僅差で勝って大差で負ける それが強豪と自分に言い聞かせよう
8月7日 対中日ドラゴンズ バンテリンドーム ナゴヤ 0-5 負け
一軍の試合より1時間早く始まったイースタンリーグのロッテ戦では、いずれもコロナ陽性で離脱していた東克樹、ネフタリ・ソト、森敬斗が実戦復帰を果たした。
東投手はストレートの最速が144km/hとまだ100%ではなかったが、3回を投げて被安打2、奪三振5で無失点と格の違いを見せつけていた。最後のイニングとなった3回には三者連続三振に切って取る快投で、流石にバッターを牛耳るスキルがあると思った。
森敬斗は初回の第一打席でレフト前ヒットを放ち、守備も軽快にこなしていたので、あまりブランクの影響はないと見て良いようだ。
ソト選手は3打数ノーヒットで6回の守備から交代した。タイミングが合わずに当てるだけというようなバッティングが多かった。
自分のスイングができるようになるためには、もう少し実戦でピッチャーと対峙する時間が必要だろうか。
一方、投手戦となった昨日の試合を際どくものにした一軍の方は、バンテリンドームでのこのカード最終戦に臨む。
ドラゴンズの先発は近未来のドラゴンズのエース、いや日本のエースになる可能性も十分ある逸材の髙橋宏斗だ。最速150キロ台半ばのストレートと落差の大きいスプリット(だったらフォークでは?)のコンビネーションで三振を量産している。
19歳の彼は明後日が二十歳の誕生日ということで、今日が十代最後の登板となる。空恐ろしい話だ。
対する我が社の先発はフェルナンド・ロメロ。昨シーズン終盤に見せた打たせて取る安定したピッチングは今シーズンここまでのところ見せられていない。
得意のバンテリンドーム中日戦でギアを上げて本来の彼の投球を見せて欲しい。
今日は7月29日以来久しぶりに蝦名選手を1番ライトで起用してきた。このところ調子を落としている蝦名だが、そろそろ勝負どころでの一打や長打など自分自身を乗せていくことのできる一本が欲しいところだ。
6番には楠本。こちらもこのところあまり活躍した印象が無いので、そろそろ首脳陣の評価を得ることのできるようなプレーを見せる必要がある。
この二人に共通して言えることなのだが、なんだかバッティングが小さくなり、思い切り振れていないように感じる。思い切りの良いスイングで積極的に行って欲しい。
1番 蝦名(RF)
2番 桑原(CF)
3番 佐野(1B)
4番 牧(2B)
5番 宮﨑(3B)
6番 楠本(LF)
7番 伊藤光(C)
8番 柴田(SS)
9番 ロメロ(P)
継投 フェルナンド・ロメロ(6回)→平田(1回)→石川(1回)
4回の攻防 0-1
ベイスターズは4回表二死一、二塁から楠本のライト前ヒットでセカンドランナー牧を本塁に突っ込ませたがライト岡林の好返球でタッチアウト。
嫌な流れで迎えた4回裏のドラゴンズの攻撃は3番からの好打順。
そして3番の阿部はやはりヒットで出塁。続く4番ビシエドの打球はセンターのフェンスにまで届く大飛球。背走した桑原が一旦はボールをグラブにおさめたが、背中がフェンスに当たった衝撃でこぼれ落ちヒットとなった。ただし、ファーストランナー阿部はスタートを切れず一、二塁。
5番木下の送りバントの後、6番レビーラがレフト前にタイムリーヒットを放ち、ドラゴンズに0-1と先制を許した。
7回の攻防 0-2
一死満塁のチャンスで代打大和の外野フライでサードランナー楠本が突っ込んだが、4回表と同様にライト岡林から素晴らしい返球で本塁タッチアウト。同点のビッグチャンスを逃した。
再び嫌な流れの7回裏。2番手の平田真吾が先頭のレビーラを三振で打ち取ったが、続く7番石垣のショートゴロで大和が痛恨の悪送球。ランナーが進塁して一死二塁としてしまった。
8番土田がヒットで一死一、三塁となり、代打平田のセカンドゴロの間にサードランナーが生還。両チームとも欲しかった次の一点はドラゴンズに入った。
