ピンチでの粘り強いピッチングはエースの証
昨日(12月4日)、横浜スタジアムでファンフェスティバルが行われ、今年のドラフトを経て入団の決まった新人たちも参加した。
ステージに登った小園投手は、自身のアピールポイントとして「ピンチでの粘り強さ」を挙げ、「チームの勝利にたくさん貢献したい」と力強く語っていた。
良く言われることだが、ピンチで粘り強いピッチングとはどの様なものだろうか?
ランナーが得点圏に進んでも失点しないと言うのはピンチで粘り強いピッチングの典型だろう。
今シーズン規定投球回に達した投手たちの得点圏での被打率を調べてみた。
山本由伸(オリックス) .176
森下暢仁(広島) .194
青柳晃洋(阪神) .197
今井達也(西武) .199
伊藤大海(日本ハム) .200
ここまでが被打率2割以下の5人だ。いずれも各チームのエース格の素晴らしい投手たちで、山本投手や森下投手のように素晴らしいストレートを持っているピッチャーも多い。
ベイスターズでは、規定投球回に達した投手自体が少ない(いない?)が、救援投手も含めた一定投球回(チームの試合数×0.268)以上ということにすると、
平田真吾 .170
今永昇太 .184
と言うところがピンチで粘れるピッチャーに該当するだろう。今永投手は予想していたが、平田投手は失礼ながらピンチに強い印象は持っていなかった。以前の5点差が5点差の件のように過去のイメージが残っていたのだろう。
確かに昨シーズンあたりから、落ち着いて失点を防いでいた記憶がある。見直しました。
各チームのクローザーの得点圏被打率を見てみると、やはり素晴らしい数字が並んでいる。
平良海馬(西武) .055
栗林良吏(広島) .086
松井裕樹(楽天) .091
平野佳寿(オリックス) .138
ビエイラ(巨人) .170
スアレス(阪神) .195
マクガフ(ヤクルト) .196
中日のライデル・マルティネスは意外に高くて.219だ。そう言えば、全くランナーを出さずに完璧に抑える時とピンチで打たれる時があったような気もする。
そして、見ないようにしていたのだが、
山﨑康晃 .327
三嶋一樹 .345
これではやはり厳しい。もっともっと応援しなくては。
ピンチに強いピッチングのもう一つの要素といえば三振をとれることだ。
今シーズンの奪三振率上位は次の通り。
柳裕也(中日) 8.79
戸郷翔征(巨人) 8.19
大野雄大(中日) 7.41
森下暢仁(広島) 7.27
小笠原慎之介(中日) 7.22
やはり決め球となる変化球がある投手は三振の取れる投手でもあるようだ。森下投手は先ほどの得点圏被打率でも上位であり、改めて良い投手であると思う。
ベイスターズでは、今永昇太投手が規定投球回以下ながらも8.25と気を吐いている。そして、わずか3試合の先発ではあるが、東克樹投手の奪三振率は9.15であり、ストレートの球速が万全ではない中でブレーキの効いたチェンジアップで三振を積み重ねていた印象を裏付けるデータとなっている。手術後十分に時間が経って球速が回復することを考えると、ますます来年が楽しみだ。
三嶋一樹の奪三振率は8.95とまずまずで、良い球は投げているので使っていきたいと言う三浦監督のコメントとも付合する。
しかし、山﨑康晃の奪三振率は6.38。以前は10を超えたこともある数値が悪化しており、三振が取れない傾向が如実に現れている。
来年はもっともっともっと応援しようと思う。
小園投手には、本人も言っていたスプリットなどの切れ味鋭い決め球を一つ覚えてもらい、持ち味のピンチで粘り強いピッチングに磨きをかけてくれることを期待している。
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