mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

今永、バウアーのいないDeNA投手陣はダメではない





阪神対オリックスの日本シリーズを観ていると、この頂上決戦でプレイできる選手たちは幸せだと思うし、応援するファンも羨ましいと感じる。


しかし、これも彼らが努力して実力で掴んだものなので、我々のすべきことは来シーズンに向けて戦力の拡充を図ることだ、という事になる。


巷では、今永昇太、トレバー・バウアー、石田健大が退団する可能性のある来年のベイスターズ投手陣は危機的な状況で、優勝できるとすれば今年だったと囁かれている。


今永昇太のMLB挑戦は本人の夢である以上実現して欲しいし、ポスティングによる球団の資金獲得という意味では今オフが好機なのだろう。


トレバー・バウアーについては、投手としての実力、チームを鼓舞する精神的シチューとしての貢献のいずれを考えても是非残留して欲しい。


12億円とも言われる今永の移籍金を活用してバウアー残留資金にする、と言う虫の良い話もあるがどうなるだろうか?


これについては動向を見守る以外にできることはない。


石田健大は不思議な投手だ。


ベイスターズの投手として先発するとだいたい5回3失点で負けが先行する様なイメージだが、他球団に移籍して対戦すると抑え込まれてしまう予感がする。


有名な何でも貫く矛と絶対破られない盾の逸話の逆バージョンの様な話だ。


この3人の去就は全く不透明なので考えないこととして、その他の投手たちで来シーズンを戦うことを考えてみよう。


メディアや識者たちの言うように、今永昇太やトレバー・バウアーのいないベイスターズはダメなのだろうか?


まずは、ドラフトで新たに獲得した投手と獲得調査の報道が出ている投手も含めた勢力図をご覧ください。


この情報を横目で見ながら以下の記事をお読み戴ければ幸いです。




【柱として期待できる投手たち】


来シーズンの先発ローテーションを背負って立つ柱となるのは、今季最多勝と最優秀勝率のタイトルを獲得した東克樹だ。


来シーズンは各チームとも研究してくることと思うが、制球もよく安定した投手なので、故障がない限りは期待して良いだろう。



続いて、二桁勝利を二度達成した実績のある大貫晋一が右のエース候補であることも間違いない。


今季は春先の右肩の肉離れで出遅れた影響が尾を引いてしまった感があるが、隔年で活躍する傾向があるので来シーズンはしっかりとやり返してくれる筈だ。


トミー・ジョン手術から復帰の年となった平良拳太郎の今年は良い時と悪い時の差が大きい印象だったが、これは過渡的なものと見るべきだろう。


トミー・ジョン手術から完全に復活できるのは術後3年と言われており、東克樹の今季の活躍もその公式を裏付ける結果となった。


そうして見ると、平良拳太郎の完全復活は来シーズンと言うことになる。


平良投手は来シーズン開幕時で未だ28歳であり、これから投手としての黄金期を迎えることになるだろう。


4人目はやはりハマちゃんだ。


今季は完全に期待外れのシーズンとなってしまったが、2022年シーズンに見せたピッチングを取り戻すことができればローテーションの一角を任せることができるのは間違いない。


股関節に問題を抱えており、そこに負担のかからないフォームを模索してきたが、今オフにはプエルトリコのウィンターリーグに参加しており、目処は立ったものと思われる。



プエルトリコでの目標は制球難を克服するためのフォームの習得。


恐らく、“これだ”と言うフォームは今シーズン終盤で既に掴んでおり、プエルトリコでは実戦でそれをブラッシュアップすることを目指すのだろう。


リリーフ陣については、今季も活躍したJ.B.ウェンデルケン(MLB復帰の可能性が囁かれているが2年目については球団がオプションを持っており、まず問題ないだろう)と森原康平が勝ちパターンを担うことになる。


ここに、今シーズンは不調だった山﨑康晃、伊勢大夢、入江大成と言ったところが加わる可能性が高い(入江については、後述するように先発に再転向の可能性があるように思う)。


ベイスターズで7年目のシーズンとなった今年のエドウィン・エスコバーは前半戦大いに苦しんだが、8月、9月の奪三振率が11程度になるなど後半には安定してきた。


スライダーとチェンジアップでストライクが取れるようになり、150キロ台後半のストレートを活かす投球スタイルにモデルチェンジできたと見ている。


今季いっぱいでリリースと言う話も出ているようだが、私は是非契約を延長すべきだと考えている。


【現有勢力の底上げとドラフト】


現有勢力の底上げを語る上でまず注目すべきは投手コーチの刷新だ。


動作解析やデータ分析に長けており、その成果を現場にフィードバックするスキルもある小杉、大原両コーチが一軍でベンチ入りすることはデータ重視の取り組みの一環であり、球界の注目を集めている。


