mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

ついにキャンプイン!注目している10のポイント



暦の上での春は2月4日の立春から、気象庁の春は3月1日から始まり、天文学の春は春分の日が初日だ。


そして、球春は、今日2月1日の各球団一斉キャンプインから始まる。


思えば、昨年10月28日の最終戦が終わってから、私はずっとこの日を待っていた。
最終戦翌日のブログを見返してみると、こんなことを書いていたようだ。


“この試合を最初から最後までテレビで観ながら、私はゆっくりと夕陽が沈んで行くのを見つめているような気がしていた。牧の2本のヒットも太陽が地平線に沈む直前の薄暮の輝きのように思えた。


そして、9回二死から代打で出場した神里がインコースのストレートを見逃して試合終了となった時、完全な闇が訪れたことを悟った。


そう、これが我がベイスターズの2021年シーズンのラストだった。


いいだろう。来年再び朝日が昇るのを見るためには、一度、しっかりと暗闇に沈む必要がある。その暗闇の中でチームのメンバーは全員自らを徹底的に見直し、必死の努力をしてくれるものと、私は信じて疑わない。


敗北したところから、すべてが始まる。それが敗北の深い意味である。 石原吉郎“



季節は巡り、新たな気持ち、そして新たな陣容で2022年シーズンに向けた本格的なチーム作りを始める時が来た。


今日は、今回のキャンプで私が個人的に注目している以下の10個のポイントを簡単にお伝えしておきたい。そして、今後、キャンプが進むにつれて、これらの各ポイントにどういった答えが出そうなのか、あるいは出ないのか、などを折りにふれて書いて行こうと思う。


① 先発ローテーション争いと開幕投手
何と言ってもまず最初に気になるのはローテーション投手が誰になるのかだ。



今永昇太、東克樹、大貫晋一、フェルナンド・ロメロの4人はほぼ確定だろう。


残り2枠を濱口遥大と京山将弥を中心として上茶谷大河や坂本裕哉などの他の投手が争う構図だと思っていたが、京山投手のコロナ感染に伴い代わって1軍キャンプに参加することになった入江大生も加え混戦模様だ。


本命の4人の調整が順調に進むか、そして混戦を制して残り2つのローテーション投手の座を獲得するのは誰かを見ていきたい。


開幕投手は順当に行けば今永投手だろうが、下駄を履いてみるまでわからないというのがこの世界だし、他のピッチャーも虎視眈々とその座を狙っていることだろう。



② クローザーの指名
新入団のブルックス・クリスキー投手の来日予定が立たない現状では、昨年クローザーを経験した三嶋一輝、山﨑康晃、エドウィン・エスコバー、そして伊勢大夢の4人の中から誰かを開幕時のクローザーに指名することになるだろうと思う。


データだけ考えれば、以前も書いたように、対戦相手のチームに応じてクローザーを分業制にするのが合理的にも思えるが、良い意味で頑固な三浦監督がそういう采配はしないだろうという気もする。


4人の候補達の仕上がり方とそれぞれの課題への取り組み、そして三浦監督と斎藤隆新チーフ投手コーチがどう言う意思決定をするかに注目している。



③ ソトの復活
入団してから最初の2年で連続ホームラン王となったソト選手はその後の2年間、彼らしくないバッティングが見られるなど苦戦している。


今年は久しぶりにキャンプの最初からしっかりと調整してシーズンインできる状況なので、盛り返しに期待したい。


オフにはオースティン選手の人脈でクレイグ・ウォーレンブロックの率いるチームのバッティングフォームのチェックと指導を受けたようで、彼らの手で復活したMLBの強打者たちのように、また、ソト選手特有の大きな放物線を何度も見せてくれるだろうか。


④ 佐野とオースティンのファースト守備
ソト選手の復活に対するプランBとして、佐野選手あるいはオースティン選手のファーストコンバートとそれによって一つ空く外野のポジションに大田泰示選手や神里和毅選手のどちらかを競走の末につかせるという計画を実行に移すかどうか。


UZRがかなり悪い佐野選手のレフトの守備にメスを入れる必要性を首脳陣がどれほど重視しているのか、そしてソト選手の状態を見ながらどう言う判断を下すのかが気になるところだ。


⑤ 森敬斗の発育
私は、森敬斗選手はプロ野球選手の中でも際立っている身体能力の高さを活かして、まずは今年、高い守備力と走力でショートのレギュラーの座を掴んでほしいと思っている。


先日の球辞苑で、川相昌弘さんが、身体能力が高い選手ほど捕球にはいる体勢の作り方などで基本から外れていることがあると仰っていた。


秋季練習では、まさにそう言ったところを石井琢朗コーチからも指摘され、繰り返し練習していたようなので、基本をカラダに覚え込ませることで彼の身体能力を使った堅実かつ華麗な守備を見せてくれるようになることを期待している。



そして、彼には、盗塁の技術をもう1段階レベルアップすることが求められていると思う。


森選手については、首脳陣が我慢してショートのレギュラーに固定できるかどうか、言い換えれば、なんとか我慢して使っていこうと思わせるようなレベルにまで彼が成長できるかどうかがこのキャンプの見どころの一つだ。


