「横浜進化」に向けて力が集まりつつある
野球の匂いのしない日々を過ごして来たが、ようやく球春到来を思わせるニュースがインターネット上を賑わせるようになった。
【2024年シーズンのスローガンと新ビジターユニフォーム発表】
昨日、横浜港で就航しているレストラン船マリンルージュを貸し切って新シーズンのチームスローガンとデザインを一新したビジターユニフォームが発表された。
新しいスローガンは「横浜進化」。
昨シーズンの悔しいエンディングを迎えた後、萩原統括本部長、三浦監督、そして全ての選手たちが口にしていたのは「変わらないといけない」という強い気持ちだった。
萩原さんの仰っていた「今のチームの延長線上に優勝はない」「goodなチームではなくgreatなチームにならないといけない」という言葉は球団の本気度を示していると思う。
昨シーズン良い成績を残した選手たちにとっては、「進化」というスローガンは過去の成功体験にしがみついて変わる勇気を無くしてはいけないという戒めの意味を持つのだろう。
三浦監督と共に式典に参加した東克樹投手と山本祐大捕手は「現状維持は退化と同じ」と言って自らを戒めている。
最優秀バッテリー賞に輝いたこの2人が昨年の投球パターンを「進化」させることが先発ローテーションの要となる。
東克樹が本当の意味でのエースになれば、ベイスターズの弱点の一つである「連敗がなかなか止まらない」という問題が解消するはずだ。そう、「金曜日になれば東が何とかしてくれる」だ。
逆に、昨シーズン結果の出ていない選手の中には、ダメなら引退というような背水の陣を敷く人もいるだろう。
身を捨ててこそ、浮かぶ背もあれ。頑張って欲しい
新しいビジターユニフォームは従来のストライプに代わって波をモチーフとしたものになった。
私はあまりユニフォームにこだわるタイプではないので、好きか嫌いかということはあまりなく、「そうか、今年はこのユニフォームを着た選手たちを応援するのか」という感想を持った。
これから観ることになる数々の名勝負や劇的勝利のシーンの中でこの新しいユニフォームが目に焼きついていくことだろう。そうなって初めてデザインにも愛着が湧いてくる。
私にとってのユニフォームというのは、どうも、そういうことらしい。
併せて、新キャプテンとなる牧秀悟選手のキャプテンマークも披露された。
こちらも波をモチーフにしたもので、一貫性のあるデザインとなった。
牧は自分のことよりチームの勝利を第一優先、と言っており、私は彼のキャプテンシーに大きな期待を抱いている。
【進化の象徴となるアナリスト出身コーチ】
プロ野球のコーチが実際どのような仕事をしているのか、我々ファンにはなかなか分かりにくい。
チームによって、コーチによってもかなり異なるのだろう。
ただ、漠然とではあるが、選手たちの育成や指導というグラウンドでの仕事と試合中の作戦立案というベンチ内での仕事の二つが柱なのだろう、とは思っていた。
今シーズンから、ベイスターズではこの二つの役割を明確に区分し、後者については、アナリスト出身の大原コーチと靍岡コーチが抜擢されることになった。
この試みはNPBで初めてということで、球界の関係者たちも注目しているようだ。
最近の報道を見ると、アナリストとしてのこの2人は既に選手たちへの情報提供、情報に基づく戦術のアドバイス、指揮官への作戦の提案などを行なっていたようなので、その経緯を見て、これは行けるという判断が下されたのだろう。
それなりの勝算があってのことだと思う。
私は、この人事が「横浜進化」の成否を握っているような予感を持っている。
【新人合同自主トレ】
例年通り、横須賀の球団施設Dockで3週間に渡り新人合同自主トレが行われ、ドラフト1位の度会隆輝選手や同じく2位の松本凌人投手をはじめ、育成契約の新人も含め全員が元気に汗を流した。
これも恒例となったDeNA本社訪問と南場オーナーからの訓辞もあり、全員がスタートラインに着いた。
これから本当に色々なことがあるだろうが、自分の夢を実現し、そしてファンに愛される選手人生を送ってくれることを心から祈っている。
宮沢賢治さんの言葉を彼らに送っておきたい。
“さあ、切符をしっかり持っておいで。
お前はもう夢の鉄道の中でなしに本当の世界の火やはげしい波の中を大股にまっすぐに歩いて行かなければいけない。
天の川のなかでたった一つのほんとうのその切符を決してお前はなくしてはいけない。”
【新外国人来日】
先発ローテーション入りの期待される元ピッツバーグ・パイレーツのアンドレ・ジャクソン投手が来日した。背番号は42
ジャクソン投手は身長190cmでフォーシームの平均球速が153km/hというパワー投手だが、本人が語った自身の強みは「打者の観察眼」とのこと。
ん?何だか期待が持てそうだぞ。
近年、NPBの打者たちのレベルが上がり、力任せの投球ではなかなかねじ伏せることが難しいが、彼らの特徴をよく理解して工夫するピッチングができれば、昨年のトレバー・バウアーのような活躍もあり得る。
バウアーのNPBへの適応プロセスは球団のノウハウとして資産になっているはずで、それがジャクソン投手の場合も活用されるはずだ。
同じ日に、リリーバーのローワン・ウィック投手も来日記者会見を開いた。
こちらの背番号は62。長年親しんだエスコバー投手のものだが、リリーバーとして継承し、同じようにブルペンを支える柱となってくれることを期待している。
もう1人の新外国人投手、左腕リリーバーのアンソニー・ケイ選手は2月上旬に来日する予定。背番号は69
さらに、昨年、安定した投球を見せてくれたウェンデルケン投手も来日し、タダイマと言っていた。大変心強い。
未だバウアー投手の去就は不明だが、球団はできるだけの補強をしてくれたと思う。
【もう一度タイラー・オースティンを信じよう】
そして最後にこの人、タイラー・オースティンが来日した。
昨年の激痩せとは異なり、我々のよく知っている「大きなタイラー」のシルエットだ。
シーズンオフにもう一度、、右肩の小さな手術を受けたそうだが、やっと良いコンディションに戻ったという本人の明るい表情を見ることができて良かった。
インターネット上には、オースティンは故障が多いので、もう居ないものと思った方が良い、という趣旨のコメントが多く見られる。
へえー、そうですかい。
あたしゃ、もういっぺんあいつを信じますがね。
みんなだって本当は心の中ではタイラー・オースティンがもう一度あの輝きを見せることを期待しているんでしょ?
予防線なんかはっちゃって。
大好きな選手が故障で試合に出られない年が二度ばかり続いたからって、信じて、期待して、応援するのをやめる必要なんて全然ないんですよ。
”風呂で転んで怪我をしたからって、風呂に入るのをやめたりはしないだろう?”
(映画「グランプリ」の中の三船敏郎のセリフ)
さあ、もうすぐキャンプインだ。
今年も素晴らしい野球の日々が待っている!
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