こうした取り組みはDeNAが球団経営に乗り出してから継続してきたことであり、もちろん単なる思いつきではなく、しっかり勝算があってのことに違いない。


今シーズン終盤にリリーフとして一軍に定着した石川達也と宮城滝汰はデータの活用でさらに球質を高め安定した投球を見せてくれることだろう。


馬力は文句のない中川虎大もデータを生かして再現性の高い安定したフォームを身につければ勝ちパターンの一角を担うことのできる人材だ。


さらに、ファームのチーフ投手コーチとして入来祐作さんが復帰することとなった。


引退後にベイスターズで用具係を務め、春季キャンプで鰻を捕獲していたことと缶コーヒーBossのCMに用具係として出演して意外な演技力で存在感を出していたことが記憶に残っているが、その後コーチとしてのキャリアを積み重ねてきた。


ソフトバンクで5年、オリックスで3年いずれもファームでの投手育成をメインに担当しており、特にオリックスの若手投手たちから素晴らしい有望株がニョキニョキ出ていることを考えると、そのメソッドを活用してベイスターズでもきっとニョキニョキさせてくれることと思う。


入来さんは秋季練習の初日からチームに合流しており、ファームにも一軍で投げられる投手が何人もいる、とコメントしている。



実際、フェニックスリーグでプロ入り初完投(失点1、自責0)を果たした2021年ドラフト1位の小園健太を始めとして、彼と同期で現状の成績では一歩先行している深沢鳳介、さらに新人ながらイースタンリーグで頭角を表している森下瑠大の19〜20歳の3人は入来さんの指導で飛躍の年となりそうな予感がある。


彼らのうち誰かあるいは全員が来シーズン一軍で先発するチャンスがあるだろう。その中で投げ抹消の形で登板回数を重ねる投手が出現する可能性はかなりあるように思う。


新人でドラフト2位の松本凌人、同じくドラフト2位で来季3年目となる徳山壮磨についても来シーズンは1軍のブルペンで重責を担う立場となりそうだが、その前にファームで入来さんと過ごす時間を持つことが彼らの野球人生のこれからを変えてくれる筈だ。



【怒涛の獲得調査と入来新コーチ】


このところDeNAが投手の獲得調査に乗り出したと言う報道が相次いでいる。


ざっと挙げて見ると、森唯斗(ソフトバンク戦力外)、山﨑福也(オリックスFA権取得)、中川颯(オリックス戦力外)、堀岡隼人(読売戦力外)と言ったところ。


森唯斗はここ2年ほど先発転向を模索していたがうまく行かなかったようだ。


元々、千賀投手がMLBに挑戦する際に先発陣を強化したいと言うチーム事情があってのことで、本人も何が何でも先発でと言うことではないのだろう。


ベイスターズが獲得すると言うことであれば、恐らくはリリーフで山﨑康晃、三嶋一輝とともに終盤を担うベテラン枠を競うことになるだろう。


山﨑福也は日本シリーズで先発を任せられる主力であり、エースの山本由伸がMLBに挑戦することを考え併せればオリックスが手放さないのではないかと思うが、もし獲得出来れば左のローテーションの一角は確実に埋まる。


中川颯と堀岡隼人の二人はいずれも25歳の右リリーフでベイスターズでは入江、吉野、京山と重なっている。


穿った味方かも知れないが、巷で言われているように、京山将弥の現役ドラフト、2軍ですら登板のない吉野輝樹の怪我からの回復が思わしくない、と言った事情があってのことかも知れない。


そして、もう一つ考えるべき可能性は入江大生の先発再転向だ。


ドラフト1位で入団した彼の期待値からすると、本来は先発ローテーション投手かクローザーを任せたいところ。


クローザーとしては四死球の多さが気になるところだし、甲子園で3試合連続ホームランの実績があるバッティングを活かす上でも先発で使いたいと言うことはあり得る。



入江の先発転向と山﨑福也の獲得を仮定すれば、来季のローテーションは次のようになる。


左投手: 東克樹、濵口遥大、山﨑福也


右投手: 大貫晋一、平良拳太郎、入江大生


全く悪くない、と言うか非常に良いのではないだろうか?


さらに、リリーフ陣は以下の通り。


勝ちパターン確定: ウェンデルケン、森原康平


勝ちパターン枠争い:
(右)山﨑康晃、森唯斗、三嶋一輝、伊勢大夢、宮城滝汰
(左)エスコバー、石川達也、


ロングリリーフなど:上茶谷大河、徳山壮磨、松本凌人、櫻井周斗


こちらも悪くない。


なんだ、全然行けそうじゃないか。


心配して損しちゃった、と言うことで落ち着いて(無責任に)日本シリーズの観戦を楽しもうじゃないですか、皆さん。


最後に余談を一つ。


【働きアリの法則】


・働き蟻のうち、よく働く2割のアリが8割の食料を集めてくる。


・よく働いているアリと、普通に働いている(時々サボっている)アリと、ずっとサボっているアリの割合は、2:6:2になる。


・よく働いているアリ2割を間引くと、残りの8割の中の2割がよく働く蟻になり、全体としてはまた2:6:2の分担になる。


・よく働いているアリだけを集めても、一部がサボり始め、やはり2:6:2に分かれる。


・サボっているアリだけを集めると、一部が働きだし、やはり2:6:2に分かれる。


だから人は動いてもチームは機能するんですよ!