8回裏 ドラゴンズの攻撃 0-5
2番手の石川達也が二死から連続フォアボール。その後、石垣選手にスリーランを喫するという絵に描いたような展開であっという間に3点の追加を許した。
どうしたんだ石川、これはいけませーん。
5点差となり、ドラゴンズベンチは準備していたクローザーのマルティネス投手は温存して、9回には祖父江投手をマウンドに送った。
そして宮﨑から始まるベイスターズ最終回の攻撃も三者凡退に打ち取られ、ゲームセット。
今日はベイスターズで印象に残る選手はあまりなかった。途中までは昨日に続いて緊迫した投手戦を演じていたが、大和選手のエラーから試合の質が大きく変わり、それは石川投手の被弾で決定的となった。
負けた時はいつも書いていることだが、
“こう言う日もある”
ということさ。
ドラゴンズでは、2度にわたってベイスターズの得点機でホームに突入する走者を捕殺したライトの岡林選手のプレーが非常に印象的だった。
元投手だったと言う岡林選手のホームへの送球が素晴らしかったことは勿論なのだが、特に注目したのは木下捕手がその送球をキャッチして走者にタッチした位置なのだ。
木下捕手が補給した位置は2度ともほぼ同じ場所、ホームベースから三塁線上を一二歩サード方向に離れたところだったのだ。
ここで捕手が捕球すると、ホームに突入する進路は完全に塞がれることになる。
実際、4回の牧選手も7回の楠本選手も木下捕手の手前で右側(バックネット方向)に回り込む形となり、そこに木下捕手がタッチした。このため、牧選手も楠本選手も最後までホームベースに触れることはできなかったのである。
穿った見方をすれば、これはコリジョンルールに抵触しないブロッキングに近い。
実際、公認野球規則には次のように規定されている。
▽公認野球規則6・01(i)(2)抜粋 捕手がボールを持たずに得点しようとしている走者の走路をブロックすることはできない。もし捕手がボールも持たずに走者の走路をブロックしたと審判が判断した場合、審判員はその走者にセーフを宣告する。前記にかかわらず、捕手が送球を実際に守備しようとして走者の走路をふさぐ結果になった場合(たとえば送球の方向、軌道、バウンドに反応して動いたような場合)には、本項に違反したとはみなされない。(以下略)
つまり、送球を捕球するためにやむを得ず走者の進路を塞いだ場合には、コリジョンルールは適用されず、進路妨害とはならない。
木下選手の捕球からタッチの流れはこの意味での必然性のあるものであり、ルールに反することなく走者に対して進路をブロックすることができる。
NHKBSで解説をされていた宮本慎也さんは、最初の補殺の際に、送球が少し逸れたようですが素晴らしいボールでアウトにしたスーパープレーですね、と仰っていたが、2度目に同じプレーが繰り返された時にはそうは言っていなかった。
これはひょっとすると綿密に計算され、何度も練習したプレーだったのではないだろうか?
もしそうだとすれば、非常に高度な技術を要する正にプロフェッショナルと言う守備だったのではないだろうか?そのうち、球辞苑で取り上げて欲しいものだ。
虎の子の貯金1はわずか1日で吐き出し、勝率5割に戻った。そして、1日の休みをはさんで火曜日から前回スイープされた阪神の表ローテとの対戦が待っている。
しかし、今週全体で見れば、4勝1敗で貯金3という好成績で終えている。一喜一憂せずに、来週に向けて英気を養おう。
苦手の青柳投手と伊藤投手に何らかの対策を講じてくれていること、そして、先発の予想される今永昇太と濵口遥大が彼らに負けないほどの好投を見せてロースコアの接戦に持ち込んでくれることを祈ろう。
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