mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

気にしいの桑原将志選手が大人になって億超え4年契約



12月21日 桑原将志選手が年俸変動制の4年契約を結んだ。年俸は1億500万円だそうで、三嶋投手の場合と同じくこの額が最低額として補償されて成績に応じた上積みがあるのだろう。


今年の年俸が4900万円なので、大幅アップだ。来年はFA権取得の見込みなので、それを双方承知の上での4年契約と言うこととなり、宮﨑選手から始まった主力残留の流れがしっかり続いている。


本人のコメント。


「(4年契約は)まったく想像していませんでした。ホント最大限に評価いただいたと。今年1年しか、悪い言い方ですが、いいシーズンではなかったが、このように評価していただいたので、なんとか恩返ししたい」


実際、過去2年は出場試合数が18年の127から72→34と激減し、年俸も8400万円から4900万円へと下がり、オフには内野手転向を打診されたらしい。


しかし、崖っぷちでの復帰に賭けると言う決意を固め、19年に亡くなった母栄美さんの墓前で「今まで通り自分らしくプレーするよと」と外野手としてレギュラーを再び掴むことを約束したそうだ。


桑原選手は、頑張り屋で皆を盛り上げるクラスの人気者だが、とんでもないミスをして人一倍へこむと言うイメージがあった。



彼が高校時代を過ごした福知山に隣接した但馬地方発祥と言われ今は関西の共通語になった「気にしい」なのだろうと思う。


気にしい、というのは、小さなことでも気にしてしまい、すぐに悩んでしまう人のことを指す言葉だ。気にしいの原因というのを調べてみると、


・自分に対する自信のなさ

・重要視しすぎている他人の評価

・プライドの高さ


と言ったものがあるようだ。


“何をするにも、他人からどう見られるか、どう思われるかを意識しているので、たとえ自分では良い結果を出せたと思っても、他人からの評価が微妙であれば、テンションはダダ下がりになってしまう。


他人から良く思われたいという気持ちが強いあまり、物事を終えたあとでも、「あのとき、やっぱりこうすれば良かったかな」と反省点を探し、思い悩む人も少なくない。


自分に対して非常に高い理想を持っていると、そのレベルに達していない場合に、「カッコ悪い」「恥ずかしい」と自分を責めてしまう。


いいところを見せたいという気持ちが強い分、ミスや失敗をしてしまったときに、「やってしまった、恥ずかしい…」と落ち込み、引きずってしまう傾向がある。“


これらのうちのいくつかは桑原選手にも当てはまるように見える。しかし、転機は今シーズン中にあったのではないだろうか。


5月12日巨人戦で9回2死から一塁線への飛球に走らず、批判を浴びた。「打った瞬間にアウトだ、終わってしまったと決め付けた」。翌日、監督室に呼び出された。


「去年はどういう気持ちでやっていたのか。2度とやるな」。三浦監督の言葉に猛省した。しかし、「試合が成立するまで、ベストを尽くさないと」と強い気持ちを持って、次戦から5試合連続安打で足場を固めた。


5月26日オリックス戦でも2回2死満塁から得意の守備で平凡な飛球を落とした。

「監督、コーチに『何があったんだ』と聞かれたが、僕も分からなかった」。


4回から神里と懲罰的にも見える交代。神里は2試合連続本塁打を放ち、桑原は3試合連続でスタメンを外れた。だが、心は乱れなかった。


その後は攻守に安定し、終わってみれば135試合に出場し、打率3割1分、14本塁打、43打点、39二塁打(リーグ最多)、12盗塁とキャリアハイの成績で不動の1番打者として活躍した。規定打席到達は4年ぶりだった。


「成績はシーズン始まる前に想像していなかった。積み重ねたものが出た。気持ちを忘れずにやっていきたい。誰が僕が3割を打つと想像していたか。僕自身が驚いた」


来シーズンは大田泰示選手が入団する。今シーズンは不調に苦しんだ神里選手もセンターのポジションを虎視眈々と狙っているだろう。そのことは桑原選手も良く知っているはずだ。


「誰がチームに来ようと競争であることは毎年変わらない。今年やっても来年レギュラーという保証はない。またポジションを奪う」


桑原将志は落ち着いた大人になったようだ。これからの4年間で彼がどのように熟成していくか見続けることが今から楽しみだ。