三原球団代表の想い
12月22日 例年通りやや早めにDeNAベイスターズは仕事納めを行った。
三原一晃球団代表は、会見を行い、今オフの積極的な動きについて次のように述べている。
“今までとやり方をちょっと変えた。
正直、昨年FAで2人(梶谷、井納)の選手が出ていったのは決して小さい出来事ではなかったと思う。
そのことから、色んな工夫をして新たなやり方を考えて実行しているのが現状だと思います。“
前の記事でも書いたが、実際、ここのところの球団の動きは素晴らしい。
・石井琢朗コーチ、斎藤隆コーチ、鈴木尚典コーチ、相川亮二コーチ、小谷正勝アドバイザーの復帰
・エスコバー投手、ロメロ投手の残留
・FA権を得た宮﨑選手と6年契約で生涯横浜
・FA権を得た山﨑康晃投手の残留
・来年FA権を得る三嶋投手と桑原選手にそれぞれ3年と4年契約を結び準生涯横浜
・日本ハムをノンテンダーとなった大田泰示選手を獲得
・楽天を自由契約となった藤田一也選手の復帰
・海外FA権を得た大和選手の2年契約での残留
・新人離れした大活躍の牧秀悟選手の年俸を新人野手史上最高の7000万円に引き上げ
・その他の選手についても地球温暖化と言われる暖冬更改
・引退した中井選手、飯塚投手、斉藤俊介投手、笠井投手を球団職員として受け入れ
計画的で合理的であるとともに、我々ファンの願いをくんだ誠意のある対応に頭が下がる思いだ。
こうした対応のルーツはどこにあるのだろうか?
三原代表は2005年DeNAに入社し、その後2013年にベイスターズに出向してからも一貫して人事畑を歩んだ方だ。
経営も球団運営も根本は人と人の信頼関係という考えがあるように思う。
三原さんは2016年から球団代表をつとめている。
編成のトップとしてプロ野球出身者ではない異例の抜擢であったが、約2年間ものあいだ高田前GMの傍らに付き、チーム運営を学んだ。
“高田前GMには徹底的に教えていただきました。
とくにおっしゃっていたのは「目の前の1勝を見るのはユニフォームを着ている人たちで、3~5年後のことを考えるのがわれわれの仕事なんだ」と。
つい現場にいると目の前の結果を求めがちなのですが、この数年、球団代表を経験したことで、それが本当にダメなことだということを理解することができました。“
チームを強くしていくこと自体簡単ではないことは明らかだが、それに加えて、プロ野球の球団はファンあってのものということも忘れてはいけない。
この二つを両立するのは時としてなかなかの難題になると思う。
三原代表の過去の言動を調べてみると、選手たちやスタッフばかりではなくチームを愛するファンに対する思いが強くあることがわかる。
“(ファンに対する強い思いは)持っていますね。
基本として生え抜きの選手を育て、彼らがチームの中核を担い活躍することが、ファンの皆さんにとって一番の喜びではないかと考えています。
(3年前に)高田前GMがチームを離れ、新体制になった際、わたしは選手たちに「ファンの方がいなければ、自分たちの存在はないということを認識して仕事に取り組んでくれ」と伝えました。
これをやったら絶対にファンの皆さんが悲しむようなことだけは絶対にしないようにと。“
これは単なるリップサービスではなく、彼の本音なのだろうと思う。
そして、そう考えるとこのところの球団の動きはより理解しやすくなると感じる。
“昨年FAで2人(梶谷、井納)の選手が出ていったのは決して小さい出来事ではなかった”というのは、戦力ダウンということよりもむしろ“これをやったらファンの皆さんが悲しむようなことだけは絶対にしない”という彼のプリンシプルに反するものだからではないか。
また、乙坂選手に対する厳しい処置も同じように考えたほうが理解しやすい。
そして、“基本として生え抜きの選手を育て、彼らがチームの中核を担い活躍することが、ファンの皆さんにとって一番の喜び”という彼の想いは、上述したレジェンドOB等の復帰や主力選手等への厚遇と複数年での残留要請といった一連の動きの底流となっているように思えてならない。
今年米大リーグのレイズが筒香嘉智内野手を戦力外にした時も、次のように言っていたが、これも同じ考えがあってのことだろう。
“彼を送り出した際に「日本でプレーすることになったらベイスターズに戻って来てほしい」と伝えた。その思いは今も変わっていない”
“今後、もし筒香選手が日本球界でのプレーを選択することになれば、しっかりとコミュニケーションを取っていきたい。”
幸い、筒香選手はパイレーツで復活しシーズン終盤に活躍して来季もMLBでプレーすることが決まったが、3年後、5年後を考えればベイスターズのそして三原さんの想いは筒香選手にとっても嬉しいことだと思う。もちろん我々ファンだって嬉しい。
そういえば、三原代表は、ご自身も以前からのベイスターズ(ホエールズ)ファンだそうです。
ほらね、ベイスターズファンに悪い人はいないと私が日頃から行っている通りでしょ?
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。