mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

2021年のドラフトキング

10月11日 2021年プロ野球ドラフト会議


横浜ベイスターズ 

1位指名選手 小園健太 市立和歌山高 投手(阪神との抽選で交渉権確定)

2位 徳山壮磨 早稲田大 投手

3位 粟飯原龍之介 東京学館高 内野手

4位 三浦銀二 法政大 投手

5位 深沢凰介 専大松戸高 投手

6位 梶原昴希 神奈川大 外野手


一位指名の小園投手は、補強ポイントと言われている20歳前後の右投手にピッタリとマッチする。三浦監督も本当に嬉しそうで、やや噛み気味に一緒に横浜ベイスターズを強くしましょう、と言っていた。小園選手もベイスターズは総合力の高いチームと言っていたので、是非、入団し、活躍して欲しい。


そして私は、それ以外の指名選手にも大いに期待している。


クロマツテツロウさんの漫画ドラフトキングはベストセラーなのでご存知の方も多いと思うが、いわゆるスポーツ漫画の中では珍しいスカウトマンが主役のストーリーである。


主人公は横浜ベイゴールズに所属する郷原眼力(眼力と書いてオーラと読む)で、彼は隠れた才能を見いだし、原石たちの人生に寄り添いながらプロ野球選手として才能を花開かせるチャンスを作って行く。所属球団のモデルは、恐らく、というかほぼ確実に、我がベイスターズであろうと思われる。


彼らスカウトの腕の見せ所は、下位指名選手でありながら1位指名選手を超えるスター選手、その年のドラフトで指名された中でNo.1となるような選手=ドラフトキングを生み出すことである。





長い歴史の中には、イチロー(4位指名)、岩隈(5位指名)、掛布(6位指名)…といった数々のドラフトキングが存在している。

彼らの背後には、おそらく、郷原のようなスカウトがいたのではないかと思わせるような非常に面白いドラマなので、ご一読をお勧めする。


ところで、下のリストは、今からちょうど30年前、1991年の横浜大洋ホエールズのドラフト指名選手である。


横浜大洋ホエールズ

1位 斎藤隆 東北福祉大 投手

2位 永池恭男 福岡工大付高 内野手

3位 有働克也 大阪経済大 投手

4位 斎藤肇 星稜高 投手

5位 石本豊 藤代紫水高 外野手

6位 三浦大輔 高田商高 投手

7位 山根善伸 新日鐵名古屋 捕手

8位 川北和典 元プリンスホテル 内野手


一位指名は東北福祉大の斎藤隆。ご存知の通り、1998年に前年の肘の故障から復活して13勝2敗1セーブでベイスターズの38年ぶりの(そして最も近い)優勝に貢献し、日本シリーズでも初登板初完封の大活躍で優秀選手賞とカムバック賞に輝いた。彼はその後、海を渡って、ドジャースやレッドソックスでも活躍した。NPB通算91勝55セーブ、MLB21勝84セーブの大投手である。そして、同じ年のヤクルトスワローズの1位指名は、石井一久(東京学館浦安高)で、彼もNPBとMLBの両方で大活躍したスター選手である。


しかし、私が注目したいのは、6位指名の三浦大輔現監督である。彼は、入団当初はあまり目立った所のない高卒の投手だったが、ご存知の通り、独自の工夫と努力でホエールズ・ベイスターズ一筋で172勝をあげた。そして、この年の広島東洋カープの4位指名には、後に鉄人と呼ばれた東北福祉大の金本知憲外野手がいる。彼は、カープとタイガースで通算2539安打を放ち、名球会入りを果たしている。ドラフトキングという意味では、この二人のどちらか、あるいは両方が該当するのではないだろうか。


私は、我がベイスターズの指名した上記の選手の中にいずれは2021年のドラフトキングとしてその名を轟かせる未来のスターが含まれていることを夢想している。そして、彼らのこれからの長い道のりの中で、決して諦めることなく努力を続けていくこと、そのための才能を持っていることを願って止まない。


慶應義塾の塾長であった小泉信三氏は、「スポーツが若者に与える3つの宝」として、「練習は不可能を可能にするという体験を持つこと」「フェアプレー精神の体得」「友を得ること」の3点を挙げている。

我がベイスターズではないが、猛練習で鳴らした広島東洋カープの二軍の寮には、この言葉が代々掲げてあるそうだ。


練習は不可能を可能にする。


私は、この言葉にプロ野球の厳しさを垣間見ると同時に、ある種のロマンと希望を感じずにはいられない。

頑張れ、若き「燃える星たち」よ。私はこれからずっと君たちのことを応援している。