどだった(この三振はむしろ先様の問題であることがのちに知れた)。


その裏、ベイスターズは佐野恵太、牧秀悟の連続四球の後、宮﨑敏郎がやや中に入った低めのツーシームを上手く右方向に打ち返して先制した。



リードをもらうと吐き出すのが石田健大あるあるだが、今日もその法則は守られた。


2回表、先頭の大山選手がまん真ん中に入ってくる激甘のスライダーをドンピシャのタイミングで振り抜いてレフトスタンド上段まで運ぶ同点ソロホームラン。


さらに、続く佐藤輝明もレフトへのツーベースヒット。


ノイジーのセカンドゴロの間にサードに進んで木浪聖也の犠牲フライで1-2と勝ち越しを許す。


大変に既視感の強い失点シーンだった。


その後、3回表は三者凡退で抑えたが、4回表、再び先頭の佐藤輝明にツーベースを打たれ、ノイジーの外野フライでサードに進め、今度は坂本誠志郎の犠牲フライで1点追加。


この時点で私は、ほらね、フンッ、とか言ってヤサグレ始めたのだった。



しかし、今日の青柳晃洋は驚くほど不安定だった。


4回裏に2つのフォアボールと牽制悪送球で一死一、三塁となり、ここで関根大気が低めのツーシームをうまく拾ってセンター前に運ぶタイムリー。これで2-3と1点差に詰め寄る。


この際、ファーストランナーの林琢真がサードまで進んでいたことが素晴らしかった。


阪神の選手かと思うほどだった。


そして、佐野恵太のライトフライ林がタッチアップして3-3同点に追いつく。


いつも思うが、ライトの森下選手のホームへの送球は肩も強いしコントロールも良い。


当社の外野陣にも見習って欲しいほどだ。


と言うわけでギリギリのタイミングだったが、林の脚とヘッドスライディングがわずかに優った。


この回、同点で終わらなかったことが勝因の一つだろう。


続く牧秀悟詰まりながらもレフト前に落とし、さらに宮﨑敏郎が今度は内角に食い込んでくるツーシームをうまく追っつけてライト右を破るタイムリーツーベース。



これで4-3と逆転に成功した。


青柳投手は4回までで投球数110、被安打5、与四死球7、失点4という彼らしくない結果を残してこの回で降板。


これでベイスターズのペースになるかと思うと、そうは行かないのも石田あるあるだ。


5回表のタイガースの攻撃で、青柳投手の代打ミエセス、近本、中野の3連打であっという間に無死満塁のピンチになる。


ミエセスが俊足の一、二番コンビに蓋をしてくれたので失点は免れたが、一打逆転の大ピンチであることに変わりはない。


ただ、ベイスターズに運があったのは、ここで打席に入ったのが絶不調の3番森下選手だったこと。


ベイスターズベンチもここまでの彼の打席を見て、ここは石田が抑えられると言う判断で続投させたのだろう。


外角低めのワンバウンドする様な変化球を空振りしてくれたおかげで走者を還すことなく一死はとれた。


ベンチに戻った森下選手は悔し涙を流していたようだが、その悔しさが成長のバネになる。


いつかこちらが痛い目に遭う日も巡ってくる訳で、プロ野球はこうした応酬の繰り返しで廻っていくのだ。


石田はここで降板し、三浦さんは2番手に宮城滝汰を送りこんで4番大山選手と対決させた。


この大事な試合の痺れる局面で1軍経験の少ない宮城投手で本当に良いのかと思ったが、阪神ベンチで大山選手初め各打者がスコアラーの持つ宮城投手の資料を慌てて確認していたところを見ると、ベイスターズベンチは初モノのアドバンテージも含めてこの選択をしたのかも知れない。


結果はフルカウントからの6球目、真ん中低め一杯のストレートを大山が見逃して三振。


二死満塁まで漕ぎつけたところで、左の好調佐藤輝明に対して左腕の石川達也を3番手で送ると言う小刻みな継投を見せた。


三浦さん、いやそれ以上に斉藤、木塚の両投手コーチがブルペンのブラック企業化を避けるために封印してきたマシンガン継投をここで解禁したのだ。


今季初めての短期決戦モードでの采配かも知れない。


石川はその期待に応え、佐藤輝明をフルカウントから高めのストレートで空振り三振に仕留めて無失点で切り抜けた。


無死満塁の絶対絶命のピンチを無失点で切り抜けた宮城、石川若手リリーバーの思い切りの良い好投が今日の二つ目の勝因だろう。


この二人が初めてのヒーローインタビューに呼ばれたのも文句なし。



その後、6回先頭から7回一死まで伊勢大夢が抑え、そこから8回二死までエスコバーが抑えてくれた。


8回二死一塁の場面で今度は上茶谷大河へとリレー。


上茶谷は坂本誠志郎にショート内野安打を許し、さらにワイルドピッチで二死一、三塁までピンチが拡大したが、最後は木浪選手をセカンドゴロに打ちとり、ここも無失点で切り抜けた。


ピンチの後にチャンスあり。


その裏のベイスターズの攻撃は上茶谷からだったため、ここは藤田一也をピンチヒッターで起用すると四球を選んで出塁。



続く林琢真の打席でワイルドピッチと進塁打により一死三塁のチャンスが生まれ、関根大気のややつまったセカンドゴロの間に1点を追加して5-3とリードを拡げた。


最終回には、クローザーの森原康平が不在の中、ウェンデルケン投手が登板し、近本のヒットとサードのエラーで一死一、二塁となったが、最後は代打糸原選手を1-6-3のダブルプレーに打ちとってゲームセット。


これでベイスターズの3位以上が確定し、CS出場権を手にすることができた。


試合前には自力でのCS決定はほぼ不可能なように感じていたが、案ずるより産むが易し、と言う通り勝って決めることができた。


今日はカープが中日に1-4で敗れたため、2位との差は再び1ゲームとなった。


残り試合数はカープが2、ベイスターズが3であること、そして天敵ーずが三連続で登板する予想であることを考えるとベイスターズの2位フィニッシュの確率はかなり低いだろう。


おーっと、また杞憂モードに入ってしまうところだった。


我に帰って、上に書いた杞憂の昔話の続きを書き出しておこう。


“そこへ、彼のことを心配した友人がやって来て、「天は空気だから落ちて来ないよ」と言います。


すると、「だったら、太陽や月や星はどうして落ちないんだい?」。


「あれも、空気が輝いているだけなんだ」。


「じゃあ、大地の方は?」。


「分厚い土の層だから崩れはしないよ」。


というわけで、不安で眠れなかった人もすっかり納得して、二人して大喜びしたということです。”


だから、不安で眠れなかった私もCSが決まった今夜は納得してぐっすり眠ることにしよう、ベイスターズがCSファースステージを勝ち上がって皆で大喜びしている幸せな夢を見ながら。