mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

結局ベイスターズで一番かけがえのない野手は誰なのか



ベイスターズの野手陣に関して、レギュラー陣は力があるが、選手層が薄く、控え選手との差が大きいという評価を良く耳にする。


確かに、昨シーズンの開幕後しばらくの間、外国人選手たちが来日出来なかった時期にはそれを痛感したし、主力選手が故障などで離脱した場合も同様の印象がある。


日本でも最近普及してきたセイバーメトリクスには、WAR(Wins Above Replacement)という指標がある。

野手の場合WARはチームの勝利に走攻守を含めて総合的にどれほど貢献したかを示す指標で、リプレイスメントつまりリーグの平均よりやや劣っていて交換要員として容易に確保できる選手と比べて何勝分の勝利に貢献することができるかを数値化したものと言われる。


下の表はDELTAによるベイスターズの主要な野手(100打席以上)のWARのリストである。


WARというのは積算型の指標なので、出場試合数によって増減する。

そこで、300打席以下の選手については、300打席に換算して補正を行った(打席数に比例してWARを計算しただけです)。


また、昨シーズンがこれまでの成績と比較して例外的に良いあるいは悪い選手(前者は桑原選手、後者はソト選手と神里選手がそれぞれ該当する)については、上記の補正後に過去3年間の平均に置き換えてみた。



この補正後のWARをベースにして、レギュラーが故障などで他の選手に交代した場合にWARがどの程度低下するかを計算して見る。


まず、外野陣については過去の実績も加味して神里選手が交代要員になると考える。

この場合のWARの低下は次の通り。


オースティン -3.7

桑原 -0.7

佐野 -0.6


次に、内野手については、ソト選手が不在の場合には牧選手がファーストに入って二塁に大和選手が入る、あるいは柴田選手を二塁にして大和選手が遊撃に入ると考える。また、柴田選手の場合は大和選手が代わって遊撃に入り、宮﨑選手が不在の場合も三塁に柴田選手が入って遊撃に大和選手となる。つまり、いずれの場合も大和選手と比較すれば良いので、次のような結果となる。


ソト -1.1

牧 -4.9

柴田 -2.0

宮﨑 -3.3


捕手については、戸柱選手が代わりに入るとして、次の数値となった。


伊藤光 -0.7


この考え方だと、最も替えの効かない野手は牧秀悟選手。続いてオースティン選手、宮﨑選手と言う順になった。


事前に漠然ともっていた印象と大きくは変わらないが、オースティン選手よりも牧選手が上位に来たのはやや意外だった。交代する相手にもよると言うことだろう。


宮﨑選手はベテランでオースティン選手も3年目なので、複数年契約の弊害が出るようなことがなければこの二人は今年も期待できる。そうして見ると、抜群の活躍を見せた牧選手の2年目のジンクスがあるかどうかがチームの浮沈に大きく影響することになると考えられる。



上にも書いた通り、今回算出したWARの低下は、交代要員の成績によっても変動する。

この意味では、外野と内野それぞれで神里選手及び大和選手の補正後のWARである0.9及び-0.6を改善するような本人たちも含めたチーム内競争が極めて重要になる。


私としては、特に、神里選手と大田選手、そして大和選手と森敬斗選手が競い合ってレギュラーをおびやかすほどの高いレベルでの競争を見せてくれることを期待している。


そうなれば、もうベイスターズは選手層が薄いなどとは二度と言わせない。