mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

伊勢の伊勢による伊勢のための闘い

10月9日 対ドラゴンズ(横浜) 2-4負け


先発の京山はストレートに力があり、前回よりも大分改善されているように見えた。

攻撃の方は、かなり地味だが5回に楠本の内野ゴロの間に1点、そして、7回にはやはり楠本のライト前タイムリーヒットで1点をあげ、何とか2-0のリードを作っていた。


京山は、7回を投げ切って無失点。被安打5 与四球1 三振6で投球数は101だった。7回も三者凡退で終えており、もう一回行けるのではないかと思ったが、スパッと代えた。

これが継投ミスだという人も多いだろうが、完全に結果論だと思うので私は同意しない。

ニーチェの言った通り、事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである。


8回、代わったエスコバーが代打のアリエル・マルティネスにソロホームランを浴びて2-1。1点差のまま、9回表中日の攻撃に入った。


本日のクローザーは伊勢。前回ジャイアンツ戦での悔しい同点劇のリベンジを期待したが、結果は残酷なものだった。


先頭の5番福田が、外角のボールをテニスの両手打ちバックハンドのように上手く合わせてライト前ヒット。これで、伊勢と山本、どちらも23歳の若いバッテリーは上ずってしまった。

続く高橋周平のライトへの飛球はどん詰まりだったが、ライトの前にポトリと落ちて、無死一三塁の大ピンチ。バッテリーの平常心は完全に無くなったように見えた。


ここで、キャッチャー桂の打順で代打渡辺。2-2と追い込んでいたが、粘られた後の6球目は落ちないフォークかチェンジアップの半速球が真中に入ってライトへのヒット。同点に追いつかれてしまった。その後、代わった砂田が四球で満塁とした後に京田に打たれて2-4。勝負あったと言う感じだった。9回裏にはライデル・マルティネスが三者凡退に抑えてゲームセット。


伊勢は、前回と同様、ここぞと言うところで落ちないフォークが打って下さいと言う真ん中の半速球となり、打たれた。どうも、自分との闘いに負けているように思える。ライデル・マルティネスが完璧だっただけに余計そう見えるのかも知れない。伊勢は、自分との闘いにおける行き詰まりを解決する必要があると思う。


話は変わるが、太極拳の練習方法に、推手と言うものがある。これは、相対した二人が互いの手の甲から手首を接触させた体勢となり、お互いの腕を触れ合わせつつ決められた動作を繰り返して行い、太極拳としての要求をより高いレベルで満たすことができることを目指すものだそうだ。


推手は相手があるものだが、基本的には自身の心技の向上を目指して自分と向き合うものとされている。今の伊勢に必要なものは、こうした心の闘いのスキルの向上では無いだろうか?太極拳の達人の言葉を彼に贈りたいと思う。


いかに手ごわく、屈しない敵だとしても、穏やかに対することができないということは、自分自身の行き詰まりを暗示しています。推手の主眼点は、行き詰まりの探求であり、最終的には行き詰まりの解消です。勝つことではありません。ほんとうに戦うべき「試合」は自分自身との試合です。人生で目を背けている問題が肉体となって現れているものに対峙することになるのです。この自己との対決に進歩の可能性があります。この機会を与えてくれたことを敵に感謝しましょう。

W o l f e L o w e n t h a l , T h e r e A r e N o S e c r e t s : P r o f e s s o r C h e n g M a n c h i n g a n d H i s T a i C h i C h u a n ( B e r k e l e y : N o r t h A t l a n t i c B o o k s , 1 9 9 1 )