mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

ユメ カナウマデ チョウセン




7月6日 横浜スタジアム


ベイスターズ 3 - 2 スワローズ


勝 トレバー・バウアー 6勝2敗0S

負 石川雅規 2勝5敗0S


昨日の試合はなんと言ってもトレバー・バウアーの力投に尽きる。


9回、128球、被安打4、奪三振7、与四球3、失点2


と言う成績以上に気迫のこもった投球は素晴らしいものだった。



ベイスターズは初回、楠本泰史の内野安打と桑原将志のツーベースヒットでいきなり無死二、三塁のチャンスを迎えたが、その後、佐野恵太、牧秀悟、ソトのクリーンアップが凡退して得点を挙げることができなかった。


このところの連敗のせいか、各打者が得点圏で力み過ぎているように見える。


一方、ヤクルトは3回表、二死二塁の好機にトップバッターの並木選手がセンター前へのタイムリーヒットを放ち1点を先制した。


ベイスターズは4回裏にも牧秀悟とソトのヒットなどで一死満塁のチャンスを作ったが、柴田竜拓、伊藤光が凡退して無得点。


チームの勢いの差が現れるような展開だった。


しかし、5回裏に相手のエラーから再びチャンスが訪れる。


楠本泰史の大きなライトフライを背走して捕球に向かったサンタナが着地点を見誤り落球。その間に楠本はサードまで進んだ。


続く桑原将志はスワローズ2番手の石川投手の甘く入ったストレートを思い切り引っ張り、レフトフェンス直撃のタイムリーヒット。


当たりが良過ぎてシングルヒットになったが、桑原らしく思い切りの良いバッティングだった。


さらに、二死一塁の場面で牧秀悟の平凡なセカンドフライを武岡選手が落球し、二、三塁と再び得点のチャンス。


ここで、前の打席にチャンスで三振に倒れたソト選手が汚名挽回の2点タイムリーヒット。やや詰まった当たりのゴロだったが、打球のコースが良く三遊間を破った。


これで3-1と逆転に成功したが、大事なのは次の守備で失点しないこと。昨日と一昨日の試合では得点直後にことごとく失点し流れを掴むことができなかった。


6回表、バウアー投手は先頭の山崎選手を四球で出塁させたが、そこから圧巻の投球を見せた。


サンタナ、村上、オスナと続くクリーンアップを三者連続三振。


オスナ選手を得意の高めのフォーシームで空振り三振に打ちとった時にはマウンド上で闘志を露わにして吠えた。



その後、バウアーは8回に二死から再び山崎選手を歩かせ、二盗後にサンタナ選手にセンター前へのタイムリーヒットを許して1点を失ったが、続く村上宗隆は3球三振に打ちとり追加点は許さなかった。


最後のボールは外角からストライクゾーンに入って来るバックドアのナックルカーブで見逃し三振。これは村上選手も手が出なかった。


この時点で投球数は既に118に達しており、8回の裏に打順が回った際は誰もが代打を予想していたが、ヘルメットを被って登場したバウアー投手を見てスタンドは大いに盛り上がった。


バウアーの名前をコールし続ける大歓声は最終回の投球に向けて彼の気持ちも盛り立ててくれたことだろう。


9回表は5番オスナ選手からの攻撃を3人で片付けてゲームセット。




試合後のヒーローインタビューでバウアー投手が口にした言葉は、


“夢かなうまで挑戦”


と言うものだった。


これはBCリーグに所属する野球選手でもあるティモンディ高岸宏行さんが良く口にする言葉だが、元はと言えば、彼と相方の前田裕太さんの恩師である済美高校野球部監督の故上甲正典さんの座右の銘だったそうだ。



バウアー自身がチームメイトから聞いた言葉だと語っていたようなので、恐らく、上茶谷大河が高岸さんの決まり文句を借りたものだろう。


実は、この言葉とバウアー投手とはもう一つ別のラインでつながっている。


名将として知られた上甲監督を取材し「夢かなうまで挑戦 四国の名将・上甲正典が遺したもの」と言う著作にまとめた丹羽政善さんはシアトル在住のスポーツライターだが、彼は多年に渡ってバウアー投手の取材を続けてきた。



その取材の中で、トレバー・バウアーが語った次の言葉には彼の野球観が良く表現されていると思う。


“(グラウンドの)白線に入るまでがサイエンス。白線の内側で起こることはアート”


これから先も、彼の語る野球のサイエンスをYouTubeで学び、白線の内側で彼が見せてくれるアートをスタンドやTVで観戦し続けることを私は楽しみにしている。