フェルナンド・ロメロ残留の価値
12月5日 フェルナンド・ロメロがベイスターズに残留することが決定したという情報を彼の米国のエージェントがSNS上で公表した。
年俸は115万ドル(約1億3000万円)だそうだ。今シーズンは7000万円だったので、倍増に近い。
この金額について、早くもインターネット上では妥当という意見や少しリスクのある投資ではないかという意見が飛び交っている。
私は、「お安い」と思うので、その理由を少しまとめてみたいと思う。
ご存知の通り、ロメロ投手は今年ベイスターズに入団したが、折りからのコロナ禍で入国が遅れ、しかも入国時の検査で本人も陽性と判定されたため隔離期間を経てからやっとチームと合流して練習を開始した。
初夏に一軍で先発した頃には50〜60球程度で疲れが見えていたので、やはり、調整不足だったのだろう。この頃の印象の強い人は、年俸を倍近くにまで引き上げてロメロ投手を残留させるのはリスクだと思うのもよくわかる。
その後、2軍で再調整し、大家投手コーチ直伝のカットボールや精度を上げたチェンジアップを引っ提げて1軍に復帰してからは、7試合に先発して5勝1敗の好成績を残した。
ただし、良化後のこの7試合でもWHIPは1.35つまり1イニングあたり平均1.35人 (クオリティースタートの目安とする6回だと8人) のランナーを出しているので、これが出来過ぎ、と言う見方もあるのだろうと思う。
しかし、これが本来の彼のスタイルなのだ。
下に示したロメロ投手のMLB時代のリスク管理表をみてみると、四球こそ多くランナーは出すものの、完全アウトとゴロの割合がメジャー平均を超えている。
彼はランナーは出しても失点しにくい、言わばリスク管理能力が高い投手ということができる。ゴロを奪える2シームが当時から機能していたと言うことだろう。
つまり、私は、9月以降(チームの試合数43)の好調期に見せたピッチングが彼本来の姿だと考えているのだ。
その間の彼の成績は以下の通り。
試合数 7
勝ち 5
負け 1
完封 1
投球回 48.3
被安打 49
被本塁打 2
奪三振 24
与四死球 16
失点 14
防御率 2.61
WHIP 1.35
そして、この調子を1シーズン(チームの試合数143)続けるとすると、彼の来シーズンの成績はこうなるはずだ(チームの試合数に比例した単純計算です)。
試合数 23
勝ち 17
負け 3
完封 3
投球回 161
被安打 163
被本塁打 7
奪三振 80
与四死球 53
失点 47
防御率 2.61
WHIP 1.35
ローテーション投手として十分なイニングをこなし、一人で14の貯金を作る立派な成績だ。沢村賞だって狙えないこともない大活躍と言って良いだろう。
ほらね。お安いでしょう?

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