⑥ 入江の逆襲
入江投手は昨シーズンのドラフト一位投手として鳴り物入りで入団したが(三つも「入」という漢字を使ってしまった)、一勝もできずに右肘の違和感で離脱そしてクリーニング手術と叩きのめされるような気持ちになったこともあったと思う。


今年になってからの彼のインタビューなどはうわついたところが微塵もなくなり、逆襲の機会を静かに淡々と、しかしながら強い決意を持って狙っていることが良く分かる。
彼もプロの投手として生き残って行くための聡明さを感じさせる選手だ。


入江投手については、手術後のリハビリの間に徹底的に行った筋トレと筋量の増加によってストレートの強さがどのくらい増しているか、そして何か一つプロで通用するキレと精度を持った変化球を習得できるかがポイントだと思う。


今日の三浦監督のコメントにもあったが、入江投手を先発で使って行くのか、それとも将来的なセットアッパーあるいはクローザーとしての起用を視野に入れてリリーフとして使って行くのか、首脳陣の判断も大いに気になる。


⑦ 打てるキャッチャーは現れるのか
昨日のブログで書いたばかりだが、私は、今シーズンの主戦キャッチャーはともかく打てること、そして出塁出来ることを優先して決めるべきだと考えている。


山本捕手や益子捕手の育成も重要だが、横浜反撃というスローガンを本気で掲げるのなら、それは1/3か1/4ほどのバランスにするべきだと思う。


打てるそして出塁できるキャッチャーの候補は、まず第一に肩のクリーニング手術から復帰する伊藤光選手、そして昨シーズン終盤打撃好調だった戸柱選手が挙げられる。


伊藤選手については術後の身体の状態、そして戸柱選手については昨シーズンの打撃開眼を思わせる好調が本物だったのかどうか、と言ったところを見て行くことにしたい。


コロナの影響もあり2軍スタートになったが、嶺井選手の左腕攻略が復活して第二捕手にハマるという状況も結構な確率であるような気もする。


⑧ 外野レギュラーと代打の切り札
桑原選手が去年のように活躍できるか、そして低下した守備指標特に送球面での不安を払拭できるのか(これについては、肩などに何らかの故障があるのではないかという懸念もわずかだが持っている)が気になる。


そして、恐らくプロ入り後最も悔しいシーズンとなった昨年から復活を期する神里選手と日本ハムから移籍してきた大田泰示選手も含めた三つ巴のセンターのレギュラー争いは見応えがある。


この3人の競争と連動して、代打の切り札問題も考えて行くことになるだろう。
左は恐らく楠本泰史選手が候補になり、右は蝦名選手、細川選手あたりが一皮むけてくれるかどうか。


⑨ コロナ禍でのサバイバル
先日のブログでキャンプとオープン戦期間中のコロナによる離脱者のシミュレーション結果を載せた。


そこでも書いた通り、陽性率がどのように推移するかによって、コロナに感染し離脱を余儀なくされ調整不足が懸念される選手の数がチーム全体の4分の3に達する場合から、影響がほとんど問題とならないと考えられる場合まで変動する可能性がある。


この変動幅は各チームの本来のチーム力や選手層の厚さの差あるいはオフ中の補強の程度などよりずっと大きな影響を持つ可能性がある。


感染対策が医療の観点から重要なことは言うまでもないが、それに加えて、上に書いたことは、つまり、これからのキャンプとオープン戦期間中の各チームの感染対策の成否が、開幕ダッシュができるか否かを分ける大きな要因にもなるものと考えられる。


賢明なベイスターズ首脳陣はこのくらいの簡単な予想は既に立てていることと思うので、感染対策がスタートダッシュを決めるための重要な戦略の一つと考え、得意のIT技術を駆使して積極的に取り組んでいただきたい。


ひょっとすると、今春のキャンプの目玉は各チームの感染対策競争になるかも知れない。


⑩ 新人投手達の挑戦
今年のキャンプでは、高卒投手ナンバー1とも言われる小園健太投手、即戦力の期待がかかる早大卒の徳山壮磨投手と法大卒の三浦銀二投手の新人投手3人が1軍キャンプに参加する。


先日も新人合同自主トレの様子が動画で公開されていたが、年齢の四つ離れたこの新人たちは清々しく、そして若者らしい無邪気さも持って懸命に練習に励んでいた。


ブルペンに入ると、3人とも真剣な眼差しになり、素早い体重移動と鋭い腕の振りで早くも強いボールをキャッチャーミットめがけて投げ込んでいた。さすがに3人ともアマチュア野球界で早くから注目されてきた逸材だけのことはある。


同じ日にブルペンに入った東投手の投球をキャッチャーの後ろから見て、ベース板でのボールの強さにプロのピッチャーの凄さに改めて驚いたようだが、こうした経験が彼らの新しい挑戦の糧となって行くのだろう。


このまま、野球に対する純粋な気持ちを失うことなく、ひたすら上へ上へと真っ直ぐに伸びていって欲しい。


最後に、彼らの挑戦を見守る気持ちを込めて一句。



槍梅の 天にとどけと 練習開始(ことはじめ)