mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

筒香嘉智のこれからと須田幸太の今

今日は、ベイスターズの二人のOBについて良いニュースがあった。


筒香は、昨シーズンからメジャーに挑戦したが、今年の前半はご存知の通り不調を極めていて、まず、レイズから放出され、次のドジャースでも3Aに降格された後に放出された。日本では、張本さんに早く帰ってこいと言われていた。まあ、言わせておけばいい。


そして、ピッツバーグ・パイレーツにシーズン終盤で移籍したわけだが、そこからは43試合に出場し、打率2割6分8厘、8本塁打、25打点と、本来の長打力を発揮したと思う。実は、それより前、ドジャースの3Aでも打撃好調でヒットを打ち続けていた。恐らく、この期間に、メジャーで通用するための何かを掴んだのだろう。


筒香は、器用で新しい環境にすぐにフィットするというタイプではないのだろうと思う。ベイスターズに入団してからも、彼が本当の実力を発揮するまでには5年間ほどかかったと記憶している。ブレークを果たした後の道のりも、決して平坦ではなかった。


2014年8月の中日戦で、左翼の守備についている時にセンター梶谷と激突して意識不明となり、グラウンドの中まで救急車が入ってきた。脳しんとうと頸椎しんとうで入院し、勿論、登録抹消となった。本人は何も言わないが、その影響は長く残ったのではないか。


その日、私は仕事でロンドンにおり、携帯の文字情報で、「筒香まだ目を開きません」と言った最低限の情報をヤキモキしながらずっと眺めていた記憶がある(当時は海外のパケット割引等はなく、その月の請求金額は驚くべき数字だった)。


筒香は器用ではないが、決して諦めない。そして、非常に深く考えて、自分なりの解決策を見出し、それを自分のものにするための努力を続ける才能がある。


パイレーツのチェリントンGMが、「チームにはFAになり、我々が残留してほしいと興味を持っている選手がおり、ヨシ(筒香)が含まれている。我々は、今後数日間で話し合いに入ることを楽しみにしている」というコメントを出した、というのが一つ目の良いニュースだ。こうしたコメントにはウラとオモテがあるので、実際には筒香に残留要請がない可能性もゼロではない。しかし、筒香は諦めず、もう一度3Aからの再出発となっても日本に帰ってくる気はないだろう。


もう一つの良いニュースは、ベイスターズOBの須田幸太投手の在籍するJFE東日本が3年連続25度目の都市対抗出場を決めたことだ。八回から救援した須田は、2点リードで迎えた九回2死一、三塁のピンチを切り抜け、「勝っているところで投げて、勝つことが自分の仕事だと思ってやっている。」と言っているそうだ。


須田がベイスターズに在籍した頃、横浜スタジアムのバックネット裏に毎日一人で来ている男性ファンが居た。彼は声を出しての応援というのは一切しなかったが、唯一の例外は須田幸太の登場時だった。


須田がリリーフカーに乗って登場すると、彼は、腹の底から絞り出すような太くて大きな声で、「すーーーーーだーーーーーああああ」と吠えるのだ。

彼の遠吠えのような声は内野席中に響き渡った。我々は皆、少し驚きながら、須田のことが本当に大好きで心から応援しているんだなと思った。


ある日のカープ戦、二死満塁というピンチを残してウィーランドが降板した後を引き継いで須田幸太が登場した。いつもの遠吠えのような応援を聞いた後、彼は、糸を引くようなきれいな回転のストレートを投じてバッター(確か菊池涼介だったと思う)を三振に打ち取り、小走りでベンチに戻ってきた。ハラハラして見守っていたウィーランドは、狂喜して須田を迎え、抱きついたり、どやしつけたりしていた。須田は、いつもの、ミッフィーちゃんが成人男子に憑依したようなつぶらな瞳で当惑しつつニコニコしていた。


須田は今年で35歳になったそうだ。そして、JFE東日本の落合監督は「須田とは集大成として今シーズンを歩んできました。」と言っているのが少し気になる。今後について二人で話をしているのだろう。


私は、ベイスターズにいた頃、いつも正義のヒーローのように登場してくる須田を誇りに思っていたが、例の男性ファンのように一人で大声を出すことはしなかった。

JFE東日本が都市対抗を勝ち進んで、テレビやインターネットで見られるようになったら、今度は、私も自室で


「すーーーーーだーーーーーああああ」


と遠吠えするつもりだ。