mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

牧秀悟が手にしたものは“牧秀悟”と言う名のタイトルである

牧秀悟のプロ野球選手としての最初のシーズンが終わった。


まずは彼が今シーズン成し遂げたことを列挙してみよう。


打率.314(新人歴代2位)


153安打(新人歴代4位)


14度の猛打賞(新人歴代1位)


35二塁打(セ・リーグ新人1位)


5打席連続二塁打(NPB初)


22本塁打(新人歴代8位)


260塁打(新人歴代2位)


71打点(新人歴代10位)


OPS.890(新人歴代4位)


ルーキーで3割20本(4人目)


ルーキーでサイクルヒット達成(初)


ルーキーで4度の1試合4安打(初)


どれをとっても素晴らしい功績だが、特にインパクトが大きいものは、やはり、好打者そして強打者の指標として目がいく打率と本塁打で、3割と20本を上回ったことだろう。


これまでの長い日本プロ野球の中で、この二つを同時に達成したのは、長嶋茂雄(1958年)、石毛宏典(1981年)、清原和博(1986年)、そして牧秀悟の4人のみである。実に35年ぶりと言う非常に価値の高い記録だ。


ここに来て、新人王は誰かと言う予想あるいは論争が盛んに行われている。最有力候補として名前があがるのは、新人ながらクローザーを立派に務め山﨑康晃の新人セーブ記録に並ぼうかと言うカープ栗林と我らが牧秀悟である。


牧自身も一生に一度だけのチャンスなので是非とりたいと言っており、私も取れたらいいなとは思う。しかし、そこまで真剣な訳ではない。一部で取り沙汰されている記者の組織票のような選考方法の疑問が理由ではない。


長嶋さん以降の63年間にセパ両リーグを通じて新人王を獲得した野手は36人いるが、その中で3割と20本を同時に達成したのは先ほどの3人のみである。ちなみに、この3人は新人王を取っているので、もし牧が今年新人王を取れないとすると史上初ということになる。しかし、そのことはそれ程重要には思えないのだ。


長嶋茂雄さんを説明する際に、果たして1958年に新人王をとった長嶋という表現をするだろうか?そして、それは石毛さんや清原さんも同じである。長嶋は長嶋、石毛は石毛、清原は清原と言うプロ野球史に残るブランドであって、それは新人王と言うような次元を超えた別のものである。


そう、私は、牧秀悟が牧秀悟と言う新しいブランドを作ることを信じているのだ。だから、私には、牧秀悟が牧秀悟であることが最も大切であるように思える。


彼はこれからも果敢に挑戦し続け、悩み、努力して、いくつもの壁を乗り越え、3人の先輩たちの到達した高みにたどり着く。


その将来が私にははっきりと見えているのだ。